重複レート発注機能(重複機能)についてまとめ、ポジション数が42倍になった原因等、検証した結果も紹介します。
(2016年9月16日追記:2016年9月26日のアイネット証券ループイフダンのバージョンアップにより重複レート発注機能がなくなったので、この記事での問題はなくなりました。ただし、アイネット証券が公表している利益ランキング等の一部ではいまだにこの機能を使用した時のデータになっているので、過去利益は当ブログで紹介する「真の利益」※を確認して下さい。この記事は参考のため残しておきます。)
※真の利益: 月・日データ、週データ、2004年からのバックテスト
(2016年9月16日追記:2016年9月26日のアイネット証券ループイフダンのバージョンアップにより重複レート発注機能がなくなったので、この記事での問題はなくなりました。ただし、アイネット証券が公表している利益ランキング等の一部ではいまだにこの機能を使用した時のデータになっているので、過去利益は当ブログで紹介する「真の利益」※を確認して下さい。この記事は参考のため残しておきます。)
※真の利益: 月・日データ、週データ、2004年からのバックテスト
最初に結論を書いておくと、この機能はハイリスクなので使わない方がよいです。(デフォルトではオフになっているので普通は使うことはないです。2016年9月26日のバージョンアップ以降は使用できないようになっています。)
また、利益・利用者ランキングやシステムに表示される「期間損益」はこの機能がオンの時のデータであり、この機能がオフの時の利益(真の利益)より過大なので(最大42倍を確認)、各システムの実績を評価する際にも今回紹介することを知っておいた方がよいです。
●重複レート発注機能。
まず、重複レート発注機能とは何かを説明します。
公式サイトでは次のように説明されています。
「売買システム『ループ・イフダン』は、同じ価格でポジションを保有している場合、エントリー(新規注文を発注)しませんが、重複レート発注機能を利用することで同じ価格にポジションを保有していても設定された値幅ごとにエントリーをして売買頻度を増やすことが出来ます。」
これは、エントリレートを挟む値動きがあったら常に新規ポジションをとるという意味ではないのですが、基本的にはエントリレートを挟む値動きがあったら新規ポジションをとると思った方がよいです。
一つ以上離れた値幅のエントリーレートに到達して新規約定した後に元のエントリーレートに戻った場合に重複したポジションをとるのは間違いないのですが(下図参照。アイネット証券に確認済み。)、検証した結果ではこのような場合でなくてもポジションを持つことがあります。
一つ以上離れた値幅のエントリーレートに到達して新規約定した後に元のエントリーレートに戻った場合に重複したポジションをとるのは間違いないのですが(下図参照。アイネット証券に確認済み。)、検証した結果ではこのような場合でなくてもポジションを持つことがあります。
ルールは適宜変更されシステムトレードという性質上それを開示しない方針らしいので、その挙動を正確に予測することができません。
●ポジションは4から6倍。最大42倍も。
この機能がオンの時と、オフの時ではポジション数(利益)がどれ位変わるかを半年ほど毎週検証し十分なデータが取れました。
その結果、ポジション数は概ね4~6倍であり10倍を超えることもあります。
その結果、ポジション数は概ね4~6倍であり10倍を超えることもあります。
この比率(ポジション数の比率)は利益の比率であると同時に損失の比率でもあるので、リターンだけでなくリスクが高いことに注意する必要があります。
重複レート発注機能の性質上、レンジを越えた時に大きくなる傾向があるようです。
重複レート発注機能の性質上、レンジを越えた時に大きくなる傾向があるようです。
検証結果の最大では42倍を確認をしています↓。
今週のループイフダンの真の利益6/30-7/4
今週のループイフダンの真の利益6/30-7/4
●42倍のポジション数になった原因。期間損益は当てにならない。
これは当初聞いていた上記の重複機能の仕様から考えて明らかに異常なデータであったため、アイネット証券に問い合わせところ、次のような趣旨の回答を頂きました。
・重複ポジションは、当初、エントリーレートを挟んだ値動きの場合はその都度ポジションを建てる仕様となっていた。
・しかし、ポジションを建てすぎてしまう状況があったため、その後ストラテジー開発者によりポジションを取得するルールを調整した経緯がある。
つまり、ループイフダンがリリースされた2013年9月から、少なくとも2014年1月頃(42倍のポジションが作られた時期)までの間はエントリーレートを挟んだ値動きの場合はその都度ポジションを建てる仕様となっていたということです。
よって、この期間のシステムの期間損益は全く当てになりません。
また、今後も高値更新する等してこれらの仕様変更前ポジションがまとめて決済された時の期間損益は全く当てになりません。
その他の期間については4-6倍程度と見当をつけることが一応できますが、投資判断にこれほど曖昧な数字を使うのは危険だと思います。
この機能の具体的な仕様はシステムトレードという性質上開示していないらしいですが、検証した結果では現在も上記仕様とは異なるルールでポジションが立てられることがあるため、基本的にはエントリレートを挟む値動きがあったら新規ポジションをとると考えた方がよさそうです。
この機能の具体的な仕様はシステムトレードという性質上開示していないらしいですが、検証した結果では現在も上記仕様とは異なるルールでポジションが立てられることがあるため、基本的にはエントリレートを挟む値動きがあったら新規ポジションをとると考えた方がよさそうです。
ですので、システムの実績を確認したい場合は下記リンクを参照するのがよいと思います。
●合理性のない機能。
重複レート発注機能は投資戦略としても合理的ではありません。
取引回数が増えるから利益が大きくなると謳っていますが、こんな合理性のない増やし方は利益を増やすための手段として採用すべきではありません。
この機能の問題はレンジ上限のポジションが増えるということです。
通常、レンジ上限は超えるのが難しい壁であり下落するリスクが高いため、敢えてレンジ上限にポジションを増やすという戦略が合理的とは思えません。
取引回数を増やしたいなら自分で取引するとか、取引数量を増やす等した方がまだマシです。
これはシステムの実績をよく見せるために作られた機能であり、上記した仕様変更の経緯を見てもユーザーの利益を最適化するために作られた機能でないと思います。
●結論。
重複レート発注機能はハイリスクなので使わない方がよいです。
どうしても使いたい場合は必ず最大ポジション数を設定する等、リスク管理を徹底するようにして下さい。
★重複レート発注機能を使わないようにする方法。
システムを稼働させるため「スタート」ボタンをクリックすると、取引数量や最大ポジション数を設定する画面が表示されます。
この時、重複レート発注機能も表示されるので、チェックしないようにして下さい(下図)。
★重複レート発注機能を使わないようにする方法。
システムを稼働させるため「スタート」ボタンをクリックすると、取引数量や最大ポジション数を設定する画面が表示されます。
この時、重複レート発注機能も表示されるので、チェックしないようにして下さい(下図)。
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