ループイフダン検証ブログ

ループイフダンを検証!【目安資金】【バックテスト】【投資法】等が人気記事。ループイフダン情報が最も詳しいブログです。「長所短所まとめ」等のお勧め記事を閲覧推奨。著書好評発売中!


カテゴリ: 投資テクニック

ナンピンについて紹介したので、その応用として、勝率は高いが必ず破産する方法としても有名な「マーチンゲール」についても紹介します。
ループイフダンでは出来ない取引方法ですし、全くお薦め出来ませんが、思考実験としてはそれなりに面白いです。

●マーチンゲールFX
マーチンゲールは元々は丁半博打のように確立2分の1でお金が2倍になるゲームにおいて、「負け分+1」だけお金を出す方法です。
こうすると負けが続いても1回勝てば全ての負け分を取り戻しつつ利益が得られます。
 
例えば、それまでに5万負けたなら次に6万で勝負し、負け分を取り戻しつつ1万の利益を得るというものです。 

その代わり、負けが倍々に増えていくので(2のN乗)、負けが続いた時の損失が急激に膨らんでしまい、いつか必ず負けます。
そのため、思考実験としては面白いのですが、非現実的な投資法であり、必ず破産する方法として有名です。

これをFXに応用したものも有名で、上記同様に、一定値幅動いた時に「負け分+一定額」の利益となるようにポジション数や決済幅を調整します。
一度全部決済して損失分を次の1回の取引で取り戻すという方法もありますし、下記で紹介するように、ナンピンの要領で次々にポジション数を増やす方法もあります。

●等値幅マーチンゲールの一例。
シンプルな例だと、等値幅でナンピンしていき、一つ値幅が下がる度に総ポジション数を2倍にすることにより、値幅1つ分反発すれば全ポジションを決済し利益を得ることができます。
その代わり、下落した場合の損失が極めて大きいので、必ず破産します。
また、ポジション数が多いので証拠金も膨大な額になります。

例えば、1万ドル買い、1円下がったら2万ドル、2円で4万ドル、3円で8万ドル、4円で16万ドルとその都度ポジション数を2倍(2のN乗)に増やしていくと(含み損プラス1万ドル)、1円上昇するだけで全ての損失を帳消しにしつつ利益が得られます。(下表)
 
その代わり、下落時に急激にポジション数が増えるため、10円だと1024万ドル(含み損1023万円)、20円だと104億8576万ドル(含み損104億8575万円)ものポジション数(含み損)となり、すぐに破産します
マーチンゲールFXのポジション数

●値幅等を変えた例。
値幅や決済幅を広くしたりポジション数を非常に小さくする等の工夫をして総ポジション数を増やさないようにする方法もありますが、そうするとパフォーマンスが悪くなります。

一例を紹介しておくと、
  • 4円下がるまでは1円ごとにポジション数を2倍にするが、それ以降は2円刻みで所定のポジション数を増やし、2円上がったら決済する(値幅を変える場合。ポジション数もそれに合わせて計算)、
  • 4円下がるまでは1円ごとにポジション数を2倍にするが、それ以降は1円刻みに小さめの(2倍より小さな)ポジションを取りプラ転するまで上がったら決済する(決済幅を変える場合)、
といった方法です。

マーチンゲールをループイフダンや普通のナンピンと比べた場合、1円下がるごとに買うとすると、ループイフダンと同じ値幅(100pip)で決済できつつ全ポジションを決済できるので下落幅が小さく損失が許容できるうちは高いパフォーマンスとなりますが、下落幅が大きくなるとすぐに破綻するので、結局やる価値のある投資法ではありません

投資に必勝法はないので、どれも一長一短ですが、マーチンゲールはリスクが大き過ぎるのでやらない方がよいです。
なお、マーチンゲールにおいても両建ては愚策であり、お勧めしません。

単純だし、そんなに相場が下落しないだろうという安易な思い込みをしやすい初心者には魅力的に見えてしまうようですが、そういううさん臭い情報に騙されないよう注意して欲しいと思います。 

こんな不合理な投資法を行っているのは、リスク管理能力のない初心者や学習能力のない無能なトレーダー、儲かっているように見せかけようとしている詐欺師のような人(ブロガーにもこのタイプが多いので注意)だけです。
 
ナンピンは自分でリスク管理が出来る自信があるならループイフダンと並行してやる等してもよいと思いますが、難しいのであまりお薦めしません。
ループイフダンのようにあらかじめリスクが予測・設定できるものの方が投資手段として優れていると思います。

次回はループイフダンについての新ネタを紹介しようと思います。 

ナンピンは非常に有名な投資手法であり、ループイフダンやトラリピと比較されることも多いです。
今回はそれらを比較します。

「FXでは低レバ・ナンピン(低レバレッジ・ナンピン)が最強」とはFXが流行りだした頃から言われています。
為替はレンジ相場が多いことや、値動きの範囲が予想しやすいこと等から、低レバにしていればいつか反発して黒字決済できるためです。

ただし、ナンピンの応用であるループイフダンの方が有利な場合が多いです。 

★ナンピンとは。
ナンピンとは下落した場合に買い増すことで平均価格を下げる手法です。

各ポジションを買うレートや数量に制限はありません。
ある程度上昇した時(通常は総損益がプラスに転換した時)に全部決済することが多いです。

●ナンピンの長所。
  • 平均価格が下がっているので比較的小さい上昇幅でも全ポジションを決済しつつ利益を得られる。。
  • 全部決済するため長期塩漬けポジションが発生しにくい。
  • 買うレートや数量をその都度調整し相場観に応じた取引が出来る。

●ナンピンの短所。
  • その都度、買うレートや数量、決済レートを考える必要がある。
  • 自動化されていないので発注するのが面倒。
  • 決済レートが決まっていないため決済利益が安定しない。
  • リスク予測を誤って(調子に乗って)大きなポジションを取ってしまい大損する可能性がある(下落すると早く負けを取り戻したいと思い大幅に取引額を増やしてしまい、さらに下落して破産という自制心不足による負けパターンが多い)
  • 下がった場合に損失が膨らむ。
★ループイフダン、トラリピ(等幅等量ナンピン)
ループイフダンやトラリピはナンピン同様に下落した場合に買い増します。
ナンピンと違うのは買うレートや数量、決済レートが予め決まっていることです。
また、ポジションを一度に全部決済するのではなく、一定の値幅毎に決済します。(以下、単に「ループイフダン」と書きますがトラリピでも同様)

●ループイフダンの長所。
  • ナンピンより小さな上げ幅で一部のポジションを決済し利益が得られる(決済利益はナンピンより大きい)
  • その都度、買うレートや数量、決済レートを考える必要がない。
  • 自動化されているので発注が楽。
  • 決済レートが決まっているため決済利益が安定している。
  • 最大ポジション数を事前に決められるので、(調子に乗って)大きなポジションを取り大損することがない。
●ループイフダンの短所。
  • 一部のポジションしか決済しないので、その後もポジションが残る。
  • 下がった場合に損失が膨らむ。

★共通の短所。
下がった場合に損失が膨らむのは共通の短所です。

FXのようにレバレッジを掛けた取引でナンピンすると危険と言われることが多いですが、これはFX批判が盛んだった時期()に広がった安直な結論であり、やり方次第でリスクをコントロールできます。
 
確かに無計画にポジションを増やすとレバレッジが上がっていくので大きな損失を被るリスクもあるのですが、最大ポジション数をコントロールする等、きちんとレバレッジ管理をしていれば大きな損失を避けられます。

※FXが批判されていた理由。
FXが始まった当初はFXはハイリスクだというメディアのネガキャンが一斉に行われていました。
 
リスクを理解せずレバレッジ200倍の限界まで大きなポジションを取り大損したというような失敗例があったのは事実ですが、実際には当時はFX広告が少なかったため新聞等のメディアがFXに批判的な記事を乱発していたこと(株をメインに扱う証券会社(新聞等のスポンサー)等が顧客を取られることを恐れてネガキャンを繰り広げたこと)等が実情です。

その後、新聞等にFX広告が増えたり、証券会社等がFX業界に参入するようになり、こうした批判的な論調は消えました。

未だに当時のネガキャンを真に受けてFXは危険だという偏見を持っている人もいますが、自分でレバレッジ管理すればよいだけの話なのでFXが特にハイリスクという訳ではありません。

株のように投資した会社が倒産して株の価値がゼロ円になることもないですし、株よりボラティリティも低く値動きも予想しやすいので、やり方を間違わなければ株より低リスクです。(海外FX業者は例外で、お金を返さない等のトラブルが多いのでお薦めしません)

●ループイフダンとナンピンのどちらが有利か。
これらを踏まえどちらが有利なのかを考察します。

検証条件。
1円毎に1万ドル買い増し、利益1万円毎に利確。

比較しやすくするために、買うレートや数量はループイフダンと同じとし、決済条件だけ変えるものとします。

ドル円が下落し102,101,100円で買った場合(下図の青丸)、ループイフダンでは「101円」になった時(100pipの上昇)に100円のポジションを決済し(下図の赤丸)、1万円の利益(残りポジション2万ドル、含み損1万)となります。

一方、ナンピンでは平均価格101円、3万ドルのポジションとなっているため、「101.34円」の時(134pipの上昇。下図の赤丸)に利益が1万を超え、そこで全てのポジションを決済することになります。
ループイフダンとナンピン比較。トラリピ
その後、ループイフダンでは102円になった時にさらに決済され1万円の利益、含み損0になります。
 
ナンピンでは決済と同時に買う場合、102円になった時は101.34円で取ったポジションの含み益が7600円であり、トータル利益17600円となりループイフダン利益の2万円より少ないです。

このようにループイフダンはナンピンより小さい値動きで利益が得られるので、ナンピンより大きな決済利益が得られます。

ループイフダンは常に100pipで利確できますが、ナンピンは利確幅が常に100pip以上となるし、その幅がいくつになるかも値動き次第(ポジション数次第)なのでいつ決済されるかわかりにくいです。

101.34円まで上昇した後に下落する場合は、ナンピンでは101.34の一つしかポジションを持っていませんが、ループイフダンでは102、101のポジションを持っているためループイフダンの方が損失が膨らみやすくなります。

まとめると、
  • ループイフダンの方が常に決済利益は大きいが、
  • (ナンピンだと決済できる程度に)反発した後に下落すると含み損のポジションが残る分だけループイフダンはナンピンより損失が大きくなる場合がある
ということです。

また、いくつかの条件で15年分のバックテストをしたところ、ナンピンだと決済回数が大幅に少なくなる(10分の1程度)ことも確認しており、含み損を加味してもループイフダンの方が有利というのが結論です。

●ナンピンの応用例【レンジ上でのみナンピン】
高値のポジションを残したくない場合はナンピンの方が適していると考えることもでき、例えばループイフダンの想定レンジ上限を超えた場合は手動でナンピンするようにしてなるべく高値のポジションを残さないようにするといった戦略も可能です。(ただし決済までの時間も長くなるので損益上どちらが有利かは相場次第)

ポジション間隔を大きくするといった調整も出来るので、レンジ上抜け時など、高値警戒感があり急落リスクのあるイレギュラーな相場に対しては、一時的にナンピンに切り替えるのもアリかもしれません。

●両建てナンピン。
さらに、その買いナンピンのポジションが全部なくなるまでの間に限っては、両建ての要領で売りナンピンも追加(両建てナンピン)するとよい場合もあります。

売りポジションが膨らんで損するリスクもありますが、高値付近なのでリスクは小さめであり、高値予想に自信があるなら利益アップを狙うのも手です。
勿論、売りだけのナンピンにしてもよいです。

両建てナンピンも両建てループイフダンと同様のリスクがあるので下記記事も参考にして下さい

★★★ まとめ。
ナンピンはリスク管理が難しいことや、発注の手間が大きいこと、決済回数が大幅に少なくなること等から、ループイフダンの方が優れていると思います。
 
また、レンジ内で推移した後にレンジ上限で決済する(終了する)場合は、含み損のポジションがなく、それまでの決済利益も大きいのでループイフダンの方が利益が大きくなります。

ナンピンをする場合、低スプレッドのFX業者を使うのが手っ取り早く利益を増やす方法なので裁量トレードにお勧めの低スプレッドFX業者を使うのがよいと思います。
 (更新履歴:2015年9月22日投稿、2018年11月12日更新)

ループイフダンに適したテクニカル(↓)を紹介したので、テクニカルについてあまり知られていないが重要なこと等を紹介します。

また、テクニカルをベースにした自動売買についての注意点も紹介します。
テクニカルはひと通り勉強する価値はありますし、トレンドを判断する際に参考に見る程度ならよいと思いますが、過信しない方がよいです。
テクニカルだけで勝てるというのは絶対に嘘です。
 
この記事では特に断りがない限り、テクニカルとは、上記関連記事で紹介した「ループイフダンに適したテクニカル(過去高値、区切りのいい数字、トレンドライン)」を除くテクニカル(ボリンジャーバンド、RSI等)を指します。

●テクニカルで最も重要なこと【多数派理論】 
気付いていない人も多いですが、テクニカルでは多くの人がよく見ていることが最も重要です。(多数派理論
相場は市場参加者の売買により動くため、彼らがどういう思惑で売買しているのかを知る必要があります。

例えば、過去高値が重要なのは多くの人が注目しているからであり、注目しているからそのレートの前で売る人が多くなり、強い壁になっているのです。

テクニカルにも同じことが当てはまるので有名なテクニカルほど重要で、誰も見ていないテクニカルは仮にそれを使ってよい結果が出せていたとしても一時的なものに過ぎず無価値です。

テクニカルは所詮、過去高値等と同様に、他の人も注目しているからこそ、そこで反転したりするものです。

たいした根拠もなく信じている人が多いですが、テクニカル自体に未来を予知する力はありません。(←重要)
 
(例えば、サポートラインを決める手段として、過去高値に注目している人が市場参加者の90%、移動平均線に注目している人が20%の場合、過去高値は注文が集中し強力なサポートラインになるが、移動平均線は弱いということ。
 
多くの人が色々なテクニカルを見ていて、各テクニカルの示す重要レートもバラバラになってしまうので、実際は特定のテクニカルが強いことにはならない。
RSIやMACD、ボリンジャーバンド等でも同様で、売買サインが出ても見ている人が少ないので注文が増えず相場の流れに変化を与えない。

一目均衡表にいたっては、過去に株の値動きを研究した日本人が適当にパラメータを最適化して最もよかったものを使っているだけという理論的裏付けが全くないデタラメなテクニカル指標であり(多くのテクニカルもこのようにして作られています。)、為替のメインプレイヤーである海外投資家はほとんど使っていないのでほとんど見る価値がないです)

テクニカルには経済指標やニュース等のファンダメンタルズが反映されていないこともよく理解しておくべきです。

●自分の頭で考えない人は金融業界に騙される。
「テクニカルなら勝てるという話の根拠」を考えたことさえない人が多いです。(風説・嘘であることに気付いてすらいない人ばかり)

「テクニカルなら勝てる」と勝手に思い込んでいる(思い込まされている)理由は、本に書いてあったとか、有名なアナリストが言ってた等という論理的根拠のないものであり、その本やアナリスト等、金融業界の手口(嘘、本質)が見抜けておらず、都合よく騙されているのです。

よくある手口は、もっともらしい説明をして勝てたパターン・時期だけを誇張し、負けるパターンや長期での実績をウヤムヤにするというものです。

●どんな時も高い勝率となる手法はない。
テクニカルに基づく売買はどれも勝てる時期と負ける時期(勝てる設定と負ける設定)があり、現在どうすれば勝てるのかは絶対に予測できません
 
勝率が高い手法を見つけたとしても、それは過去の一定期間の間に有効だっただけであり、今後もその手法で高い勝率で勝てると思うのは甘いです。

簡単な例で言うと、最も有名なテクニカル手法である2本の移動平均線のクロスをバックテストする場合、パラメータ(何日平均を用いるか)を変えると、例えば過去1年の勝率を最高にするものは簡単に作れますが、その前年が悪くなったりします。

長期間通じて最もパフォーマンスがよいものを作っても、さらに長期間にするとまたパフォーマンスが落ちたりするので、今後その設定で高いパフォーマンスが出せるとは期待できません。

同じ理由から、逆に最もパフォーマンスが悪いものを作ることもできません。(最もパフォーマンスの悪いものは買い、売りを逆にすれば最もパフォーマンスがよいのものになるのですが、それも無理)

複数のテクニカルを組み合わせたり、他の条件を付けても同じで、勝てる時期と負ける時期(勝てる設定と負ける設定)があり、結局どんな時も高い勝率となるシステムは作れません。

過去にテクニカルを徹底的に研究したことがある人なら理解して貰えると思います。
私も以前に研究した結果、上記のような結論に達しました。

●テクニカルは客を煽る広告。
ほとんどのテクニカルは所詮、金融業界(株、証券、FX業者、ブロガー等)の広告・セールストークに過ぎないと気付くべきです。
彼らは所詮手数料ビジネスなので、塩漬けや売買されない状況が最も困ります。

そのため、ファンダメンタルズでももっともらしい上がる理由、下がる理由を色々つけて売買を煽ってくるのですが、テクニカルも全く同様に煽る手段として利用されています。(損切りを勧めるのも同じ事情で、客の損を増やさないだけでなく、新規売買をさせて自社の手数料収入を増やしたいという思惑がある)

客としても自分の判断で買うのが不安で誰かに背中を押してもらいたいという心理があるようなので(占いや神仏等にすがる心理にも近い。初心者なら仕方ないと思いますが、いつまでもこういう姿勢の人は投資に向かないです。他人の話に乗っかって売買するのは投資でやってはいけないことの一つです。)、需要があるのは確かなのですが、それにつけこんで、さもテクニカルが当たるかのような過剰な宣伝がされています。

テクニカルは初心者のおもちゃ(初心者を喜ばせる道具)と言ってもいいかもしれません。
ひと通り勉強するのはよいことですが、あんなことで儲かると思うのは甘いです。

テクニカルは一見もっともらしい説明がなされることが多いですが、そのように「ユーザーを信じこませる(騙す)」ことを目的として作られているだけであり、その期待通りの結果は絶対に出せません。
 
もっともらしい・勝てるかもと思い込まされたらトレーダーとしては負けです。
さんざん手数料・スプレッドを取られて1円も稼げないという結果(業者のエサ)になります。

●テクニカルベースの自動売買は絶対やってはいけない。「業者必勝、顧客必敗」。
多くの自動売買(テクニカルで勝手に売買するシストレ。インヴァスト証券シストレ24、ミラートレーダー、フルオート等)は上記のようなその都度客を煽って売買させるという面倒を最小化しつつ手数料収入を安定的に生み出すため、FX業者にとっては非常に旨味のあるシステムです。

他方、上記の通りテクニカルでは勝てる時期と負ける時期(設定)があるためユーザーが勝ち続けることは絶対になく、仮に勝率50%でもスプレッドコストやマイナススワップの方が大きいこと等により損失が膨らんでいくため、長期では非常に高い確率で負けることが確定しています。(素人をターゲットにしているためか、通常のFXよりスプレッドやスワップが不利なものも多いです)

つまり、「業者必勝、顧客必敗」のシステムです。

実際の利用者は各システムの中身がわからないため(こういう相場状況ではこのシステムが有利みたいな簡単な説明しかないものがほとんど。)、結局ランキング等に基づいてシステム選択する人が多いようです。

しかし、利益ランキング等に基いて自動売買を選ぶというのも全くナンセンスで、サイコロふって売買するといういい加減な自動売買であっても同じシステムを無数に稼働させれば確率的に利益ランキングで上位になるものは必ず現れるのであり、利益ランキング上位の自動売買も単にそのような偶然が重なって上位にいるだけと考えるべきです。(投資信託等のランキングにも言えることです。金融業界ではこういう手口が多いです。)

テクニカルと同様に、どの自動売買でもパフォーマンスがよい時期と悪い時期がありますが、それがいつかを予想できないので、今どの自動売買を使えばよいかわかるものではありません。
 
現在利益ランキング上位にいるシステムが今後よいパフォーマンスを出すという論理的根拠は全くないです。

システムを定期的に入れ替える等すれば勝てると思っている人もいますが、どうすればパフォーマンスがよくなるかは絶対わからないので無意味です。
こうした合理的思考のできない人をターゲットにした悪徳商法の一種だと思っておいた方がよいです。

こうした事情から、テクニカルやテクニカルを使ったシストレは儲かると勧める人(アナリスト、ブロガー等)も信用しない方がいいです。 
読者から金を巻き上げようとする悪意しか感じられません。  

(ミラートレーダーという自動売買が有名で以前は提供していた業者もそれなりにありましたが、やはり稼げない人ばかりで評判が悪いことからサービス終了する業者が続出しています。この場合、持っていたポジションも強制決済されてしまいます。) 

(なお、ループイフダンはテクニカルを使っておらず、どういう条件で売買されるかわかっているので、業者必勝なのは同じですが、顧客は必敗ではなく勝つ可能性は十分あります。)

●詐欺師、有料商材に注意。
こんなテクニカルで売買したらこんなに儲かったみたいな胡散臭い話もよくありますが、テクニカルで勝ち続けることは絶対に不可能です。
 
テクニカルに限らず相場に必勝法はなく、もし勝ち続けられると言う人がいたら詐欺師なので信用しない方がよいです。
勝率100%は絶対にありえませんし、勝率100%でなくても日ベースや週ベースで勝ち続けるというのも絶対に不可能です。
 
年間ベースで勝ち続けることも極めて難しいため17年以上年間ベース勝ち続けていると言われる今井雅人さん(有名FXトレーダー、民主党→維新の党→民進党衆議院議員)は凄いとされているのです。今井さんも月ベースでは負けることもあるそうです。

(なお、今井さんの会社マットキャピタルマネージメント、Global Infoもテクニカルをベースにした売買シグナル(MATT売買シグナル等)を提供していますが、これは今井さんの手法がそのままというものではなく、現在のFX情報会社のサービスの一つとして無理やり開発して提供しているだけなので、こちらは信用しない方がよいです。これも過剰な宣伝が目立ちます。)

有料の情報商材にも要注意です。
特に、勝率●●%!とか、何ヶ月で●●円に!、●連勝中!、みたいないかにもうさん臭い宣伝がついているものです。
 
大抵は適当なテクニカルを組み合わせて過去データに最適化しただけのものです。
ただのナンピンが勝率100%を謳ううさん臭い情報商材の正体だったりします。

投資に必勝法はない」というのが絶対の真理ですし、本当に儲かるなら誰にも売らないです。
有料のメルマガを発行している人は詐欺師だと思った方がよいです。 

無料の情報商材でもメルマガ等は怪しいものがほとんどです。
「いきなり有料の商材を買うのには抵抗があるけど、無料メルマガは結構よかったから有料商材もいいものに違いない」と思い込ませて、最終的に有料商材を買わせるという手口が多いです。
こういうものに騙されないよう気をつけて下さい。

●まとめ。
  • テクニカルは多くの人が注目していることが最も重要【多数派理論】
  • テクニカル自体に未来を予知する力はない。
  • どんな時も高い勝率となる手法はない。
  • テクニカルは客を煽る広告。
  • テクニカルベースの自動売買は絶対やってはいけない。「業者必勝、顧客必敗」。
  • 詐欺師、有料商材に注意。
テクニカルに頼ったトレードは頭を使わなくてよいから人気が出やすいのは理解できますが、そんなことで勝てるほど相場は甘くないです。

テクニカル神話含め、投資業界の常識・広告は疑った方がよいです。(彼らの出す情報の9割以上は嘘だと思う位で調度いいです。)。
あんなものは投資業界の手数料収入を増やすために作られたものばかりです。
突き詰めれば、上記の通り、多くの人が注目していることこそが重要なのです。

単純な話なのですが、たいした根拠もなくテクニカルを信じている人が多く、この話を信じない人も多いと思います。(常識を疑わない人・論理的思考力のない人・自分の頭で考えない人は投資に向かないです)
 
私はこの考えが正しいと確信していますし、多くのテクニカルアナリストを抱える国内外の大手金融等に勤める友人もこの考えが正しいと言っていますが(商売の邪魔になるから言うなという人もいました)、これを信じない人を説得する気はないので、ご自身の好きなスタイルで投資すればよいと思います。

どの道、投資で必勝法はないので、何かしら突っ込みどころ(デメリット)のある投資法をすることになりますし、テクニカルを使ってもいいのでとりあえず自分のスタイルを作ってリファインしていくことが大事です。

目新しい手法にすぐ飛びつく投資家は必ず失敗します。
自分の頭で考えることが何より大事です。

私としては数ある手法の中でもループイフダンが最も優れていると確信しており、このブログで詳しく説明しています(ループイフダンやトラリピをするならサイドバーのお勧め記事は必ず読むべきだと思います。)。

なお、私は特定の個人・サイトを批判する意図ではなく、テクニカルを過信したり、投資業界にあふれている詐欺的な情報に騙されないよう注意するためこの記事を書いています。
 
気分を悪くした方がいたら申し訳ありません。
また、自分の発信する情報がこれに該当すると思う方は、それを見直すようお願いしたいと思います。

騙される人がいるのは仕方ないですが(世の中には信じられないほど騙されやすい人がいます。)、私のブログ読者が騙されるのは私としては我慢ならないので、かなり詳しく説明しました。

ループイフダン・トラリピにお勧めのテクニカル指標と注意点
RSI、ボリンジャーバンド等のテクニカルを使ってトレードする人がいますが、私は今までこうした古典的なテクニカルをほとんど取り上げていません。
こうしたテクニカルの多くはループイフダンには向かないと考えているためです。

この記事ではループイフダンに適したテクニカル、不適なテクニカル、テクニカルの注意点・使えない理由等を説明します。(トラリピ等にも当てはまる)

ループイフダンに適したテクニカル。

●過去高値・安値。
私の考える最も賢いループイフダンの使い方はレンジ上限、下限を想定し下落時損失を把握してから稼働させるというものです。

そのため、レンジの上限、下限を決めるのに最も使いやすい過去高値、安値はループイフダンに最も適したテクニカルだと言えます。
また、過去高値は多くの人が注目しているためサポートラインになりやすく、最も強力なテクニカルだと言えます。

(過去高値はテクニカルではないと思う人もいるでしょうが、これもチャートから判断するものですしファンダメンタルズでもないので、ここではテクニカルに含めておきます。)

どれ位まで過去データを利用するかは投資スタイル次第ではありますが、長期投資を念頭におくなら年単位で見る必要がありますし、数日から数ヶ月程度の投資なら過去数ヶ月程度みれば十分という場合もあります。

過去に何度も反発しているポイントは強力なサポートラインになりやすいので、その回数も見ておくとよいです。
 
いずれの場合も決まった期間だけ見て終わりにするのではなく、より長期間のチャートも確認することが重要です。
より長い期間を見ればもっと過去高値、安値を大きく見積もることになりますが、より正確にリスクを把握できます。

史上最安値まで見ておけば相当リスクは小さくなりますが、そこまでロスカットされない戦略にすると値幅や取引数量の関係上、利益も小さくなってしまうので、リスクとリターンのバランスを考えたり、現在のファンダメンタルズを考慮して強気な戦略にするかを決めるとよいでしょう。

短期投資の場合で高値まで遠い時は、高値に到達するまで時間がかかるため使いにくいということもあるでしょうが、ループイフダンは通常、長期投資を念頭に行うものなので、過去高値・安値は最も注意すべき数値ですし、最も使いやすいテクニカルだと思います。 
ループイフダンに適したテクニカル。ループイフダン検証ブログ
最近のドル円で言えば、数ヶ月単位でみると118円が強力なサポートラインですが、さらに過去を見ると115、110円程度になります。
ファンダメンタルズからドル高が進みやすい状況なので強気な戦略なら118円を下値の目処にすればよいでしょうし、もっと余裕を持たせてもよいと思います。

●区切りのいい数字。
ドル円120円のように区切りのよいレートもよくサポートラインになるため、レンジ上限・下限を決めるのに適しています。
区切りのよい数字が好きな人が多いという心理的要因が背景にあります。

過去高値に重なることも多いですが、史上最高値を更新した場合や過去高値まで目立ったポイントがない場合に特に有効です。

レートの数字だけでなく、5%下落や10%下落等、下落割合でも区切りのよい数字が壁になることが多いです。
半値戻し(下落幅の50%だけ反発すること)等も有名ですが、同様のものです。

フィボナッチ(%)の割合の下落に注目する人もいますが、上記に比べれば少数派なので実用性はイマイチです。
 
ただ、投資業界(証券会社、FX業者、銀行、金融系メディア等)のアナリスト等と呼ばれる顧客の欲や不安等を煽って売買させることを目的とした文章を書く人は(彼らを本当の分析屋だと思うのは辞めた方がよいです。トレードスキル・実績がない人ばかりで、扇動目的のバイアスのかかった内容も多いです。)、何かしらもっともらしい数字や文章を書かなければならないので、こうした数字やテクニカル分析にまで言及することが多いです。

●トレンドライン。
次いで重要なのがトレンドラインです。
重要な理由はこれを見ている人が多いということです。

分足、時間足では人によって設定がバラバラで、5分足を見る人もいれば10分足を見る人もいるのですが、日足、週足、月足のトレンドラインを見ているトレーダーは非常に多いです。(「10」日足のような中途半端なデータを見ている人が少なく、ほとんど1日足、1週足、1月足を見ているため、他のトレーダーと同じものを見ていることになる)

ループイフダンに使う上での欠点は日にちによりレートが変わっていくことです。
そのため、トレンドラインによるサポートラインがどこまで切り上がったかを定期的に確認する必要があります。
トレンドラインを延長すれば未来の予想値も簡単にわかります。

上昇トレンドでは、ロスカットレートをこの変化に合わせて切り上げていくことにより、高値更新した場合でも設定を変えずに済ませるといった戦略もあります。

ちなみに、トレンドラインを割ったからといって必ずしもトレンドが逆転する訳ではなく、その後レンジに変わることも多いです。

★ループイフダンに向かないテクニカル。

上記以外のテクニカルはほとんどループイフダンには向かないと思います。

ループイフダンではレンジ上限、下限を決めておくことが必要ですが、レンジを決めるのに適したテクニカルがありません。
ループイフダンに適したテクニカルが開発されていないためとも言えます。

ピボットやボリンジャーバンド等のように上限、下限に目安となる指標が出るものもありますが、その数値は時間経過で変わってしまうし、トレンドラインと違ってその変化が予測できないので、レンジ上限、下限決めに使うのは難しいです。

また、普通のFXでは上昇時も下落時もポジション数は変わりませんが、ループイフダンでは下落時にポジション数が増えるため、上昇幅と下落幅の意味合いが大きく異なるのですが、こうしたループイフダンの特殊性に見合うテクニカルはありません。

(例えば、1円上昇時の利益より1円下落時の損失が大きい。また、上昇後に下落した場合、その高値からの下落幅で下落時損失が決まる点が通常のFXと異なる。ループイフダンではシステムを停止するまでの時間が決まっていないことが多く、停止までの通算決済利益とロスカット時の確定損失のバランスも普通のFXと違います。)

そのため、テクニカルで買いポイント、売りポイントとされるところが、ループイフダンにとっての買い(システム稼働)ポイント、売り(システム停止)ポイント、損切りポイント等になりません。
他にもテクニカルが使えない理由はありますが、次回の記事で紹介します。(下記関連記事参照)

単にトレンドを判断するための補助的な手段として使う程度ならよいと思いますが、レンジや買いポイント、システム稼働・停止ポイントに使うのは難しいと思います。

レンジ決めは安値等を利用し、システム停止ポイントは高値更新時にする等といったシンプルな戦略の方がループイフダンには適しています。

★★★

突発的に大きな材料が出て相場が動く場合は、これらの規則を無視してその材料の大きさ次第の派手な動きとなることもあります。(日本の大地震や予想を裏切る選挙(英EU離脱国民投票)など)

なお、自分の好きなテクニカルを使ってトレードするのを否定する気はありませんし、ある程度は参考にすればよいと思いますが、上記の注意点や次回紹介すること(下記関連記事参照)はよく理解しておくべきだと思います。

テクニカルを見る場合は、毎日同じテクニカルを見るのがよく、特にその変化やパターンに注目するのが重要です。
 
テクニカルではなくチャートだけで相場の力や違和感等を感じられるようになるのがベストだと思いますが、テクニカルの変化に着目することでそのヒントが得られたり、ミスや見落としを防ぐことが出来るかもしれません。

テクニカルだけで勝てるというのは絶対に嘘なのでそういう情報にだまされないよう注意して下さい。
複数のテクニカルや条件を組み合わせたりしても必勝法は絶対にありません。

長くなったので、次回、テクニカルの嘘、テクニカルであまり知られていない最も重要なこと、テクニカルの本質と注意点等を紹介します。(下記関連記事参照)
(更新履歴:初投稿2015年6月18日、最終更新2019年3月27日

くるくるワイドとは何か。
くるくるワイドとは簡単に言えば、
買いポジションと売りトラリピ(ループイフダンでも可能)を両建てしただけです。

買いと売りの最大ポジション数を同数にするものや、買いポジションより高値側に売りトラリピを仕掛けるものが多いです。

(最初に結論を書いておくと、くるくるワイドなら上がっても下がっても儲かるというのは嘘であり、優れた投資法ではありません。 記事下部の くるくるワイドが雑誌等でよく取り上げられる本当の理由(重要) も参照)
 
くるくるワイドとは何か。ループイフダン検証ブログ

値幅やポジション数等を変えたものもありますが、基本的な長所短所は同じで、
  • トラリピで利益を上げる、
  • 上昇時に売りトラリピの損失が膨らむのを抑える、
  • 売りトラリピを仕掛けているのにマイナススワップになりにくい、
というメリットがある一方、
  • 下落時に(買いトラリピより早く)損失が膨らむ、
というデメリットがあるのが主な特徴です。

他サイト等のくるくるワイドの説明はわかりにくいものが多いですが、
  • 買いポジションの長所短所(上昇時に利益、下落時に損失、プラススワップ)と、
  • 売りトラリピの長所短所(上昇時に損失、レンジ内で決済利益、マイナススワップ)
が合わさっただけと考えれば簡単です。(下図)
 
くるくるワイドとは何か。ループイフダン検証ブログ2

以前紹介した両建てヘッジ(両建てで下落時損失を抑える方法)とほとんど同じ仕組みなので、そちらの記事も読むことを薦めます。

(両建てヘッジとくるくるワイドの違いは買いポジションを取るタイミングです。
両建てヘッジでは下落すると思った時にポジションを追加しますが、くるくるワイドでは原則先に買いポジションを取ります。(買いポジションより高値に売りトラリピを仕掛けるのがベスト))
 
トラリピではなくループイフダンで行う方が利益が大きくなるのでその方法や注意点も紹介します。

まず、くるくるワイド自体の長所短所をまとめ、その後にループイフダンで行う場合の長所短所を紹介します。

(なお、それなりに有名な投資法なので勉強のため一応知っておいた方がよいと思い紹介しますが、この手法を推奨する訳ではありません。
他サイト等の説明がわかりにくいためか、上がっても下がっても儲かる夢のような方法と誤解されたり、デメリットがよく理解されていないケースが多いように思います。)

★くるくるワイドのメリット。
●売りトラリピの範囲内なら決済利益が得られる。(売りトラリピの長所)
普通のトラリピと同じです。(トラリピはスプレッド・手数料が非常に高いのでお薦めできません)
なお、売りトラリピの決済利益は同じレートで買いトラリピする場合と同じです。(売り、買い同じレートで約定するため。含み損は当然異なる)

●上昇時の含み損が相殺される。利益が出ることも。(売りトラリピの短所+買いポジションの長所)
売りトラリピと買いポジションを持っているため、上昇時の売りトラリピの含み損が相殺できます。

難しく考える人が多いですが、単純なことで、
 買いポジションの利益>売りトラリピの含み損
であれば上昇時に含み損が全て相殺され、トータルで利益が出るという当たり前のことです。

相殺される額(買いポジションの利益)は買いポジションのレートが低いほど・買いポジション数が大きいほど大きくなります。

(レンジを上抜けした時にポジションを全部決済する戦略もあるようです。レンジ上限が「出口」と呼ばれることも)

●上昇後に元のレートで取引を止めた場合に含み損が出ない。(売りトラリピの長所)
買いトラリピだけの場合、上昇後に下落して元のレートで取引を終えようとすると、高値で掴んだポジションの含み損が残りますが(下図)、くるくるワイドで同じ値動きの場合は売りトラリピ、買いポジション共に含み損は発生しません。
 
要は、売りトラリピだけの場合と同じということです。(買いポジションの決済利益はゼロなので)
 
くるくるワイド。上昇後元のレートに戻る場合

●スワップがプラスになりやすい。(売りトラリピの短所+買いポジションの長所)
買いポジション数が売りポジション数より多い状況では、買いポジションのスワップにより、売りトラリピのマイナススワップを相殺するため、スワップがトータルでプラスになりやすいです。


★くるくるワイドのデメリット。
●買いポジションが損失を生む可能性。買いだけで儲けるのと同じ難易度。(買いポジションの短所)
売りトラリピだけなら下落時に損失が膨らむことはありませんが、買いポジションがあるためその含み損が膨らむことになります。買いポジションの長所(上昇時の利益&買いスワップ)の代わりに発生するデメリットです。

上昇時に含み損を発生させたくないなら売りトラリピではなく買いトラリピだけ(両建てしない。)にすればよいだけの話なので、敢えてくるくるワイドのように両建てすべきかは疑問です。

買いポジションを取った後そのレート以下に下落してしまい、売りトラリピで稼げない場合(よくあることです。)は、買いトラリピでいきなり最大ポジション数となり下落するのと同じ状況なので(決済利益は得られず損失額が膨らんでいく。)、どれほど悲惨な状況なのかが理解できると思います。

売りトラリピのレートを下げる(買いポジションより下にも売りトラリピを仕掛ける)ことで買いポジションの下落時損失を減らすという戦略もあるようですが、買いポジションの方が大きいため(売りトラリピは値幅毎に決済されるため下落時にポジション数が増えない)、損失をほとんど相殺することはできず、有用な方法ではありません。

また、買いポジションより下に売りトラリピを作るようになると、上昇しても売りトラリピの含み損を相殺しきれなくなる可能性があります。(上昇しても買いポジションの含み損を減らすだけで、売りトラリピの損失を相殺する余裕がなくなる)

結局、本質的には買いだけで儲けるのと同じ難易度であり、レンジ下限に買いポジションを取ることができれば理想的ですが現実には非常に難しいため、くるくるワイドがうまく機能する場面はほとんどありません。

●買いトラリピだけの場合と売りトラリピ決済利益は同じ。(売りトラリピの長所(利益)+短所(含み損))
同じレートで買いトラリピと売りトラリピを仕掛ける場合、その決済回数も等しくなることから、くるくるワイドの売りトラリピと、買いトラリピだけの場合とでは、同じ決済回数・決済利益となります。(スワップは除く)

含み損は異なりますが、含み損はどのレートで取引を止めるかに大きく関係するので、結局、
  • 上昇後に元のレートに戻った時に止める場合はくるくるワイドの方が含み損は少ないですが、
  • 高値付近で止める場合は買いトラリピだけの方が含み損が少なくて済む
ということであり、どちらがよいかは終わり方次第です。

高値付近でくるくるワイドを停止する場合、買いポジションが大きければ売りトラリピの含み損が相殺され利益を出せますが、その額は買いポジション数次第であり、大きくすれば下落時損失が増えるというデメリットもあるため、単に買いポジションで儲ける場合と同様の難しさがあります。

●マイナススワップとなる可能性。(売りトラリピの短所)
売りポジション数より買いポジション数が多い場合はスワップはプラスになりやすいですが、多くのFX業者では売りスワップの方が大きいため、マイナスになる場合があります。
(例外は 外為ジャパン で、ここは買い、売りスワップが同額でスプレッドもドル円0.3pipと小さいので両建てに向いています。)

買い、売りのポジション数が同じなら両建てするとマイナスになります。
売りスワップが小さい業者と買いスワップが大きい業者で両建てするという方法もありますが、資金管理が面倒になります。

ですので、スワップからみても、買いトラリピだけの方が有利な場合が多いです。

マイナススワップを相殺するための手段として買いポジションを持つことはリスク(下落時損失)の割にリターン(スワップ利益)が小さく、こうするのがベストでないことは明らかです。
スワップ損益は、決済損益や下落時損失に比べると小さいので通常はそれほど重要ではありません。

●上昇時にも利益が得られない可能性。(売りトラリピの短所)
売りトラリピより下に同数の買いポジションを持っていれば、レンジ上限(売りトラリピが最大ポジション数になったとき)の含み損を買いポジションの利益で全て相殺できますが、買いポジションのレートが高いと損失が相殺できないまま残ります。
 
ですので、売りトラリピを仕掛けるレンジ下限付近に買いポジションを取る必要があり、現実には難しいです。

また、買いポジション数を売りトラリピより大きくすれば上昇時に利益を得やすいですが、下落時損失が増えてしまうので、結局買いで儲ける時と同様の難しさがあります。
買いポジション数を減らすと下落時損失を減らすことはできますが、上昇時の売りトラリピ損失を相殺しきれなくなります。

★★★
 
●ここまでのまとめ。
簡単にまとめると、 
  • 売りトラリピで利益を上げつつ、
  • 上昇時に売りトラリピの損失が膨らむのを抑え、
  • マイナススワップになりにくい、
というメリットがあるが、 
  • 下落時損失がトラリピより早く膨らむ(なので買いトラリピだけの方がまだマシ)、
  • 買いポジションのレートや取引数量によって買いポジションの損益が変わるため、買いで儲けるときと同じ難しさがある(なので裁量トレードと同じ難易度)、
というデメリットがある、ということです。

くるくるワイドの本質は、「買いポジションの含み益」の範囲内に「売りトラリピの含み損」が収まるようにしただけとも言えます。(買いポジションだけで稼ぐ場合の利益がゼロにならない範囲で売りトラリピを仕掛けているだけ)

くるくるワイドが有効に機能する場面は、買いポジションを持った後に上昇する場合だけ(上昇後に元のレートまで下落する場合も含む)であり、両建てヘッジと同様に、本質的には買いポジションだけで儲けるのと同じ難しさがあります。
  • 買いポジションを持った後に上昇する場合は(下落リスクも考えれば)買いトラリピだけの方がマシですし、
  • 上昇後に元のレートまで下落する場合は(下落リスクも考えれば)売りトラリピだけの方がマシ
ということですので、多くの人が下落リスク(下落して買いポジションの損失が増えること)を軽視している(気づいていない)ように思います。
 
★★★

●ループイフダンでくるくるワイドする方法。
売りトラリピの代わりに売りループイフダンを使えばよいだけです。
そして、買いポジションと、売りループイフダンを両建てします。

くるくるワイド同様に、売りと買いの最大ポジション数を同数にしたり、買いポジションより高値側に売りループイフダンを仕掛けるようにしてもよいです。
 
例:ドル円買い5万と、売りループイフダンS50(1万通貨、最大ポジション数5)を同時稼働させる。

買いポジションはループイフダンのシステムから通常注文(ループイフダンではない普通のFXの注文)を発注できるので、それを使うのが簡単です。スプレッドを考慮して他社(お薦めは下記関連記事参照)を利用する方法もあります。

★ループイフダンでくるくるワイドのメリット・デメリット。
トラリピの場合と同様のメリット・デメリットがありますが、ループイフダン固有の特徴もあるため紹介します。

●スプレッド・手数料コスト、スワップの分だけ利益が大きくなる。
ループイフダンはトラリピより低コストなので、トラリピでくるくるワイドするより利益が大きくなります(こちら(バックテスト比較)で検証したように11~78%もの利益差があります)。
また、売りスワップもループイフダンの方が小さいため、ループイフダンの方が利益が大きくなります。

●安値更新時にも売りポジションを取る。
買いポジションより安値に下落した場合にポジションを持ちたくないと思っても、ループイフダンの仕様から、安値更新時にもポジションを取ります。
そのため、自分の決めたレートより下になった場合は手動でループイフダンを停止する必要があり面倒です。

★★★

メディア等が偏った情報を出し誤解されるケースが後を立たないので念のため書いておきます。
 
くるくるワイドはトラリピを使うことが前提となっているため、
  • くるくるワイドを使えば儲けられる = トラリピを使えば儲けられる、
というトラリピ(マネースクエア)にとって都合のよい誤解を与えられることになります。
そのためトラリピにとってはよい広告材料になります。

トラリピは業界において、たくさん広告を出す金払いのいいスポンサーとして有名です。
そのため、雑誌等のメディアはトラリピに媚びる姿勢が目立ちます。

トラリピ自体の広告を出しても手前味噌になり信用されない恐れがあるため、一般の人がトラリピで儲けていることを強調し、誰でも儲けられると錯覚させようという戦略です。
 
つまり、くるくるワイドは単なるトラリピの広告塔だということです。
優れた手法だからメディアで紹介されている訳ではないのです。

(日経新聞やテレビ東京(WBS等)などでもよくある話ですが、こんな商品や技術が注目されています等と、さも最新のニュースを紹介するかのようの色々なことが紹介されますが、その多くは単なる広告でありスポンサーから金を貰って紹介しているだけです。気付いていない人が多いようなのではっきりと書いておきます。なお、トラリピは日経新聞やテレビ東京のスポンサーです。)

数多くいるトラリピユーザーの中でなぜくるくるワイドの考案者が取り上げられるかと言うと、彼は1億稼いだとか、安定して毎年200%超えの運用ができる等と自称しており(真偽不明)、そうした(うさん臭い)大きな数字を金融業界が好むためです。

また、トラリピのデメリットとして下落時損失が大きいというものがありますが
(本当は手数料・スプレッドも非常に大きなデメリットなのですが、スポンサーに都合の悪いことは書かないというのがメディアの慣例なので伏せられています。)、
これを回避する方法として初心者でも出来る簡単な方法(両建てするだけ)だと信じこませやすいから、よく紹介されているだけです。

くるくるワイドのメリット・デメリットがわかりにくいこともポイントのようです。
上記したように、シンプルに考えれば全然難しいことではないのですが、その長所短所をきちんとまとめているのは私のブログ位です。

考案者のマネをしようとくるくるワイドを実践・紹介している人も多いのですが、ほとんどがそのデメリットをよく理解していません。
そのため、儲かると思ってやってみたけど全然儲からないという結果に終わっている人がほとんどです

私のように厳密に検証すればわかる話なのですが、その力がない初心者がよく騙されているようです。
手数料・スプレッドが以上に大きい時点でトラリピはあり得ないとわかるのが普通ですが、それすら気づかずトラリピに手を出すような合理的思考の出来ない人向けのうさん臭い広告というのがくるくるワイドの正体です。
とある関係者からも裏を取っているので間違いないと思います。

考案者のブログがわかりにくいのも話を複雑にしています。
高度な理論だから難しいのではなく、単に説明が下手過ぎて誰も理解できないだけなのですが、読者は「自分が悪いから理解できない」とか、「自分には理解できないけど凄いものなんだろう」等と勝手に思い込んでしまうケースが多いようです。

東大卒の名にかけて断言しますが、くるくるワイドは優れた投資法ではありません。
くるくるワイドの正体は上記だけなので下落時に損失が膨らむという欠点のある投資法です。

それをカバーするために裁量トレード(複利、ピンポン、先消し、仮想建値という独自の用語が使われています。)を加えることも事実上必須なのですが、肝心の裁量トレード自体は本人次第となっているため、結局それが出来ずに失敗することが確定しているお粗末な投資法です。

裁量トレードで自在に勝てるならわざわざくるくるワイドをやる意味もないのですが、そうした論理矛盾にも考案者本人は気付いていないようです。(くるくるワイドに限らず、投資情報ではこういう中途半端なものが多いです。騙されないよう自分の頭で考えるクセをつけなければなりません。)

(念のため書いておくと、自分の考えた手法について、メディアから紹介したいと言われたら素直に応じるのは理解できますし、彼の文章や論理があまりに拙いことから論理的思考力の高くない人だと推測でき、彼自身、くるくるワイドのデメリットに気付いていない可能性があるため、考案者を批難するつもりはありません。考案者はトラリピ等に持ち上げられているだけだと考えています。ただし、デメリットを隠しつつ儲かるという誤解を過度に与えるような現在のメディア等の態度は批難されるべきものと思います。)
★★★
なお、くるくるワイドを勧めるつもりは全くありませんが、実践・紹介している人等を批難する意図はありません。気を悪くした方がいたら申し訳ありません。
上記の長所短所を本当によく理解した上でやるならよいと思います。
合理的に考えればほとんどの場合でデメリットの方が大きいとわかるはずです。

●くるくるワイドにお薦めのFX業者。
くるくるワイドをする場合、買いポジションは裁量トレードでする必要があり、その分のトレードはなるべく低スプレッドのFX業者を使うのが手っ取り早く利益を増やす方法です。

特にお薦めなのは裁量トレードにお勧めの低スプレッドFX業者という記事でまとめているので参照して下さい。
(更新履歴:2015年4月10日投稿、2018年12月27日更新)