●ループイフダンの最大ポジション数ごとの目安資金(必要資金)
アイネット証券の目安資金表は最大ポジション数の設定ごとのデータがなく、下落した時のポジション数が表示されているだけなので、最大ポジション数になった後にさらに下落した時の損失額がわからない等の問題があります。

最大ポジション数はリスク管理上、極めて重要な機能なので、この記事では各値幅・最大ポジション数ごとのループイフダンの目安資金がひと目でわかる早見表を紹介します。
最大ポジション数を越えて下落した場合の損失も正確に把握できるので、アイネット証券の表より実用的です。

●表を早く見たい人のためのリンク。
ドル円 値幅  10   15   25   50   100 

表の見方↓(赤の行が損失合計額、その下が取引証拠金、目安資金)
ループイフダン目安資金115
(上表はサンプルなので1000通貨の取引証拠金が4600円になっていますが、取引証拠金は現在の為替レートにより変わるため、現在の取引証拠金が反映された最新データは下記の表を参照して下さい)

この記事では【ドル円】と表の見方を紹介します。
他通貨は下記リンクを参照して下さい。
 豪ドル円 ユーロ円 ポンド円 ユーロドル 豪ドル/ドル NZドル円 カナダドル円

●目安資金を小さくするコツ。
値幅の大きいシステムほど損失合計額(下落時損失)が小さいため目安資金を小さくできます。
また、損失合計額と取引証拠金はポジション数に大きく依存するので、最大ポジション数を設定することで必要資金(目安資金)を小さくすることができます。
ループイフダンの目安資金と値幅等の関係

損切りしない設定の場合、最大ポジション数に達し更に下落した状態では決済利益は得られないというデメリットもありますが(※)、スワップは貰えるので、レートが回復するまではスワップで我慢するという戦略が基本です。

 (※ 損切りする設定の場合、最大ポジション数の後も利益が得られますが、損切り分をカバーするほどの決済利益を稼ぐのは案外難しいので、損切りしない設定を推奨します。)

勿論、レートが下落したところで手動で損切りしたり、別のループイフダンを新規に稼働させてもよいと思います。

相場に絶対はないので、目安資金よりも余裕を持たせておいた方がよいと思います。
また、ロスカットの注意点、損切りとロスカットの違い、リスク管理ツール「マイセーフティー」の説明等はこちらで詳しく紹介しているので参照して下さい。 

ロスカットされた場合でも失われるのは「損失合計額」だけであり、「取引証拠金」は戻ってきます。そのため、損失合計額が特に重要になります。

ループイフダンについて書いていますが、トラリピ等にもこのデータが使えます。
損切りを繰り返しながら利益を出す戦略はあまり有効でないので、なるべくロスカットされないようにするとよいと思います。 

ループイフダンの資金目安(必要資金)一覧表【ドル円】

●ドル円B10(バックテストによる年間平均利益357,479円、1日平均1,375円。スワップを除く
↓ 図はクリックで拡大。
ドル円10+110

図から最大ポジション数を小さくすることにより目安資金が小さくなることがわかります(最大ポジション数を超えたところ(図の緑色より下)では同じ行で左に行くほど金額が小さい)。
ただし、そうすると取引レンジ(最大ポジション数の範囲内で決済利益が得られる範囲。図の緑色)が狭くなってしまうというデメリットがあります。

そのため、チャートや相場状況をよく見て、ここまでは下がらないというポイントまで取引レンジをカバーできるように最大ポジション数を決めるのが効率よく稼ぐコツです。

資金に余裕があるなら取引数量を増やすのもよいと思います。

ドル円は他通貨に比べるとボラティリティが小さいですが、上昇相場でも5から10円程度は調整することがあるので余裕を持った運用を心がけて下さい。

下落幅が小さい時は取引証拠金が損失合計額(下落時損失)より大きいですが、下落幅が大きくなると下落時損失の方が相対的に大きくなるため、下落幅を大きくする戦略の場合は下落時損失に注意し、下落幅が小さい戦略(すぐに損切る戦略)の場合は取引証拠金に注意する必要があります。

値幅10はポジション数が増えやすく、すぐに最大ポジション数になってしまいます。

目安資金もかなり大きくなるので、上昇相場だと思った時に一時的に稼働させるような使い方がよいと思います。

●ドル円B15(バックテストによる年間平均利益287,295円、1日平均1,105円。スワップを除く
↓ 図はクリックで拡大。
ドル円15+110
傾向は値幅の近いドル円B10と同じなので、上記の説明を参考にして下さい。

●ドル円B25。(バックテストによる年間平均利益197,025円、1日平均758円。スワップを除く
ドル円25+110

傾向はドル円B10と同じですが、値幅が大きい分だけ下落時にポジ数が増えにくいため下落時損失や必要資金も小さくなります。

値幅が大きいと決済回数が少なくなり利益も小さくなるので、取引数量を増やす等して利益を増やすことも検討するとよいでしょう。
ドル円B15との利益比較は下記リンクを参照して下さい。

★期間損益(真の利益)

●ドル円B50。(バックテストによる年間平均利益106,600円、1日平均410円。スワップを除く
ドル円50+110

さらに値幅が大きくなるので必要資金が小さくてすみますが、利益も小さくなるので取引数量を増やす等の対応をしてもよいでしょう。

●ドル円B100。(バックテストによる年間平均利益55,900円、1日平均215。スワップを除く
ドル円100+110

ドル円B50と同様に、さらに値幅が大きくなるので必要資金が小さくてすみますが、利益も小さくなるので取引数量を増やす等の対応をしてもよいでしょう。

●表の見方。
最大ポジション数の設定」において、緑色部分は最大ポジション数の範囲内で決済利益が得られる範囲(取引レンジ)です。損失合計額(赤色)は重要であるため、緑の範囲であっても赤色で表示しています。
 緑色範囲より下(水色)では最大ポジション数を超えているため、
  • 損切りなしの設定であればそれより下落して新規ポジションを取ることはなく、
  • 損切りありの設定であればいったん損切りしてから新規ポジションを取ります。

損失合計額(赤色部分)」は1000通貨の場合に、最高値のポジションからその下落幅だけ下落した時の損失合計額(下落時損失)です。(ロスカットされた場合に失う金額)(売りなら最安値ポジションから上昇幅だけ上昇した時の損失合計額(上昇時損失))

取引証拠金」は「1ポジションあたりの取引証拠金」にポジション数を掛けたもので、そのレートに下落(上昇)した時必要な取引証拠金です。(ロスカットされても戻ってきます。)

目安資金(必要資金)」は損失合計額(下落時損失)と取引証拠金の合計です。それだけの資金がないとロスカットされます。ロスカットされると下落時損失の金額が失われますが、取引証拠金は戻ってきます。

ポジ数」はその下落幅(上昇幅)でのポジション数です。わかりやすくするため最大ポジション設定なしの数字を表示しています。最大ポジション数を設定した場合のデータは緑色の背景範囲までで、それより下落した場合でもポジション数は増えません。

なお、下落幅はシステム稼働後に取った最高値のポジションからの下落幅として計算しています。システム稼働時レートからの下落幅ではないので注意して下さい(よくあるミス)。

史上最安値まで下落した時の目安資金もわかるように広い範囲のデータを紹介しています。 

(追記:損切りあり・なしを設定できるようになりましたが、この記事のデータはそれに対応しています。損切りありの場合、一部ポジションが損切りされるため、損失合計額が「含み損」ではなく「含み損+損切り額」になりますが、その合計額は変わりません。)

●目安資金の計算方法(詳しく知りたい方向け)
ループイフダンの目安資金は下落時損失(表の損失合計額)と取引証拠金の合計です。(口座維持率が100%になるとロスカットされるため)

資金目安は、基本的には下落して損切りする時に確定する損失(下落時損失)ですが、ロスカットを避けるために取引証拠金の分も余裕を持たせる必要があります。

ロスカットされた場合でも取引証拠金は戻ってくるので(ロスカット時のスリッページの分は失われる可能性があります。)、下落時損失が重要なのですが、ロスカットされるとシステムが強制停止されてしまうので、ロスカットされないよう資金に余裕を持たせておく必要があります。

下落時損失は①値幅、下落幅(想定変動幅)、③最大ポジション数により決まります。(上表)

1ポジションあたりの取引証拠金(必要証拠金)は「通貨のレート✕1000通貨÷25」で計算できます。(ドル円が120円1000通貨の場合、4800円程度。25で割っているのはレバレッジ25倍のため)

現在適用される取引証拠金は通貨のレートにより変動するので、厳密な計算をするときは下表を参考にして下さい。
ユーロドルの証拠金はユーロ円の証拠金と同額になります。(ユーロ円の場合と同様に、ユーロをポジション数だけ持つとして計算されるため)
ループイフダンの取引証拠金
 (更新履歴:2015年2月6日投稿、最終更新:2021年9月1日)