ループイフダン・トラリピにお勧めのテクニカル指標と注意点
RSI、ボリンジャーバンド等のテクニカルを使ってトレードする人がいますが、私は今までこうした古典的なテクニカルをほとんど取り上げていません。
こうしたテクニカルの多くはループイフダンには向かないと考えているためです。
この記事ではループイフダンに適したテクニカル、不適なテクニカル、テクニカルの注意点・使えない理由等を説明します。(トラリピ等にも当てはまる)
★ループイフダンに適したテクニカル。
●過去高値・安値。
私の考える最も賢いループイフダンの使い方はレンジ上限、下限を想定し下落時損失を把握してから稼働させるというものです。
そのため、レンジの上限、下限を決めるのに最も使いやすい過去高値、安値はループイフダンに最も適したテクニカルだと言えます。
また、過去高値は多くの人が注目しているためサポートラインになりやすく、最も強力なテクニカルだと言えます。
(過去高値はテクニカルではないと思う人もいるでしょうが、これもチャートから判断するものですしファンダメンタルズでもないので、ここではテクニカルに含めておきます。)
どれ位まで過去データを利用するかは投資スタイル次第ではありますが、長期投資を念頭におくなら年単位で見る必要がありますし、数日から数ヶ月程度の投資なら過去数ヶ月程度みれば十分という場合もあります。
過去に何度も反発しているポイントは強力なサポートラインになりやすいので、その回数も見ておくとよいです。
いずれの場合も決まった期間だけ見て終わりにするのではなく、より長期間のチャートも確認することが重要です。
より長い期間を見ればもっと過去高値、安値を大きく見積もることになりますが、より正確にリスクを把握できます。
史上最安値まで見ておけば相当リスクは小さくなりますが、そこまでロスカットされない戦略にすると値幅や取引数量の関係上、利益も小さくなってしまうので、リスクとリターンのバランスを考えたり、現在のファンダメンタルズを考慮して強気な戦略にするかを決めるとよいでしょう。
短期投資の場合で高値まで遠い時は、高値に到達するまで時間がかかるため使いにくいということもあるでしょうが、ループイフダンは通常、長期投資を念頭に行うものなので、過去高値・安値は最も注意すべき数値ですし、最も使いやすいテクニカルだと思います。
短期投資の場合で高値まで遠い時は、高値に到達するまで時間がかかるため使いにくいということもあるでしょうが、ループイフダンは通常、長期投資を念頭に行うものなので、過去高値・安値は最も注意すべき数値ですし、最も使いやすいテクニカルだと思います。
最近のドル円で言えば、数ヶ月単位でみると118円が強力なサポートラインですが、さらに過去を見ると115、110円程度になります。
ファンダメンタルズからドル高が進みやすい状況なので強気な戦略なら118円を下値の目処にすればよいでしょうし、もっと余裕を持たせてもよいと思います。
●区切りのいい数字。
ドル円120円のように区切りのよいレートもよくサポートラインになるため、レンジ上限・下限を決めるのに適しています。
区切りのよい数字が好きな人が多いという心理的要因が背景にあります。
過去高値に重なることも多いですが、史上最高値を更新した場合や過去高値まで目立ったポイントがない場合に特に有効です。
レートの数字だけでなく、5%下落や10%下落等、下落割合でも区切りのよい数字が壁になることが多いです。
半値戻し(下落幅の50%だけ反発すること)等も有名ですが、同様のものです。
フィボナッチ(%)の割合の下落に注目する人もいますが、上記に比べれば少数派なので実用性はイマイチです。
ただ、投資業界(証券会社、FX業者、銀行、金融系メディア等)のアナリスト等と呼ばれる顧客の欲や不安等を煽って売買させることを目的とした文章を書く人は(彼らを本当の分析屋だと思うのは辞めた方がよいです。トレードスキル・実績がない人ばかりで、扇動目的のバイアスのかかった内容も多いです。)、何かしらもっともらしい数字や文章を書かなければならないので、こうした数字やテクニカル分析にまで言及することが多いです。
●トレンドライン。
次いで重要なのがトレンドラインです。
重要な理由はこれを見ている人が多いということです。
分足、時間足では人によって設定がバラバラで、5分足を見る人もいれば10分足を見る人もいるのですが、日足、週足、月足のトレンドラインを見ているトレーダーは非常に多いです。(「10」日足のような中途半端なデータを見ている人が少なく、ほとんど1日足、1週足、1月足を見ているため、他のトレーダーと同じものを見ていることになる)
ループイフダンに使う上での欠点は日にちによりレートが変わっていくことです。
そのため、トレンドラインによるサポートラインがどこまで切り上がったかを定期的に確認する必要があります。
トレンドラインを延長すれば未来の予想値も簡単にわかります。
上昇トレンドでは、ロスカットレートをこの変化に合わせて切り上げていくことにより、高値更新した場合でも設定を変えずに済ませるといった戦略もあります。
ちなみに、トレンドラインを割ったからといって必ずしもトレンドが逆転する訳ではなく、その後レンジに変わることも多いです。
★ループイフダンに向かないテクニカル。
上記以外のテクニカルはほとんどループイフダンには向かないと思います。
ループイフダンではレンジ上限、下限を決めておくことが必要ですが、レンジを決めるのに適したテクニカルがありません。
ループイフダンに適したテクニカルが開発されていないためとも言えます。
ピボットやボリンジャーバンド等のように上限、下限に目安となる指標が出るものもありますが、その数値は時間経過で変わってしまうし、トレンドラインと違ってその変化が予測できないので、レンジ上限、下限決めに使うのは難しいです。
また、普通のFXでは上昇時も下落時もポジション数は変わりませんが、ループイフダンでは下落時にポジション数が増えるため、上昇幅と下落幅の意味合いが大きく異なるのですが、こうしたループイフダンの特殊性に見合うテクニカルはありません。
(例えば、1円上昇時の利益より1円下落時の損失が大きい。また、上昇後に下落した場合、その高値からの下落幅で下落時損失が決まる点が通常のFXと異なる。ループイフダンではシステムを停止するまでの時間が決まっていないことが多く、停止までの通算決済利益とロスカット時の確定損失のバランスも普通のFXと違います。)
そのため、テクニカルで買いポイント、売りポイントとされるところが、ループイフダンにとっての買い(システム稼働)ポイント、売り(システム停止)ポイント、損切りポイント等になりません。
他にもテクニカルが使えない理由はありますが、次回の記事で紹介します。(下記関連記事参照)
単にトレンドを判断するための補助的な手段として使う程度ならよいと思いますが、レンジや買いポイント、システム稼働・停止ポイントに使うのは難しいと思います。
レンジ決めは安値等を利用し、システム停止ポイントは高値更新時にする等といったシンプルな戦略の方がループイフダンには適しています。
★★★
突発的に大きな材料が出て相場が動く場合は、これらの規則を無視してその材料の大きさ次第の派手な動きとなることもあります。(日本の大地震や予想を裏切る選挙(英EU離脱国民投票)など)
なお、自分の好きなテクニカルを使ってトレードするのを否定する気はありませんし、ある程度は参考にすればよいと思いますが、上記の注意点や次回紹介すること(下記関連記事参照)はよく理解しておくべきだと思います。
テクニカルを見る場合は、毎日同じテクニカルを見るのがよく、特にその変化やパターンに注目するのが重要です。
テクニカルではなくチャートだけで相場の力や違和感等を感じられるようになるのがベストだと思いますが、テクニカルの変化に着目することでそのヒントが得られたり、ミスや見落としを防ぐことが出来るかもしれません。
テクニカルだけで勝てるというのは絶対に嘘なのでそういう情報にだまされないよう注意して下さい。
複数のテクニカルや条件を組み合わせたりしても必勝法は絶対にありません。
長くなったので、次回、テクニカルの嘘、テクニカルであまり知られていない最も重要なこと、テクニカルの本質と注意点等を紹介します。(下記関連記事参照)
(更新履歴:初投稿2015年6月18日、最終更新2019年3月27日
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