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カテゴリ: トラリピ

トラリピで有名なマネースクエア(マネースクウェア・ジャパンから社名変更)が新機能「トラリピ1(ワン)クリック」をリリースしたので紹介します。

最初に結論を言っておくと、「テクニカル」を使った相場予測に基づいて「マネースクエア側が作った」3つのモデルから選ばせるという性質上、悪いパフォーマンスとなるものがほとんどだろうと思います。

テクニカルをベースにしたシステムトレードは、パフォーマンスが悪いことから昔から全然人気がないのですが、「トラリピ1(ワン)クリック」はそれと同等の金融商品というイメージだと思います。

マネースクエアのサイトにログインすると「トラリピ1クリック」の特設ページがあり、そこに以下の3つのシステム(モデル)が表示されています。
  • タイムモデル
  • ロジックモデル
  • トレンドモデル
これを選択すると、マネースクエアが作成した設定がそれぞれ1つだけ表示されます。(下図の左)

トラリピワンクリックの概要
 ↑引用元 https://www.m2j.co.jp/toraripi/1-click.php

想定資金はデフォルトでは100万円になっていますが、自分でクリックすることにより50万~1000万円に変更できます。

「1クリック発注設定」というバナーをクリックすると、その設定が入力されトラリピ発注画面(上図の右)に移行し、さらにその画面をクリックしてようやく注文が発注されます。

(なので、厳密に言うとクリック回数は1回ではないので、「1クリックで設定完了」というキャッチコピーは誇大広告と言っても過言ではないと考えます。)

なお、トラリピ1(ワン)クリックは単に設定を自動入力するだけの機能なので、入力された設定を手動で変更することも可能です。

デフォルトではどの設定にもロスカットが付けられているため、それが嫌な人は手動で外す必要があります。

各モデルの概要

マネースクエアのホームページには以下のように記載されています。

引用開始
タイムモデル:様々な時間軸のチャートをもとに分析
トレンドおよびレンジの観測指標として、主に「ボリンジャーバンド」「スパンモデル」「パラボリック」「DMI」「スローストキャスティクス」を使用し、時間軸を変更しながら観測するマルチタイムフレーム手法を基に分析しています。

ロジックモデル:オプション市場の緻密なロジックを活用
「相場は確率に賭けるゲーム」と言われています。トラリピと相性の良い、レンジ相場向きの通貨ペアをテクニカル指標で分析・選択。そこにオプション市場で使われているブラックショールズ方程式により確率(50%)を算出してレンジを表示しています。

トレンドモデル:複数の分析手法から相場の上昇・下降を予測
トラリピをより有利に仕掛けるために、新値三本足、標準偏差、ボリンジャーバンドを使い、通貨ペアの方向性を想定し、合わせてトラリピの「売り」「買い」判定を行います。例えば、上昇傾向が認められる通貨ペアの場合は「買い」仕掛けとし、想定レンジは、ストップロスの水準から判定日始値までの距離を1:2でトレンド方向に設定します。
引用終わり https://www.m2j.co.jp/toraripi/1-click.php

いずれのモデルもテクニカルを利用しています。

また、マネースクエアのホームページには説明されていませんが、実際にはいずれのモデルも想定運用期間が1ヶ月となっており、月末時点で翌月の相場を予想して月初めにモデルを作り変えていく(月1回の更新)という仕様のようです。

上の説明を見ても実際にどのようにして作られた設定なのか理解できないですし、ブラックボックスと言っても過言ではないと思います。
一応トラリピが使われているものの、昔からあるテクニカルベースのシステムトレードと同様の金融商品と考えるとよいでしょう。

トラリピ1(ワン)クリックの説明ページには詳細に書かれていないものの、実際に利用者がシステムを選択する画面にはこのシステムの「オススメの理由」が記載されています(私は全く同意できませんが、マネースクエアにとってはこの設定が「オススメ」なんだそうです。)。

そこには
 ①通貨ペア、売買の選択理由、
 ②想定レンジについての簡単な説明、
 ③レンジアウト時の対応案(ロスカットして終了など、ありふれた内容)、
が記載されており、アナリストがよく書くような単純なテクニカル、ファンダメンタルズといった内容です(数行程度)。

各モデルで一つだけ設定が記載されており、12月1~31日は以下の設定となっています。

  • タイムモデル:ドル円、買い、発注レンジ111.80~114.00円(利食い幅:0.1円)
  • ロジックモデル:ユーロ/米ドル、売り、発注レンジ1.1180~1.1510(利食い幅:0.0022)
  • トレンドモデル:カナダドル/円、売り、発注レンジ82.85~85.91円(利食い幅:0.18円)

通貨ペアまでマネースクエア側が1つづつに限定していたのはちょっと意外ですが、上記の3つだけとなっています。

注意点:金融業界の営業手法を見破るべし

上の説明で「ブラックショールズ方程式」と聞いて「何かよくわからないけど凄そう!」と思った人は要注意です。FX業界に騙されやすいタイプです。

「マルチタイムフレーム手法」、「ブラックショールズ方程式」など、初心者が見ると「何か知らないけど凄そう!」と思うような難解な用語をあえて使っている(しかもその詳しい説明もない)ところが明らかに不親切であり、初心者が儲かると誤解する恐れがあります。

金融業界がよく使うこの手の営業手法(あえて難しい用語を混ぜて説明する等)に騙されないよう注意して下さい。

はっきりと断言しておきますが、こうした難解な理論・手法を含め、どんなに高度な学問、技術を使っても「投資に必勝法はない」です。

トラリピワンクリックは単にマネースクエアの推奨設定を簡単に入力するだけのものであり、そこで推奨されている設定は従来からマネースクエアのホームページなどで紹介されていたものと大差ないです。

「ブラックショールズ方程式」を使っているから勝てるなどと勝手に思い込まないよう(思い込まされないよう)注意して下さい。

最近ではAIを使った営業文句もよく使われていますが、当然に必勝法ではありません(顧客にAIによる自動売買などの金融商品を買わせれば自社に継続的に手数料収入をもたらすという意味では、「金融業界にとっては必勝法」ですが、顧客が勝つ可能性が高いものではないです。)

「相場に絶対はない」ということも覚えておいて下さい。

トラリピワンクリックのメリット

設定が簡単

トラリピは通貨の売買の選択だけでなく、トラップ本数や発注レンジ、決済トレールの有無など、トラリピ初心者には非常に難しい項目をたんさん決定していく必要があります。

多くの初心者がここで断念する恐れがあるので、ワンクリックで簡単にマネースクエアのお勧め設定が利用できると言われれば、それに飛びつく初心者も多少はいると思います。

ただし、その投資の意味やリスクすらわからない人を投資に引きずり込む恐ろしいツールであるとも言えることに注意して下さい。

トラリピ1(ワン)クリックによる設定内容を見ましたが、初心者向けの低リスク・低リターンな設定ではないと思います。(下記デメリット参照)

ループイフダンの方がはるかに簡単で初心者に優しいと思います。

細かい調整ができる

トラリピワンクリックは単なる入力補助ツールなので、入力された後に自分の好みの設定に変更できます。
この点は個人的には高く評価します。

トラリピは細かい設定ができるというのが最大のメリットであり、その点を生かしているからです。
ただし、自分で調整ができるような人はトラリピワンクリックを使う必要がないので、残念ながら実用性が高いとは思いません。

トラリピワンクリックのデメリット

トラリピを停止するタイミングが難しい

全てのモデルの想定運用期間が1ヶ月程度となっており、仮に1ヶ月の決済利益がそれなりにあったとしても含み損のあるポジションが残っていると、それを決済するタイミングによりトータル損益がマイナスになる可能性があります。

通常、トラリピやループイフダンのような取引ではシステムを停止するタイミングが難しく(買いトラリピなら高値更新時、売りなら安値更新時が理想。この記事を参照。)、想定運用期間をあらかじめ決定しておくというのは難易度が上がるだけの愚策であり、トラリピやループイフダンを知らない素人がよくやる失敗例です。

そのような重大な欠点のある商品をマネースクエアが自信満々にアピールしている点に強い疑問を抱かざるを得ません。

想定レンジが狭い。300~400pips程度

レンジ上限を抜けて勝ち逃げならよいですが、レンジ下限を抜けて損切りとなった場合の損失が大きく、期間内の利益では到底まかなうことができません。

想定レンジが狭いため、裁量トレードのように短期で勝ち、負けが確定することとなり、長期で見れば負けが多くなるという裁量トレードと同じ負けパターンになる可能性が高いです。

トラリピやループイフダンのようなシステムでは損切りしないよう長期安定運用をすることが王道なのですが、トラリピワンクリックはそういう金融商品ではないようです。

結局、マネースクエアお抱えのアナリストの作ったシステムトレードに乗っかるか、否か、という選択です。
「投資の常識」なので知らない人は絶対に覚えておいて欲しいのですが、アナリストの言う通りにトレードするというのは典型的な負けパターンです(下記リンク参照)。投資は自分の頭で考えて行うべきだと断言します。

ループイフダン・トラリピにお勧めのテクニカル指標と注意点
テクニカル・シストレのデメリット。テクニカルで最も重要なこと

テクニカルを使っている

テクニカルをベースにしたシステムトレードは「業者必勝、顧客必敗」です。

また、アナリストなど、為替分析のプロとしてメディアで紹介される人らの実態は、相場を分析するプロではなく、相場を分析したように見せかけて顧客を扇動し手数料収入を稼ぐプロだと言うことを忘れないで下さい。

他人の言うことを鵜呑みにしてトレードする人は必ず失敗します。
上記リンク(テクニカルの記事)で詳しく書いているので一読を勧めます。

ストップロスがついている

手動で外すことも可能ですが、あらかじめストップロスが設定されています。

想定運用期間が1ヶ月と短いので、確かにそのような期間制限をつけるならストップロスをつけるのも一つの合理的戦略である可能性はあるものの、そもそもトラリピで短期運用すべき理由がありませんし、想定運用期間内の収支がプラスで終わる可能性が高いとは言えません。

トラリピやループイフダンのような手法では長期安定運用を目指すのが王道です。
短期レンジより長期レンジの方が予想しやすく、損切りのリスクを低減できるためです。

あえて「短期運用」という邪道に進むべき理由があるとは思いませんし、マネースクエアからの説明もありません。

私はトラリピやループイフダンの手法を熟知している自信がありますが、これらの手法はほとんどの場合、短期運用に向くものではないと考えます。
この記事でも書いた通り、トラリピやループイフダンでは損切りを繰り返す運用より、損切りしない運用の方が効率よく稼げます。

相場予測に強い自信がある時に、一時的にリスクをとって短期運用するという戦略はあるものの、ハイリスク・ハイリターンであり、長期に何度も続けるようなものではありません。

トラリピワンクリックのような短期運用を毎月続けるというのは、トラリピやループイフダンのような手法のメリットを台無しにするものであり、私は絶対に推奨しません。

(なお、私見ですが、トラリピワンクリックで短期運用を勧めていることに関し、マネースクエアにとってのメリットを考えると、短期運用だと想定レンジが小さくなるため各注文の間隔・利食い幅なども小さくして注文回数を増やすことになるのですが、注文回数が増えるとその都度手数料やスプレッドのコストが発生し、利用者にとってはマイナスですが、FX業者にとっては利益増となります。

本当にそのような背景から短期運用をしているかは不明ですが、マネースクエアに限らず金融業者がこうした本音を認めるとは思えないので、利用者が自分の頭で考えることを勧めます。しょせん私の単なる推論であり、事実かどうかは断定できません。単に従来から月1回、推奨設定を公開していたからその慣例を続けているだけかもしれませんし、私が考えるデメリットに気づいていないだけの可能性も一応あります。

いずれにせよ、この例に限った話ではなく、金融業界とユーザーの利益は相反することがほとんどなので、業者の言いなりに投資するのはハイリスクだと覚えておいて下さい。)

注意:「客観的」な分析手法について

マネースクエアのホームページには、
「トラリピ1クリック」は、客観的な分析手法に基づいて制作されており、内容の正確性を保証するものではなく、あくまでも参考情報のご提案のみを目的としております。https://www.m2j.co.jp/toraripi/1-click.php
と記載されており、テンプレ注意書きに見えますが誤解される恐れがあるため一応コメントしておきます。

トラリピワンクリックは、マネースクエアお抱えの人がテクニカルやファンダメンタルズを分析して設定を決定している時点で「客観的な分析手法に基づく」ものにはなり得ないので注意して下さい。

仮に使っているツール自体が「客観的な分析手法」だとしても、その使い方に必ず「主観」が入り込みますし、着目するファンダメンタルズ等にも「主観的」な要素が絶対に入ります。

月1回しか更新されない

相場状況は日々変わっていくのにトラリピワンクリックの設定は月初めにしか更新されません。

仮に月末時点での相場分析・推奨設定が適切だったとしても、その設定が1ヶ月の間ずっと完璧である可能性は極めて低く、多くの利用者にとって使い所が難しいものになると思います。

問題の本質は想定運用期間が1ヶ月と短いことにあります。
長期の設定も公開するようになれば、多少はマシになるかもしれません。

注意:金融業界の「推奨」は地雷

金融業界全体に言えることですが、金融業界の推奨する商品や設定というのは多くの場合、自社に都合がよいもの(自社の利益が大きいもの)を推奨しているだけです。
利用者にとって有用な商品や設定であることは非常に少ないです。

ランキングなどを使って実質的に推奨してくるパターンも多いので注意して下さい。
ランキング上位は本社の方針で営業が押し売りしてる商品が並んでいるだけということもザラです(投資信託などに多い手口)。

何度も言いますが、投資は自分の頭で考えるべきです。他人の意見を鵜呑みにした時点で負けです。

トラリピなのでスプレッドが大きい

もはや言うまでもないことですが、トラリピはスプレッドが大きいため、ループイフダンと同じ設定を作ってもループイフダンの方が利益が大きくなります。(この記事参照)

トラリピワンクリックの設定で投資すべきとは全く思いませんが、仮にその設定にしたい場合であってもトラリピで行うよりループイフダンで行った方が利益が大きくなります。

スプレッドもスワップも、ループイフダンの方が有利だからです。

★★★

以上、「トラリピ1クリック」について詳細に説明しました。

以前からマネースクエアのホームページなどで推奨設定が公開されることはあったので、トラリピワンクリックはそうした設定の入力を簡略化しただけとも言えます。

肝心の設定内容がツッコミどころ満載だったので長い記事になってしまいましたが、最大のデメリットは想定運用期間が1ヶ月であることなので、そのあたりが今後改善されていくことを期待します。

現時点では私がオススメできるような代物ではありません。
私のオススメ設定は「ループイフダン攻略法」を参照して下さい。 

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ループイフダンで豪ドル/ドルを運用したバックテストを紹介します。

●結果(下表参照)。
豪ドル/ドル値幅10の平均年間利益(1000通貨単位の場合)。
 買: 376,066円
 売: 376,129円

1日平均利益(土日を除いて年260日として計算)。
 買: 1,446円
 売: 1,447円
 
年間最大は2008年の買:1,048,039円、売:1,066,435円でした。 
1,048,039
1,066,435

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   豪ドル/ドル 値幅10  25.0%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   豪ドル/ドル 値幅20  11.1%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   豪ドル/ドル 値幅40  33.3
   豪ドル/ドル 値幅80  14.3%
   豪ドル/ドル 値幅100  11.1%

この記事の趣旨、データの注意点等はドル円バックテストを参照下さい。

●豪ドル/ドルのバックテストの特徴、まとめ等。

豪ドル/ドルの目安資金の記事で、豪ドル/ドルでループイフダンする際の注意点などを紹介しているので参考にして下さい。

バックテストの結果から豪ドル/ドルと豪ドル円の利益を比べると、豪ドル円の方が大きな利益になっています。(下図)

 ↓豪ドル/ドルと豪ドル円の利益比較 値幅10
豪ドル/ドルと豪ドル円の利益比較 ループイフダン値幅10

両者ともスプレッドは4pipなので、利益の違いはボラティリティ(値動きの大きさ)が原因です。

金利差からスワップも豪ドル/ドルより豪ドル/円の方が高く、過去の傾向から見る限りでは決済利益、スワップともに豪ドル円の方が有利です。

今後、豪ドル/ドルと豪ドル/円のどちらの利益が大きいかは、(両者に共通する豪ドルではなく)「ドル」と「円」の動きに左右され、ボラティリティの高い方が有利となります。例えば、円のボラティリティがドルより高ければ、豪ドル/円の決済利益の方が大きくなります。

取引量の圧倒的に多いドルの方が円よりボラティリティが低いという傾向は今後も続くでしょうから、特別な理由がない限り、ボラティリティの高い円を含む豪ドル/円の方が有利と思われます。

無論、円が急騰するような自体になれば豪ドル/円のパフォーマンスは悪くなり、ロスカットされるリスクもあるので、必ずしも豪ドル/円がよいとは限らず、相場動向を見ていく必要はあります。

実際に運用する際にはスワップや、下落幅、最大ポジション数による取引証拠金、損失額合計額(目安資金)も考慮する必要があり、豪ドル円と豪ドル/ドルのどちらが有利かを簡単に結論付けることはできないのですが、こればかりは相場次第なので各自の判断になります。

個人的には、長期の相場予測も含めて総合的に考えると、豪ドル円の方がよいと思います。

豪ドル/ドルは高値、安値が予測しにくく、取引レンジ(最大ポジション数でカバーする範囲)や損切りレートを決めにくいですし、ファンダメンタルズの予想も難しいので上級者向けの通貨ペアです。

●豪ドル/ドルのバックテスト。

豪ドル/ドル(単位:円。1000通貨単位の年間利益)
  値幅
10 20 40 80 100
2004 328,606 190,524 103,804 58,822 49,740
325,362 187,280 100,777 56,227 46,496
2005 200,466 105,903 55,924 24,659 18,715
205,971 111,407 61,208 29,943 24,219
2006 175,793 100,619 58,559 29,744 23,238
169,171 94,113 52,052 24,167 17,428
2007 398,579 246,510 146,777 86,561 64,685
388,230 236,396 136,898 76,211 54,100
2008 1,048,039 674,234 384,036 209,174 156,054
1,066,435 691,803 401,812 227,363 174,656
2009 708,115 417,078 227,735 121,359 103,942
690,885 399,848 210,505 104,129 86,150
2010 450,647 296,157 171,090 96,962 80,802
439,493 284,915 159,848 85,720 70,263
2011 480,038 317,469 183,100 95,864 82,283
479,878 317,150 182,780 95,225 82,283
2012 241,657 145,538 82,845 42,222 33,586
240,457 144,258 81,565 40,942 32,786
2013 290,058 183,482 99,158 51,531 31,231
304,600 197,926 113,603 66,366 45,871
2014 197,512 123,286 68,093 38,064 26,434
205,336 131,111 75,706 45,677 34,892
2015 336,207 213,028 118,349 59,899 49,513
346,955 223,655 128,976 70,526 59,174
2016 267,337 167,438 95,989 49,515 39,091
267,880 167,873 96,424 49,515 39,091
2017 141,875 86,222 48,822 25,083 23,515
135,156 79,280 42,103 18,812 16,797
年平均 376,066 233,392 131,734 70,676 55,916
376,129 233,358 131,733 70,773 56,015
一日平均 1,446 898 507 272 215
1,447 898 507 272 215

●注意。
10分足データで計算しており、10分間に複数回の決済が起きた場合にカウント漏れが出るため、実際はもっと利益が大きくなります(例えば、豪ドル/ドルB10で1分間に3回決済されたとしても1回分しかカウント出来ないため、実際はもっと利益が大きくなります)。特に値幅の小さいシステムほどカウント漏れが多くなるため、利益はバックテストより大きくなります。

↓2018年以降のループイフダン利益(1000通貨あたりの利益。バックテストではなく実際に取引したデータ)
ループイフダン年間利益2018年

●トラリピとの利益差。 
計算方法等はこちら(ドル円バックテスト)を参照下さい。
上表ではトラリピ利益を省略していますが、ドル円と同様の検証をし豪ドル/ドルでのループイフダンとトラリピの利益差の結果を紹介します。

トラリピはスプレッド4pips、手数料10pips(値幅10、20は「せま割」適用で2pips)、ループイフダンは4pips、手数料無料なので、バックテストした結果、以下の差が出ます。

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   豪ドル/ドル値幅10  25.0%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   豪ドル/ドル値幅20  11.1%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   豪ドル/ドル値幅40  33.3
   豪ドル/ドル値幅80  14.3%
   豪ドル/ドル値幅100  11.1%

他の通貨と違い豪ドル/ドルだけはスプレッド差がないものの、トラリピは手数料が高いので、その差から豪ドル/ドルでもトラリピよりループイフダンの方が有利であり、実際の利益差は非常に大きいです。

豪ドル/ドルでもトラリピからループイフダンに乗り換えるのがよいと思います。

ループイフダンでカナダドル円を運用したバックテストを紹介します。

●結果(下表参照)。
カナダドル円値幅20の平均年間利益(1000通貨単位の場合)。
 買: 321,782円
 売: 322,982円

1日平均利益(土日を除いて年260日として計算)。
 買: 1,238円
 売: 1,242円
 
年間最大は2008年の買:784,000円、売:822,400円でした。 

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   カナダドル円 値幅20  16.5%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   カナダドル円 値幅40  36.7
   カナダドル円 値幅80  16.4%
   カナダドル円 値幅100  12.6%

この記事の趣旨、データの注意点等はドル円バックテストを参照下さい。

●カナダドル円のバックテストの特徴、まとめ等。

カナダドル円の目安資金の記事で、カナダドル円でループイフダンする際の注意点などを紹介しているので参考にして下さい。

カナダはアメリカと経済的に密接な関係にあるため、通貨の値動きも似ているのですが、バックテストでは特筆すべきポイントが見えました。

下表はカナダドル円とドル円の利益比較/為替レート比較です。

ほとんどの期間で両者のループイフダン値幅100の決済利益は同程度ですが、リーマンショック前後の2007から2010年あたりではカナダドル円の利益が大きいです。

これはドル円のボラティリティが低い(カナダドル円のボラティリティが相対的には高い)という特徴が、リーマンショックのような急変時で特に強まっているためです(他通貨との差異が際立っているということ)。

豪ドル円のような通貨でもリーマンショック前後はボラティリティが特に高くなっていたため、カナダドル円の特徴というより、急変時におけるドル円のボラティリティの上昇率が小さいという特徴が強く影響しています。

このような急変はそうそう起こるものではないので、基本的にはカナダドル円とドル円の利益は似た数字だと覚えておけばいいと思います。

↓カナダドル円とドル円の利益比較 値幅100
カナダドル円とドル円の利益比較 ループイフダン値幅100

↓カナダドル円とドル円の為替レート比較
カナダドル円とドル円の為替レート比較

スプレッドはドル円2pip、カナダドル円5pip、スワップはドル円の方が高いです。

カナダドル円とドル円ではループイフダンの値幅が異なるので(共通するのは値幅100だけ)、自分の使いたい値幅を優先してカナダドル円を選ぶという使い方もアリだと思います。

カナダドル円の為替レートはドル円より低いことが多いため、取引証拠金も少ない点はメリットです。

2004年から2017年の平均為替レートを比較すると、
 カナダドル円は90.47円
 ドル円は102.98円
となっており、豪ドル円が13.8%高いです。

リーマンショック前後の下落幅を見ると
 カナダドル円は高値125.52から安値68.39で下落幅57.13円
 ドル円は高値124.12から安値75.57で下落幅48.55円
であり、ドル円の方が8.6円小さいです。

実際に運用する際にはスワップや、下落幅、最大ポジション数による取引証拠金、損失額合計額(目安資金)も考慮する必要があり、ドル円とカナダドル円のどちらが有利かを簡単に結論付けることはできないのですが、こればかりは相場次第なので各自の判断になります。

個人的には、長期の相場予測も含めて総合的に考えると、ドル円の方がよいと思います。
カナダドル円は高値、安値が予測しにくく、取引レンジ(最大ポジション数でカバーする範囲)や損切りレートを決めにくいですし、ファンダメンタルズの予想も難しいので上級者向けの通貨ペアです。

●カナダドル円のバックテスト。

カナダドル円 (単位:円。1000通貨単位の年間利益)
  値幅
20 40 80 100
2007 445,000 276,000 156,000 132,000
434,400 265,200 144,800 121,000
2008 784,000 492,000 275,200 218,000
822,400 530,400 313,600 257,000
2009 515,200 303,200 164,000 133,000
501,000 288,800 149,600 119,000
2010 413,400 245,200 135,200 100,000
420,600 252,000 142,400 107,000
2011 246,600 142,000 77,600 61,000
251,800 147,200 83,200 67,000
2012 141,600 83,600 50,400 38,000
130,000 72,400 40,000 27,000
2013 264,800 155,600 78,400 64,000
254,200 145,200 68,800 54,000
2014 134,800 78,400 44,000 36,000
130,600 74,000 39,200 32,000
2015 202,000 109,600 56,000 43,000
218,400 126,000 72,000 59,000
2016 260,600 162,800 89,600 74,000
260,400 162,800 89,600 74,000
2017 131,600 74,000 40,000 32,000
129,000 71,600 37,600 30,000
年平均 321,782 192,945 106,036 84,636
322,982 194,145 107,345 86,091
一日平均 1,238 742 408 326
1,242 747 413 331

●注意。
10分足データで計算しており、10分間に複数回の決済が起きた場合にカウント漏れが出るため、実際はもっと利益が大きくなります(例えば、カナダドル円B20で1分間に3回決済されたとしても1回分しかカウント出来ないため、実際はもっと利益が大きくなります)。特に値幅の小さいシステムほどカウント漏れが多くなるため、利益はバックテストより大きくなります。

↓2018年以降のループイフダン利益(1000通貨あたりの利益。バックテストではなく実際に取引したデータ)
ループイフダン年間利益2018年

●トラリピとの利益差。 
計算方法等はこちら(ドル円バックテスト)を参照下さい。
上表ではトラリピ利益を省略していますが、ドル円と同様の検証をしカナダドル円でのループイフダンとトラリピの利益差の結果を紹介します。

トラリピはスプレッド8pips、手数料10pips(値幅20は「せま割」適用で2pips)、ループイフダンは6pips、手数料無料なので、バックテストした結果、以下の差が出ます。

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   カナダドル円値幅20  18.7%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   カナダドル円値幅40  41.1
   カナダドル円値幅80  20.6%
   カナダドル円値幅100  16.2%

多通貨と同様に、カナダドル円でもトラリピよりループイフダンの方が有利ですが、実際の利益差は非常に大きいです。

カナダドル円でもトラリピからループイフダンに乗り換えるのがよいと思います。
(更新履歴:2018年4月2日投稿、2019年1月2日更新)

ループイフダンでNZドル円を運用したバックテストを紹介します。
この記事の趣旨、データの注意点等はこちら(ドル円バックテスト)を参照下さい。

●結果(下表参照)。
NZドル円値幅10の平均年間利益(1000通貨単位の場合)。
 買: 256,429円
 売: 256,014円

1日平均利益(土日を除いて年260日として計算)。
 買: 986円
 売: 985円
 
年間最大は2008年の買:705,000円、売:739,400円でした。 

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   NZドル円 値幅20  18.7%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   NZドル円 値幅40  41.1
   NZドル円 値幅80  20.6%
   NZドル円 値幅100  16.2%

●NZドル円のバックテストの特徴、まとめ等。

NZドル円の目安資金の記事で、NZドル円でループイフダンする際の注意点などを紹介しているので参考にして下さい。

上記の記事でNZドル円と豪ドル円は似通った動きをすると書いていますが、バックテストの結果から見ると、豪ドル円の利益の方が大きいです。(下図)

豪ドル円のボラティリティがNZドル円より高いことや、スプレッドが小さいこと(豪ドル円4pip、NZドル円6pip)等が理由だと考えられます。

豪ドル円とNZドル円の利益比較、ループイフダン値幅20

2004年から2017年のループイフダンB20、1000通貨の平均利益で比較すると、
 NZドル円は256,429円
 豪ドル円は344,386円
となっており、NZドル円から豪ドル円に変えると利益が34.3%大きくなる計算です。

ただし、豪ドル円の為替レートはNZドル円より高いことが多いため、取引証拠金も大きくなる点には注意が必要です。

2004年から2017年の平均為替レートを比較すると、
 NZドル円は74.58円
 豪ドル円は86.12円
となっており、豪ドル円が15.5%高いです。

豪ドル円とNZドル円の為替レート比較

実際にはスワップや、下落幅、最大ポジション数による取引証拠金、損失額合計額(目安資金)も考慮する必要があるので、豪ドル円とNZドル円のどちらが有利かを簡単に結論付けることはできないのですが、こればかりは相場次第なので各自の判断になります。

個人的には、長期の相場予測も含めて総合的に考えると、豪ドル円の方がよいと思います。

●NZドル円のバックテスト。

NZドル円 (単位:円。1000通貨単位の年間利益)
  値幅
20 40 80 100
2004 194,200 95,600 50,400 38,000
190,400 91,600 46,400 34,000
2005 109,200 57,200 28,000 25,000
104,600 52,800 23,200 20,000
2006 146,400 78,800 47,200 38,000
143,600 76,000 44,000 35,000
2007 453,400 270,800 165,600 132,000
449,600 267,200 162,400 129,000
2008 705,000 422,800 232,000 185,000
739,400 457,200 266,400 219,000
2009 408,800 233,600 132,000 112,000
397,600 222,400 120,800 101,000
2010 275,200 161,200 84,000 74,000
279,000 164,800 88,000 78,000
2011 204,000 116,400 60,800 49,000
207,200 119,600 64,000 52,000
2012 129,200 77,200 46,400 39,000
117,200 65,600 35,200 28,000
2013 265,600 154,000 81,600 63,000
250,600 139,200 67,200 49,000
2014 134,800 76,000 48,000 37,000
127,800 68,800 40,800 30,000
2015 226,600 128,000 72,000 53,000
237,800 138,800 82,400 64,000
2016 245,400 144,400 76,000 69,000
246,200 145,200 76,800 70,000
2017 92,200 51,200 28,000 21,000
93,200 52,400 29,600 22,000
年平均 256,429 147,657 82,286 66,786
256,014 147,257 81,943 66,500
一日平均 986 568 316 257
985 566 315 256

●注意。
10分足データで計算しており、10分間に複数回の決済が起きた場合にカウント漏れが出るため、実際はもっと利益が大きくなります(例えば、NZドル円B20で1分間に3回決済されたとしても1回分しかカウント出来ないため、実際はもっと利益が大きくなります)。特に値幅の小さいシステムほどカウント漏れが多くなるため、利益はバックテストより大きくなります。

↓2014年以降のループイフダン利益(1000通貨あたりの利益。バックテストではなく実際に取引したデータ)
ループイフダン年間利益2018年

●トラリピとの利益差。 
計算方法等はこちら(ドル円バックテスト)を参照下さい。
上表ではトラリピ利益を省略していますが、ドル円と同様の検証をしNZドル円でのループイフダンとトラリピの利益差の結果を紹介します。

トラリピはスプレッド8pips、手数料10pips(値幅20は「せま割」適用で2pips)、ループイフダンは6pips、手数料無料なので、バックテストした結果、以下の差が出ます。

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   NZドル円 値幅20  18.7%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   NZドル円 値幅40  41.1
   NZドル円 値幅80  20.6%
   NZドル円 値幅100  16.2%

多通貨と同様に、NZドル円でもトラリピよりループイフダンの方が有利ですが、実際の利益差は非常に大きいです。

NZドル円でもトラリピからループイフダンに乗り換えるのがよいと思います。
(更新履歴:2018年3月18日投稿、最終更新:2019年1月2日)

トラリピのマネースクウェア・ジャパン(マネースクエア)から新機能「決済トレール」が2015年1月下旬にリリースされました。
 
2014年11月22日にM2JFX バーチャル にて先行リリースされています。
例によって特許(国内特許、国際特許)を出願しているようです。

結論から言うと、決済トレールに変えるよりも、ループイフダンに変える方が利益が大きくなるということです。
トラリピからループイフダンに変えると利益が11から78%も大きくなります。

決済トレールの概要とメリット・デメリットをまとめて以前と比較して紹介します。


トラリピ新機能「決済トレール」とは何か?

通常のトレール注文(トレーリング機能)をトラリピの利食い注文に導入しただけです。
 
トレール注文とは(あらかじめ決済レートを決めておき上がった時にそのレートですぐに決済するのではなく)、一定の上げ幅(トリガー価格)に達する毎に決済レートを自動的に切り上げていく機能です。(下図)
 
あらかじめ決済レートを決めておく場合だと、そのレートより高く上昇した時にその差だけ利益を取りこぼすことになるので、強い上昇相場ではトレール注文で決済させる方が利益が大きくなることがあります。
トラリピ「決済トレール」の仕組み2。ループイフダン検証ブログ2
http://www.m2hd.co.jp/pdf/press/261120_Plus_project_kessai_trail.pdf より

トラリピには以前から「トレールストップ」という機能があり、これはストップ注文(損切り注文)をトレールさせるものでしたが、利食い注文もトレールできるようになったということです。

トラリピ新機能「決済トレール」のメリット

値動きによっては利益が増える

通常のトレール注文のメリットと同じです。
つまり、上にも書いた通り、値動きによっては利益を大きくできることです。(公式サイトでは利益の極大化と表現しています)
 
トラリピにトレール注文を追加したことで、通常のトレール注文とは異なる特別なメリットが生じる訳ではありません。

値動きによっては複数のポジションがまとめてトレールされることもあり、その場合は以前のトラリピのように値幅毎に一つづつポジションを決済するより利益が大きくなることがありますが、トレールされる注文数が一つの時は逆指値で買いつつ値幅毎に一つづつポジションを決済する場合と同じ利益になります。

決済後は通常のトラリピ同様に当初設定した通りに新規指値及び決済注文(決済トレール)がリピート注文されます。

下図は3つのポジションがトレール決済され、その後2つの注文がリピートされている様子。 
トラリピ「決済トレール」のメリット。ループイフダン検証ブログ
http://www.m2j.co.jp/guide/kessai_trail.php より。

設定が簡単

決済トレールを設定する・しないのチェックボックスをクリックするだけで設定できます。(細かい設定ができないというデメリットでもあります)

トラリピ新機能「決済トレール」のデメリット

リピート回数が減る

決済されるまでに大きな値動きが必要となり決済回数(リピート回数)が減るため必ずしも利益が増えるとは限りません。
 
トラリピでは例えば30pips上がったら決済させるのを繰り返すことで30pips値幅のレンジでも稼げるのですが、決済トレールでは30pipsの利益を得たい場合でもトリガーレート分の20pipsだけさらに上昇した時に初めて決済注文が出される仕様なので、30pipsの値動きでは決済されずリピートされにくくなります。

トラリピでは小幅な値動きを利益化するのがウリなのにそれを否定するようなシステムだという気もします。

リピート回数が減ったことによる利益減を決済トレールによる利益アップで補わなければならないのですが、決済トレールで利益が大きくなるのは上昇相場や複数の値幅分一気に上昇した時だけであり、また上記したように通常のトラリピ(上昇時に逆指値で買う設定)より利益が大きくなるのは複数のポジションがトレールされる場合だけなので、決済トレールが有利に働く機会はそれほど多くないと思います。

トリガー価格が20pipsに固定されている

なぜこのような不便な仕様にしたのかわかりませんが、そうなっています。(南ア、香港ドルは0.1円毎。対ドル通貨の場合は0.002ドル毎)
 
通常のトリガー注文ではトリガーレートも自由に設定できることが多いので、m2jだけ使いにくい仕様になっているという印象です。

決済レートが滑る

トレール注文に共通の欠点ですが、決済は逆指値(成行)でされるのでスリッページが発生します。
週明けに大きく下落した場合(窓開け)等ではスリッページが大きくなりマイナス決済される可能性もあります。

狭割が一切適用されない

この機能を使うだけで狭割が一切適用されなくなります。
 
トラリピの最大の欠点である手数料が大きな障害となり、この機能も使いにくくなります。
せめて最初だけでも手数料無料キャンペーンでもやればいいのにと思います。

m2jのように意地でも手数料を下げない姿勢は利用者の反感を買い、ループイフダンのような競合への流れを加速させるだけだと思います。(現にループイフダンの利用者数は急増しています)

バックテスト結果に注意

2015年1月16日にm2j公式サイトにバックテストの結果が掲載されました。
http://www.m2j.co.jp/landing/kessai_trail/

これによると決済トレールなしと比べた場合、上昇トレンド相場で197-218%、レンジ相場で89-121%の収益になったそうです。

為替は長期で見ればレンジ相場の期間が長いので、長期間放置する戦略の場合決済トレールはレンジ相場のバックテスト結果程度(89-121%)に収束すると考えられ、決済トレールを使っても大幅な利益増は望めないと理解すべき結果だと思います。

上昇トレンド相場で、しかも下落前にシステムを停止させるという極めて限定された状況においては約2倍程度に利益が増える結果となったようです。

現実にはこのタイミングでシステムを停止するという判断をするのは難しいことから、このバックテスト結果は都合のよい状況を取り出し、利益が大きく見えるように見せた広告と考えた方がよいと思います。(金融業界の広告やレポートではよくこういう操作がされているので注意が必要です)

そもそもトレール機能自体が難しい

トレール機能は以前から色んな会社で提供されていますが、利用者は少ないですし、それで安定して稼げている人を見たことがありません。

上昇相場では通常の決済方法より利益が大きくなるのですが、実際には1年の8割はレンジ相場なのでトレール機能が役に立つ場面は非常に少なく、そのタイミングを見極めるのは難しいです。
そのため、使いこなせる人が出ておらず今後もトレール機能が人気となることはないと思います。

使うタイミングが難しいなら連続して使えばいいのでは?と考えた末に「決済トレール」という機能がリリースされたようにも思えますが、トレール機能を連続して行うと上記の通りリピート回数が減るため、利益が増えるとは限りません。

両建てする等の工夫をしてもリスクが高まるだけで多くの場合は利益が増えることはなく、決済トレールを使わない方がよいと思います。

こんな安易な方法で儲かると思うのは投資家としては甘いです。
儲かると思い込ませて取引手数料を稼ぐというFX業界によくある手口には注意して下さい。

トラリピ上場廃止。ループイフダン等の競争激化

トラリピのマネースクウェア・ジャパン(m2j)は手数料が高く、顧客の不満がインターネット上でも見られますが、手数料無料&低スプレッドのループイフダンが人気となる等、他社との競争が激化し厳しい事業環境となっていました。

起死回生の策になるかと思われた決済トレールも、従来のトラリピ利益を越えられない場合もあり、ループイフダンより利益が大きくなるとも限らないので(バックテストによると11から78%の利益差があるため。)、結局利用する人もそれほどいないままだったんだと思います。
インターネット上でも決済トレールを利用している人はそれほど見かけません。

そんな中、2017年1月20日に上場廃止となりました。上場廃止は経営陣によるMBO(買収)という手法により行われ、その後は外資系ファンド「カーライル・グループ(インフィニティ)」と協力して商品開発等を加速させるそうです。

トラリピ、外為オンラインに第1審敗訴。特許侵害なし(その後控訴)

マネースクウェア・ジャパンは以前から特許を広告材料の一つにしていたのですが、実際の特許訴訟ではその主張は認められなかったようです。

外為オンラインのiサイクル注文、サイクル注文がトラリピ特許を侵害するとして提訴したのですが、2017年2月10日に敗訴の判決が出され、その後、控訴しました。

2017年12月21日の知財高裁判決ではサイクル注文の差し止めを認める一方、iサイクル注文の差し止めは認めませんでした。

特許があるから凄いと思う人もいますが、必ずしもそうではないので、そのような広告に注意して下さい。
特許侵害訴訟の詳しい経過は以下の記事でまとめています。

 トラリピ・iサイクル注文の特許侵害訴訟を解説【トラリピ敗訴→控訴審で一部差し止め】

結論:決済トレールで儲けるのは簡単ではない

注文方法が多様化されたことは評価できますが、トラリピは手数料が大きいので仮に決済トレールで利益が増えたとしてもその増加分から手数料を引いた正味の利益がループイフダンより高くなるケースは多くないと思います。

私が検証した結果ではトラリピをループイフダンに変えると利益が11から78%も大きくなります
つまり、決済トレールに変えるよりも、ループイフダンに変える方がよいというのが上記を踏まえた結論です。
やはりコストの差でループイフダンの方がお得だと思います。

オートレールの方が有利【マネックス証券】

マネックス証券からオートレールという機能がリリースされており、こちらの方が手数料・スプレッド等の点でトラリピの決済トレールより有利なので、トレール機能をどうしても使いたいという前提ならどちらかと言えばオートレールの方がよいと思います。

上にも書いた通り、トレール機能自体がお薦めできないので、普通にループイフダンをする方がよいと思います。

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 (更新履歴: 2014年11月23日投稿、2017年12月21日)