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カテゴリ: iサイクル2取引、トラッキングトレード等

サイクル2取引という新機能が外為オンラインからリリースされます。

サイクル2取引とは何か

基本的機能は従来のサイクル注文と変わっておらず、一定の値幅で新規注文と決済注文を繰り返すシステムです。
ループイフダンと同様に、レンジ相場で簡単に大きな利益を上げることができます。

従来のサイクル注文からの主な変更点は以下の2点です。

新規注文がイフダン注文ではなくなった

「サイクル2取引は指値注文によるトリガー型の約定処理でなく、アルゴリズムによりダイナミクスに約定処理される」と説明されており、要するに新規注文が指値ではなく、指定レートになったのを確認して成行で発注する仕様に変わるようです。

決済注文は以前と同様に指値注文が適用されます。

12月18日(月)の正式リリース後に詳細な仕様を確認しましたが、2016年のバージョンアップ前のアイネット証券ループイフダンのような仕様で滑りをさらに小さくしたイメージです。
有利に滑ることはありましたが、不利に滑ることはほとんどなく、利用者にとっては指値より利益が大きいと思います。 

取引証拠金が少なくて済む

従来のサイクル注文はシステムを稼働させた時点で全ての注文の分だけ(最大ポジション数の分だけ)取引証拠金が必要でした。

サイクル2取引なら指値注文ではなくなったお陰で、取引証拠金は新規注文が発注されるごとに計算されるようになり、最大ポジション数になるまでの間は資金に余裕ができ、資金効率が上がります。

サイクル2取引

なお、最大ポジション数になった時には(従来と同様に)ポジション数の分だけ取引証拠金が必要になるので、長期放置型の戦略で運用する場合は注意が必要です。

ポジション数が増え、取引証拠金不足となった場合はサイクル2取引が停止し、新規注文が発注されなくなります。その場合、既に発注されている決済注文はそのまま残りますが、これは従来のサイクル注文を停止した時と同じです。

従来のサイクル注文、iサイクル注文はどうなるか

従来のサイクル注文はサービス停止となりますが、設定やポジション等を維持したままサイクル2取引に自動で移行されるため、特に利用者に不便はありません。
取引証拠金に余裕が出るので、その分で新たにサイクル2取引を始めるのもよいと思います。

iサイクル注文は今まで通り利用でき、特に仕様変更などはないようです。→2019年2月18日に仕様変更がありiサイクル2取引になりました。指値から成行に変更、証拠金減額など、利用者にとっては実質的な変更はありません。


サイクル2取引のメリット

従来のサイクル注文のメリット、デメリットはそのままなので、変更点のみ紹介します。

取引証拠金が少なくなる

上記の通りなので省略。

滑りで利益が増える可能性

指値注文ではなくなるので、指定レートになったところでシステムが新規注文を成行(クイックトレード)で発注することになり、発注から約定までの間にレートが変わり指定レートとはやや異なるレートで約定される可能性があります。

バージョンアップ前のループイフダンもそのような仕様となっており、稀に不利なレートで約定することもありましたが、多くの場合で有利なレートで約定しており、平均すれば有利なレートで約定していました。
そのため、サイクル2取引も従来のサイクル注文より利益が増える可能性があります。

リリース後に実際に検証してみた感じでもやはり利益が大きくなっています。

理屈上は指値と同様に、指定レートで約定させるシステムにすることも出来るので、そうなると思っていましたが、予想以上によいものになっています。
滑りがほぼ出ないし、出たとしても有利に(利益が大きくなるように)滑ることが多いので、以前より明らかに改善されました。

特許侵害リスクが減った

サイクル2取引には、恐らくマネースクウェア・ジャパン(マネースクエア)との訴訟を意識して開発したと思われる仕様も随所に見られます。
トラリピやその特許との違いがいっそう明確になっているので、特許侵害によりサイクル注文(サイクル2取引)が停止されるリスクは減ったと思います。

ちなみに、サイクル2取引も特許出願済です(特願2017-220225)。

サイクル2取引のデメリット

滑りで利益が減る可能性

上記の逆で、滑りが不利に働く可能性も一応あるので紹介しておきます。
ですが、実際に検証した結果では、ほぼ指定レート通りに約定し、有利に滑ることはあっても不利に滑るのはほとんどないので、問題ないと思います。

ループイフダンの方が利益が大きい

取引証拠金が減ったというのは魅力ですが、手数料やスプレッド、スワップを考えるとやはりループイフダンの方が有利です。(下表)

損益を左右する最も重要な要素はスプレッドと手数料というコストであり、ループイフダンの方が低コストなので利益が大きくなります。

通貨ペアが多いというメリットはあるので、NZドル円等のようにループイフダンにない通貨ペアで取引するならサイクル2取引がよいと思います。

サイクル2取引、ループイフダン、トラリピのスプレッド比較

iサイクル注文、ループイフダン、トラリピ比較スプレッド
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(更新履歴:2017年12月7日投稿。2019年2月18日最終更新)

外為オンラインのサイクル2取引「ワイド方式」を紹介します。


1. サイクル2取引新機能「ワイド方式」とは?

6月26日に追加されるサイクル2取引の新機能で次の特徴があります。
  • 「中心レート」を指定し、その上には「売」サイクル2取引、下には「買」サイクル2取引を発注する。
  • 従来のサイクル2取引の改良版であり、新規&決済を自動で繰り返す。
  • 「リスク軽減値」機能により損失を軽減できる(下記)
  • 特許出願中(特願2016-196860、2016-196861)
↓ワイド方式のイメージ図
サイクル2取引ワイド方式

簡単に言えば、買いと売りを同時発注できるようになったということです。

「リスク軽減値」とは?

従来のサイクル2取引ではポジション間隔(注文レートの差。利食い幅)は一定の間隔でしたが、リスク軽減値を設定するとそのポジション間隔が指定した値づつ徐々に大きくなっていきます。

例えば、従来は決まった数字(例えば100pips)の間隔でポジションを取る仕様でしたが、リスク軽減値を3pipsにするとポジションの間隔が100、103、106pipsという具合に中心レートから離れるほど大きくなっていきます。

そのため、ポジション数が小さくなり含み損も小さくなるメリットがある一方、その分だけ決済回数が減るため決済利益も小さくなるというデメリットがあります。

2. ワイド方式のメリット

サイクル2取引自体のメリット・デメリットに加え、以下があります。

買いだけの場合より下落時の損失が小さい

最大のメリットは、想定レンジに買い注文だけを配置する場合に比べると、下落時の損失が小さくなることです。

その理由は、レンジ上半分には買い注文がないため、レンジ上限の買いポジションを持ったまま下落して含み損が増えるという状況にならないからです。

その代わり、レンジを上抜けした時に売りポジションの損失が増えるというデメリットにもなっているため注意が必要です。

発注が簡単

買い、売りのサイクル2取引をそれぞれ発注するだけなので、ぶっちゃけた話、以前のサイクル2取引で同じ設定を作ることもできるのですが、それよりは手間が省けます。

注文手順も簡単で、ポジション方向の欄で「売買両方(ワイド方式)」を選択するだけです。

なお、あまり知られていないので念のため紹介しておきますが、2017年3月20日のバージョンアップにより複数のサイクル2取引が同時稼働できるようになっています。(iサイクル2取引も同様)
もちろん、ワイド方式を複数発注することも可能です。

売りサイクル2取引で利益を上げられる

買いサイクル2取引だけでなく売りサイクル2取引も自動で発注されるため、それによっても利益を上げられます。

買い、売りのレート・ポジション数を変更できる。

各レートを修正可能です。隣り合う決済・新規レートが等しくなるよう自動調整される仕様なので、変更制限のない最高値の新規売り注文レート(または、最安値の新規買い注文レート)から修正していく必要があります。

下図はサイクル2取引のレートを修正した場合。売りポジションの間隔(利食い幅)を48円、1円に。
サイクル2取引レート修正

注文画面の左側のチェックボックスをオフにすれば、その注文が発注がされなくなるためポジション数を減らすこともできます。
この場合、オフにした注文の隣の注文レートが自動修正され、隣り合う注文の利食い(決済)レートと新規指定レートが同じになります。

より細かくレートやポジション数を指定したい場合は複数のサイクル2取引を手動で発注すれば実現できます。

決済利益は買いでも売りでも同じ

サイクル2取引では注文レートをまたぐ毎に利益を得られますが、これは発注レートが同じならば買い注文でも売り注文でも同じ決済利益となります。

(例えば、100から101円を行き来する場合、買いサイクル2取引なら100円で新規買い、101円で決済売りを繰り返し、売りサイクル2取引なら101円で新規売り、100円で決済買いを繰り返すため、その決済回数(決済利益)はどちらも同じです。)

そのため、損益の違いはスワップと、レンジを外れた時の含み損だけです。

買いと売りの両方が発注されるから利益が増えると安易に考えているならそれは間違いです。
無論、含み損の差からシステム停止時のトータル利益が増えることもありますが、停止するタイミングまでよく考えた上でシステムを稼働させるべきです。

サイクル2取引において最も重要なのは含み損(リスク管理)にあることをよく理解して下さい。iサイクル2取引やループイフダン、トラリピも同様です。

長期で見れば予想レンジから外れる確率が極めて高いため、上に抜けるか下に抜けるかを考える必要があります。
いずれ上に抜けると考えるならば、売りポジションの含み損が増えるリスクがあるため、買いだけのポジションを持った方がよいです。

システム停止のタイミングについては以下の記事を参照して下さい。
ループイフダンに関する記事ですが、サイクル2取引やiサイクル2取引にもそのまま利用できます。

ループイフダン停止の理想的なタイミング

3. ワイド方式のデメリット

中心レート付近が弱い

指定した中心レートの上下に注文を配置する仕様なので、指定レート付近には注文がない状態(空白地帯)になります。

例えば、100円付近に100pips間隔で注文した場合は、103,102,101円に売り注文、99,98,97円に買い注文となり、99から101円の200pipsの間には注文されません。
ここでの動きを利益化できないのはやや痛いです。

買いだけ、売りだけの方が有利な場合も

買いだけ、もしくは売りだけを発注するのがやや面倒です。
上記した通り、手動で調整すれば買い、売りのポジション数やレートを変更できるため、売りポジションを一つだけにして、まず約定されない位に新規レートを大きくすれば実質的に売りポジションを持たないようにすることも出来ますが、少し手間がかかります。

買いだけにしたいなら通常のサイクル2取引を使えばいいというのは確かですが、「リスク軽減値」機能を使いつつ買いだけの注文を簡単に発注できればもっとよかったと思います。

マイナススワップのサイクル2取引(ドル円の売りサイクル2取引など)を長期放置させるとバカにできないロスとなるので注意して下さい。
また、レンジを上抜けすると売りポジションの損失が膨らむというデメリットもあるため、(特に円がらみの通貨ペアでは)買いポジションだけの方がよい場合も多いです。

買いと売りの設定が同じ

デフォルトでは買いと売りの注文間隔が同じになるため、売りの注文間隔だけを広くするといった使い方が出来ません。

買いと売りで設定を変えるといった戦略は以下の記事で詳しく紹介しているので、これを参考にポジション数やレートを変更した方がよいと思います。

ループイフダンのレンジ内の位置ごとの最適戦略

両建てループイフダン長所短所まとめ

利益予想が困難

上記の通り中心レート付近の値動きを利益化できないことや、「リスク軽減値」利用時だと注文レートがやや複雑なこと、中心レートにより決済利益が変わること等からバックテストの再現性も低く将来の利益予想は難しいです。

ループイフダンの方が利益が大きい

機能面での改善は評価できますが、手数料やスプレッド、スワップを考えるとやはりループイフダンの方が有利です。(下表)

損益を左右する最も重要な要素はスプレッドと手数料というコストであり、ループイフダンの方が低コストなので利益が大きくなります。

通貨ペアが多いというメリットはあるので、NZドル円のようにループイフダンにない通貨ペアで取引するならサイクル2取引がよいと思います。

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↑スプレッドと手数料の合計で比較。カッコ内はスプレッドのみの値。ループイフダンは手数料無料。1000通貨で比較。

結論

デメリットも色々書きましたが、リスク軽減値という機能は便利ですし、発注を簡単にしたい方やループイフダンにない通貨を利用したい場合は試してみるといいと思います。

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関連記事

2017年12月21日記事更新(サービス変更に伴いサイクル注文をサイクル2取引に変更)
2019年2月18日記事更新(サービス変更に伴いiサイクル注文をiサイクル2取引に変更)

iサイクル2取引の新機能「トレンド」を紹介し、そのメリット、デメリット等を検証します。結論から言うとテクニカル次第なので勝てません。


iサイクル2取引新機能「トレンド」とは?

トレンドが上昇か下降かをシステムが判断し、自動で買い・売りを切り替えつつiサイクル2取引を継続する機能です。

従来のiサイクルでは自分でトレンドを判断して「買い」か「売り」を選択する必要がありましたが、今後は第3の選択肢「トレンド」機能を利用することにより、
 ①最初からシステムが自動でトレンドを判定して買い・売りを選択し、
 ②稼働後もリアルタイムでレートを監視しトレンドが変わったと判断した時に自動で買い・売りの切り替えをしてくれます。

iサイクル2取引「トレンド」のイメージ図
①最初に稼働させる時(取引開始時) ↓
iサイクル2取引トレンド機能。取引開始時①

②取引開始後のトレンド転換時 ↓
iサイクル2取引トレンド転換時②

トレンドの判断はローソク足のテクニカル分析で行われます。
ループイフダンやトラリピ等の他社にはない新しい機能なのは確かです。
2017年3月20日(月)にリリースされました。

イメージとしては「iサイクル2取引」と「テクニカルによる自動トレンド判定(自動売買)」を組み合わせたもので、今までの買いまたは売りを完全放置するiサイクル2取引よりもアクティブな運用をすることになります。

以下で詳しく解説しますが、ポイントは「テクニカルによる自動トレンド判定」と、「トレンド転換時の挙動」であり、かなりの確率で負けるシステムだと思います。

「トレンド」機能のメリット

テクニカルが当たる時なら「トレンド」が有効

テクニカルでトレンドが綺麗に判定できる相場では、自分でiサイクル2取引を調整するより強いと思います。
特に下落相場で買いのiサイクル2取引が損切りされ続ける状況よりは、自動で売りに転換してくれる方が利益は大きくなります。

自分で停止のタイミングを見極められない人や、最大ポジション数等の決め方がいい加減な人にとっては、「トレンド」機能に任せた方がいい場合もあるかもしれません。

相場の方向性や、買・売の判断不要

相場の方向性(トレンド)などは自分で考えるというのが投資の大原則なのですが、「トレンド」機能を使えば一応それを省略できます。
シストレ(テクニカルによる自動売買)等によく使われる宣伝文句です。

【注意】トレンド機能の説明のため無理やり書いているだけで、個人的にはメリットというのも嫌な位ですし、これを勧めるつもりはありません。むしろこうした詐欺的な宣伝文句は大嫌いですし、こんないい加減な姿勢では勝てないことを後述します。

使い方は簡単

今までのiサイクル2取引の使い方とほぼ同じで、「買い」、「売り」を選択する代わりに「トレンド」を選択するだけです。
 
「ランキング方式」はポジション方向で「トレンド」を選択(下図のオレンジ)するだけです。

【注意】 ランキング方式では、トレンドの自動切り替えによる損切りは「損切り回数(下表)」としてカウントされていないようです。トレンド切替がないまま損切りされた回数のみがカウントされています。
iサイクル2取引「トレンド」ランキング方式

「ボラティリティ方式(自分で想定変動幅などを入力する方式)」の場合はさらにテクニカルやローソク足(足種)を以下の候補から選択できます。(下図)
  • テクニカル(移動平均線、MACD)
  • ローソク足(移動平均線では4時間足、12時間足、日足、週足、月足。MACDでは1時間足、12時間足、日足、週足、月足)
iサイクル2取引「トレンド」ボラティリティ方式

「マトリクス方式」は「注文間隔(値幅)」と「想定変動幅(想定レンジ幅)」からなる損益表から選択する方法であり、こちらで「トレンド」機能を利用する場合はトレンド種別と足種(下図赤枠)を選択します。(6月26日リリース)
iサイクル2取引マトリクス方式

「トレンド」機能のデメリット

損切り連発で負け越しに

トレンド転換時の挙動が厄介です。
「トレンド」機能ではトレンド転換時にそのiサイクル2取引が持つポジションを全て成行で決済(損切り)し、約定していない注文は全てキャンセルされます。
 
残った注文がキャンセルされるのは全く問題ないのですが、損切りは特に厄介であり、その損失を取り戻すのが難しいです。

例えば、買いのiサイクル2取引で始まった場合、天井からある程度下落した時にトレンドが転換したと判定されるため、トレンド転換時には必ず含み損のポジションを損切りすることになります。

その後、長期下落相場になるのであれば損切り分の損失を取り戻せますが、1年の8割はレンジと言われる通り、実際には多くの場合レンジ相場となり、ある程度下落したらまた反発してしまいます。

そのため、結局損切りを繰り返しトータルの損益もずっとマイナスという状況に陥りやすいです。

損切りすることなくレンジ相場を細かく利益化するのがiサイクル2取引やループイフダン等の連続売買の最も効率的な使い方なのに、トレンド判定による自動切り替えを無理やり組み込んだら、レンジ内で損切りを繰り返す極悪なシステムに成り下がります。

トレンド判定による買い・売りの自動切り替えは、いわゆるシストレ(テクニカル分析に基づく自動売買)ではよく行われているものですが、そのようなポジションが一つの単純なシストレでも勝てないのに、それよりポジション数や含み損などのリスク管理が難しいiサイクル2取引で勝つのはさらに困難です。

もし本当に「トレンド」機能を一度設定するだけで勝ち続けられるなら夢のようですが、いつも言っているように「投資に必勝法はありません」。
現状で公開されているシステムの仕様から考えれば、「トレンド」機能で勝てる可能性は限りなく低いと思います。

このようなシステムを開発する際、普通ならある程度はバックテストを行うはずなのですが、外為オンラインはそれをやっていないか、後回しにしているのかもしれません。

トレンド転換時に同じ設定で継続

買・売の自動切替では、取引数量や最大ポジション数などが取引開始時と同じ設定にされます。
 
取引数量や最大ポジション数は相場の方向性やファンダメンタルズ、現在レート等をよく見て決めるべき重要な項目であり、取引開始時と同じ設定にするのが妥当だとは到底思えません。

従来のiサイクル2取引と同じ感覚で取引数量等の決めてしまうと、予想以上に損失が拡大する可能性があります。

適切な取引数量、最大ポジが不明

「トレンド」機能に合わせた取引数量等の決め方は、「テクニカルによる自動トレンド判定」に合わせて決める必要がありますが、これはバックテスト等に基づくいい加減な手法がしかないのが実情です。

しかも、いわゆるシストレ(テクニカルによる自動売買)と同様に、その仕様が公開されていないため自分でバックテストするのは不可能ですし、業者の提供する都合のいいところだけを切り取った情報を信じるしかなくなります。

これでは取引数量や最大ポジション数をいくつにすればいいかわからず、シストレを勧めるうさん臭い業者やアナリスト等の言うとおりに設定して結局損をするのと同様に、悲惨な結果になるのが目に見えています。

テクニカルによる自動売買は業者必勝、顧客必敗

断言しますが、テクニカルによる自動売買や自動トレンド判定は業者必勝、顧客必敗の詐欺的なシステムです。
以下の記事で詳しく解説しているので未読の方は必ず参照して下さい。

テクニカル・シストレのデメリット。テクニカルで最も重要なこと

まだリリースされていない機能なので今後実物を詳しく検証した上でその評価を続けていきますが、上記記事に書いた通り、「トレンド」機能は「テクニカルベースの自動売買は絶対やってはいけない。業者必勝、顧客必敗」に該当する可能性が高く、過剰な期待をすべきではありません。

あまり否定的なことばかり書くのは気が引けるのですが、利益を最大化すべく利用者目線で正直に考えれば、やはり「トレンド」機能は使わない方がよいと思います。

●その他の注意点。
「トレンド」機能は利用できる口座数が制限され、選択した注文設定が登録できない場合があります。
また、店頭取引におけるiサイクル2取引でのみ利用でき、くりっく365では使えません。

今まで通り、買いまたは売りだけのiサイクル2取引は当然に利用できます。

複数のiサイクル2取引同時稼働OKに

「トレンド」機能とは無関係な話ですが、同日に発表されたいいニュースも紹介します。

今まではiサイクル2取引には同じ通貨では買い・売りそれぞれ一つづつしか稼働できないというデメリットがありましたが、2017年3月20日(月)の「トレンド」機能リリースと同時に、複数のiサイクル2取引が同時稼働できるようになります。

これにより、例えばドル円値幅15pips買いのiサイクル2取引を2つ以上同時に稼働させることができますし、もちろん値幅や取引数量、最大ポジション数などを変えたiサイクル2取引も同時稼働できます。

さらに、iサイクル2取引だけでなく「サイクル2取引(追従機能なしのiサイクル2取引)」も複数同時稼働できるようになっています。(公式発表はないですが動作確認済み)


iサイクル2取引「トレンド」の特許

特許出願中とは公表していませんが、iサイクル2取引では特許を出願していたのでこの機能にも特許出願している可能性があります。
トラリピのマネースクウェア・ジャパン(マネースクエアに名称変更)との特許侵害訴訟の第1審では外為オンラインが勝訴しています。

訴訟経過は以下の記事を参照して下さい。

トラリピ・iサイクル注文(iサイクル2取引)の特許侵害訴訟を解説【トラリピ敗訴→控訴審で一部差し止め】 

特許侵害訴訟でマネースクウェア・ジャパンに勝ち、勢いづいているのは結構なことですし、私としても外為オンラインを応援したいと思っていますが、「トレンド」機能のような余計なシステム開発に投資する位なら手数料を無料化して欲しいと思います。

ループイフダンの方が有利

「トレンド」機能はともかく、複数同時稼働できるようになったのは大きな改善であり、ループイフダンと比べても機能面での違いもほとんどなくなり、iサイクル2取引が大幅に使いやすくなったのは確かです。

しかし、手数料やスプレッド、スワップを考えるとやはりループイフダンの方が有利です。(下表)

通貨ペアが多いというメリットはあるので、NZドル円のようにループイフダンにない通貨ペアで取引するならiサイクル2取引がよいと思います。

iサイクル2取引、ループイフダン、トラリピ比較スプレッド
↑スプレッドと手数料の合計で比較。カッコ内はスプレッドのみの値。1000通貨で比較。

iサイクル2取引、ループイフダン、トラリピ比較スワップ
↑ 買スワップ/売スワップのように表示。1万通貨あたり。2017年2月27日時点

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 (更新履歴:2017年3月1日投稿、2017年12月21日更新、サービス変更に伴いサイクル注文をサイクル2取引に変更。2019年2月18日更新、サービス変更に伴いiサイクル注文をiサイクル2取引に変更。)

iサイクル注文、サイクル注文の外為オンラインがトラリピのマネースクウェア・ジャパン(マネースクエアに商号変更)に特許侵害差止請求訴訟を起こされました。その経過、最新情報、今後について解説します。(更新履歴:2015年2月5日投稿、2020年7月13日更新)

●訴訟経過まとめ。
以下の(A)から(C)の3つの訴訟が公表されており、(C)は控訴審で外為オンライン敗訴後に損害賠償訴訟(記事更新日の時点)。(目次以下で詳細に説明)

(A)トラリピ一部勝訴で終結(iサイクル注文は特許侵害なし、サイクル注文は特許侵害とされたが仕様変更して存続しており、利用者への影響なし)。
(B)外為オンライン勝訴で終結(一審、二審ともに特許侵害なし)
(C)トラリピ勝訴→控訴。2019年2月18日にiサイクル注文はiサイクル2取引へ仕様変更→2019年10月8日に控訴が棄却され外為オンライン敗訴→2020年7月9日損害賠償請求

目次

マネースクウェア・ジャパンと外為オンラインの訴訟経過

時系列で状況説明します。

(A)2015年2月19日。特許侵害訴訟の提起

マネースクウェア・ジャパン(マネースクエアHD)は、外為オンラインの「サイクル注文」及び「iサイクル注文」がマネースクエアHD保有の①特許第5525082号、②特許第5650776号を侵害することを理由として、サービスの提供差止めを求める訴えを提起しました。(事件番号:平成27年(ワ)第4461号)
 
2015年2月25日。外為オンラインに問い合わせてみたところ、以下の回答でした。
  • 訴状が届いていないのでコメントできない、
  • 訴状が届くには1週間程度かかるだろう、
  • 届いてから対応を決め公表する。
2015年3月11日。訴状が届いており、その内容を精査して対応を検討中とのことです。

2015年11月6日。③特許第5826909号も侵害するとして訴えを追加的に変更しました。
訴えを追加するのは訴訟戦術の一つであり、仮に他の請求が認められない場合でも追加した請求が認められれば差し止めされることになります。

2017年1月20日。マネースクウェア・ジャパン上場廃止

トラリピのマネースクウェア・ジャパンはループイフダン等の競合他社との競争激化等から厳しい事業環境が続いていました。経営陣はMBO(マネジメントバイアウト。経営陣買収)という手法により上場廃止することを選択しました。(※1)
訴訟はそのまま継続しています。

なお、マネースクウェア・ジャパンはインフィニティに買収(合併)されることを知らせる文書(※1)において、「資産運用を通してNIPPONを裕福にする。」というビジョンで再生を目指すと宣言しています。ループイフダン等の他社と比べて手数料が高いため、今後どのようにして再生するのかに注目しています。その文書においていくつかの再生案が記載されています。

確かにトラリピは人気があり、その背景等は以下の記事で詳しく解説しているので参考にして下さい。
 

(A)2017年2月10日。トラリピ敗訴

東京地方裁判所において、外為オンラインの主張が認められた判決が言い渡され、マネースクウェア・ジャパンは敗訴しました。

外為オンラインのサービス「サイクル注文」、「iサイクル注文」はいずれも①特許第5525082号、②特許第5650776号に抵触せず、③特許第5826909号(後で追加した特許)についても差止めを認めませんでした。
 

(A)2017年2月24日。トラリピ控訴

マネースクエアHDは判決を不服として知的財産高等裁判所に控訴を提起しました。

(A)2017年12月21日。知財高裁サイクル注文差し止め。iサイクル注文は継続

外為オンラインによると、控訴審である知的財産高等裁判所において、「サイクル注文」については、第一審の判決を変更し、サービス提供の差止めを認める一方、「iサイクル注文」については、第一審の判決を維持し、サービス提供の差止めを認めないとの判決が言い渡されました。

サイクル注文は既にサービスを提供していないので、利用者への影響はありません。

サイクル注文の終了後、サイクル2取引がリリースされており、これについては以下の記事を参照して下さい。

 サイクル2取引とは?外為オンライン新機能を検証

また、マネースクウェア・ジャパンは次のことも発表しています。
  • 裁判所から和解協議がなされたが、合意をするに至らずに本件判決に至った。
  • 他に、iサイクル注文の差止を求めて2件の特許権侵害訴訟が現在訴訟が進行中。
  • 外為オンラインから2件の特許権(①特許第5525082号、②特許第5650776号)に対して特許庁に無効審判が請求され、2016年12月12日に特許庁でその特許権がいずれも有効であるという審決が出た。外為オンラインは知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起したが、2017年12月21日に、その特許権がいずれも有効であるとして、外為オンラインの請求を棄却する旨の判決が出た。
参考URL
https://www.gaitameonline.com/pdf/newsrelease20171221.pdf
http://www.m2hd.co.jp/pdf/press/20171221_newsrelease.pdf

その他の訴訟等

上記の訴訟がメインですが、これと平行して次の訴訟と無効審判も起こされています。

(B)2016年6月29日。新たに特許侵害訴訟(4つ目の特許)

「iサイクル注文」が特許権(④特許第5941237号)を侵害していると主張し、その差止めを求める訴えを提起しました。(事件番号:平成28年(ワ)第21346号、東京地方裁判所)
http://www.m2hd.co.jp/pdf/press/280629_InjunctionLawsuitBasedOnPatentRights.pdf

①から③の特許では勝てない可能性も考慮して、新たな特許④を追加して訴えたということだと思います。

(B)2017年7月20日。トラリピ敗訴(4つ目の特許)

上記④特許第5941237号の侵害訴訟においてマネースクウェア・ジャパンが敗訴しました。(事件番号:平成28年(ワ)第21346号、東京地方裁判所)

外為オンラインは判決について次の通りコメントしています。

「今回の判決は、当社サービスを提供するための当社サーバの使用が特許第5941237号に抵触しないというもので、当社サーバの使用停止を認めませんでした。
当社の主張が全面的に受け入れられた形になります。」
https://www.gaitameonline.com/pdf/newsrelease20170720.pdf

マネースクエアHDは控訴を検討しているようです。http://www.m2j.co.jp/pdf/press/290720_FilingOfAppealAndLawsuit.pdf

(B)2018年10月29日。控訴審もトラリピ敗訴(知財高裁)(4つ目の特許)

東京地裁での1審に続き、知財高裁での控訴審でも外為オンラインの全面勝訴の判決が出されました。

「今回の判決において、当社の主張が裁判所によって認められ、「iサイクル注文®」の正当性は揺るがないものと考えております。」と外為オンラインはコメントしています。

https://www.gaitameonline.com/news.jsp#P575

(C)2017年7月19日。新たに特許侵害訴訟(5つ目の特許)

新たに別の特許(5つ目の特許)で訴訟を起こしたようです。特許番号等は2017年7月21日時点では開示されていません。→後に特許第6154978号だと公開されました。http://www.m2j.co.jp/pdf/press/290720_FilingOfAppealAndLawsuit.pdf

(C)2018年10月24日。外為オンライン敗訴→控訴の方針(⑤特許第6154978号、東京地裁)

5つ目の特許について、東京地裁において原告である株式会社マネースクウェアHDの請求を認める判決が言い渡されました。

外為オンラインのiサイクル注文がマネースクエアの⑤特許第6154978号を侵害するとの判断です。

外為オンラインは控訴すると表明しているので、当面iサイクル注文が差し止めされることはありませんし、仮に今後差し止めされたとしても利用者に悪影響が出ないよう仕様変更などをして対処するとのことなので、今後も問題なくiサイクル注文を利用できます。

https://www.m2j.co.jp/info/newsdetail.php?id=1437
https://www.gaitameonline.com/news.jsp#P574

(C)2019年10月8日。外為オンライン敗訴(⑤特許第6154978号、知的財産高等裁判所)
外為オンラインの控訴が棄却され、今後の対応を検討中とのこと。iサイクル注文は既にサービス終了となってiサイクル2取引に仕様変更されているため利用者に問題はない。
https://www.gaitameonline.com/news.jsp#P611

2019年10月25日 外為オンラインが上告を断念しマネースクエアの勝訴確定

(C)2020年7月9日 マネースクエア損害賠償請求訴訟提訴 (⑤特許第6154978号)

マネースクエアHDが特許権侵害に対する損害賠償請求訴訟(訴訟物価額:11億9千万円)を東京地方裁判所に提起。
https://www.m2j.co.jp/sc/web/open_info/20200709_hd01_Cl.pdf

(A)2016年2月4日。特許の無効審判請求→特許庁、知財高裁は有効との判断

外為オンラインはマネースクウェア・ジャパンの①特許5525082号、②特許5650776号が無効だと主張しましたが、特許庁は無効ではないとの審決を出しました。
知財高裁に控訴したものの2017年12月21日に特許はいずれも有効との判決が出ました。

特許庁の無効審判やその控訴審では特許①、②が無効ではないと判断されたものの、他の訴訟では特許侵害ではないとの判決が出ているため、外為オンラインの「iサイクル注文」は差し止めされない可能性があります。

審決日(平28.12.12)
控訴日(平29.1.20)  知的財産高等裁判所 第2部
出訴事件番号
 平29行ケ10024 ①特許5525082号
 平29行ケ10025 ②特許5650776号

今後も情報が入り次第、内容を更新します。

サイバー攻撃によるお客様情報の漏えいについて(2017年7月17日)

マネースクウェア・ジャパンから上記タイトルの文書が公表されており、
・2017年サイバー攻撃によって約2,500件の個人情報が漏えいした、
・2016年サイバー攻撃によって約11万件のお客様に関する情報が漏えいした
とのことです。

訴訟とは関係ありませんが、マネースクウェア・ジャパンに口座をお持ちの方は注意して下さい。
http://megalodon.jp/2017-0727-1252-35/www.m2j.co.jp/info/newsdetail.php?id=1334
http://archive.is/s3pDs http://archive.is/8TTLx

サイバー攻撃によるお客様情報の漏えいのお詫びとご報告 http://archive.is/tjU7q
お客様からお寄せいただいたご質問ならびに回答 http://archive.is/EutaH

マネースクウェア・ジャパンに業務改善命令(2017年7月28日)

顧客情報漏えいに関し、金融庁(関東財務局)はマネースクウェア・ジャパンに対し、顧客情報保護のためのセキュリティ管理態勢等に不十分な点が認められたことから、以下の行政処分を行ったとのことです。

【業務改善命令】
(1) 今回発生した事案に関し、新規口座の開設を当面の間停止した上で更なる顧客情報の流出の危険を網羅的に検証するなど、顧客情報保護の観点から直ちに万全を期すこと。
(2) 流出した顧客情報の不正利用など被害拡大防止について、最大限迅速に対応すること。
(3) 今回発生した事案について顧客に適切に周知を行うとともに、顧客から問い合わせがあった場合は、万全の対応を行うこと。
(4) 上記(1)から (3)までについて、その対応・実施状況を平成29年8月16日(水)までに書面で報告するとともに、その後の進捗状況を当面の間、1か月ごとに書面で報告すること。
http://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp032000673.html

(参考URL)株式会社マネースクウェア・ジャパンに対する行政処分について(金融庁関東財務局マネースクウェア・ジャパン

再びサイバー攻撃を受ける(2017年9月22日)

マネースクウェア・ジャパンに外部からのサイバー攻撃(DDoS攻撃)によるログイン障害が起きました。今回は個人情報の漏洩は確認されていないようですが、今後も同様の攻撃を受ける可能性があり、セキュリティには十分に注意する必要があります。

http://www.m2j.co.jp/info/newsdetail.php?id=1347
http://archive.is/KTuRP

サイクル注文がサイクル2取引に仕様変更(2017年12月7日情報公開)

2017年12月18日からサイクル注文がサイクル2取引に変わり、新規注文が指値注文ではなくなる等の変更点があります。訴訟にも影響がありそうです。

 サイクル2取引とは?外為オンライン新機能を検証
 外為オンライン公式 https://www.gaitameonline.com/pdf/newsrelease20171207.pdf

「マネースクエア」に商号変更(2018年4月1日)

「マネースクウェア・ジャパン」から「マネースクエア」に商号が変更されました。「マネースクウェアHD」も「マネースクエアHD」に変更されます。合わせてロゴとシンボルカラーも変更になるとのことです。
https://www.m2j.co.jp/landing/moneysquare/

iサイクル注文がiサイクル2取引に仕様変更(2019年2月18日情報公開)

2019年3月4日からiサイクル注文がiサイクル2取引に仕様変更されます。
証拠金が少なくて済むよう仕様が改善されています。

また、注文方式が指値ではなく成行で発注されるよう変更されました。
外為オンラインのホームページには「アルゴリズムによりダイナミクスに約定処理される」と書いてありますが、要するに「指定レートになったのをシステムが確認した後に成行で発注される」という意味で、サイクル2取引と同様のシステムに変更されます。

サイクル2取引は特許回避のための変更のようでしたが、iサイクル2取引も恐らく訴訟がらみのシステム変更だと考えられ、今後iサイクル注文に関して外為オンライン敗訴の判決が出る可能性があります。

従来のiサイクル注文がそのままiサイクル2取引に移行されるので、利用者からすれば特に不利益はありません。
統計的には成行だと有利に滑ることが多く、指値から成行に変えると利益が大きくなるので、iサイクル2取引はiサイクル注文より有利だと思います。

 外為オンライン公式 https://www.gaitameonline.com/pdf/pressrelease20190218.pdf

訴訟によるユーザーへの影響

ユーザーが気になるのはiサイクル注文のポジションがどうなるかということですが、これについては、
  • 最悪の場合でもiサイクル注文が新規ポジションを取らなくなるだけ、
  • 即ポジションを強制決済ということはないという方針は確定、
  • 現在手動でiサイクル注文を停止する場合と同様に、指値で好きなタイミングで決済できるようにする、
とのことです。
仮に差し止めされても法律上この対応は可能なので、そうする可能性は高いと思います。

訴訟で争う余地はあり、一審の東京地裁や控訴審の知財高裁では特許侵害ではないと判断されており、今後も差し止めされるとは限りませんが、最悪の場合でも上記のようになるので顧客としてはひとまず安心してよいと思います。

ループイフダンは特許侵害なし

アイネット証券に確認したところ、ループイフダンが訴訟・警告等を受けたという話はないそうです。
 
ループイフダンは、トラリピ同様に一定値幅で売買を繰り返すという機能を持ちますが、指値ではなく成行で発注したり、売買レートを指定できない等、トラリピとは仕様が大きく異なることや、iサイクル注文より1年程先にサービスを提供している人気システムなのに訴訟を起こされていないことからみて、今後も訴訟を起こされる可能性は低いと思います。

専門家にも確認しましたが、やはり同じ見解でした。マネースクウェア・ジャパン(m2j)の特許はm2jで提供しているシステムがベースのものばかりなので、根本的にシステムが違うループイフダンに適用するのは難しいようです。
 
トラリピより低コストで使いやすいので、もしiサイクル注文が使えなくなったらループイフダンに乗り換えるのがよいと思います。 

iサイクル注文とトラリピ、ループイフダンの利益差まとめ

外為オンラインのiサイクル注文と、トラリピ、ループイフダンを比較すると、
 ループイフダン(有利)>外為オンライン>トラリピ(不利)
の順になります。

以下、各項目について詳しく比較します。

スプレッド比較

下表の通り、
  • ループイフダンは低スプレッド&手数料無料なのに対し、
  • 外為オンラインはスプレッドは小さいものの往復4pipsの手数料がデメリットであり、
  • トラリピはスプレッドも高いですし手数料は10pipsという他社より高い水準なので、
スプレッドと手数料による利益差からループイフダンが最も有利という結論になります。

iサイクル注文、ループイフダン、トラリピ比較スプレッド
↑スプレッドと手数料の合計。カッコ内はスプレッドのみの値。1000通貨で比較。

スワップ比較

スプレッドもほとんどの通貨でループイフダンの方が他社より有利です。(下表)
iサイクル注文、ループイフダン、トラリピ比較スワップ
↑ 買スワップ/売スワップのように表示。1万通貨あたり。2017年2月27日時点

機能比較

機能面でもループイフダンはiサイクル注文より優れています。
ループイフダンは2016年9月のバージョンアップによりiサイクル注文と同じように追従する機能や自動損切りする機能が追加され、ほぼ同じ機能になりました。

また、iサイクル注文、ループイフダンはともに同時に同じ値幅のシステムを複数稼働できるようになっています。(以前のiサイクル注文は1つの通貨につき買・売それぞれ1つまでしか稼働できないというデメリットがありましたが、バージョンアップにより改善されました。)

トラリピは値幅を自由に設定できるというメリットがありますが、スプレッドと手数料という投資において重要と考えられるコスト面での条件が悪いため、値幅を工夫してもループイフダンより利益を大きくするのは難しいと思います。

利益比較

トラリピとループイフダンを比較すると、ループイフダンの利益の方が11から78%も大きいです。(下表)
左のループイフダンと同じ値幅でトラリピすると右の割合だけ利益が小さくなります。(詳細はバックテストで検証)

ループイフダンとトラリピの利益差

スプレッドと手数料により上記のような利益差がでるため、iサイクル注文とループイフダンを比較した場合も、同様にループイフダンの方が有利だと証明できます。
 

専門家の見解

随時追加していく予定です。
  • どちらの特許も請求項で限定される構成がiサイクル注文とは異なる部分が多いため、m2jはやや強引な請求項解釈をして侵害を主張する可能性があり、裁判で認められるとは限らない。iサイクル注文がシステム内でどういう処理をしているかが公開されていないので、その内容によってもより明確に侵害を回避できる可能性がある。
  • iサイクル注文リリース前から公開されていた特許出願の特許なので外為オンラインも回避策を検討している可能性がある。
  • 特許侵害しない理由だけでなく、そもそもm2jの特許が無効であると主張して争うのが定石(無効の抗弁)。特許庁の審査や無効審判での判断は甘いが特許侵害訴訟では厳しく判断されるので特許侵害が認められない可能性がある。
  • マネースクウェア・ジャパンは他の特許でも争う姿勢を見せていますが、数が増えれば必ず勝てるというものではないので、実際はその他の特許でも勝てない可能性があります。

双方への影響

マネースクウェア・ジャパン(m2j)は特許を広告材料の一つとしているので、訴訟で勝てなかったり特許が無効になると信頼や経営にも多かれ少なかれ影響が出る可能性があります。
特許侵害訴訟の第一審では敗訴しており、現在控訴中です。

一方、外為オンラインにとっては、iサイクル注文は主力商品ではないので会社の収益的にはそれほど大きな影響はないと思います。(iサイクル注文が差し止めされたらユーザーの反感を買うのは確実ですが。)

なので、訴訟と言っても温度差のある争いになりそうですが、ぜひ外為オンラインには全力で戦って勝訴して欲しいと思います。

外為オンラインを応援しましょう!

私も弁護士、弁理士、法律・特許に詳しい人等に声をかけまくって情報を集めていく方針です。
 
特許や高い手数料など、マネースクウェア・ジャパンの対応に憤りを覚える人もいると思うので、特許や法律に詳しい人がいたら外為オンラインが訴訟で有利になるよう私や外為オンラインに情報提供して頂ければ幸いです。

特許侵害訴訟では特許無効理由や特許を侵害しない理由が特に重要なので、問題の特許(①特許第5525082号、②特許第5650776号③特許第5826909号、④特許第5941237号、⑤特許第6154978号)について何かご存知の方がいたらご協力お願いします。→(追記。①から④の特許訴訟は終結したので、⑤の情報募集です。)
新たな情報が入ったら随時記事を更新します。

私に連絡する場合は下記リンク(非公開)かコメント(原則公開されます)でお願いします。
http://message.blogcms.jp/livedoor/todai7/message

外為オンラインの連絡先は以下。
https://www.gaitameonline.com/contactInput.do

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※1 http://www.m2hd.co.jp/pdf/press/20160907_MBO_Opinion.pdf

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マネックス証券FX PLUSの新機能「オートレール」のデメリット等を比較・検証します。

最初に結論を言うと、トラリピの「決済トレール」よりはマシですが、手数料が高い、損切りが多い等のデメリットがあるため稼ぐのは難しく、ループイフダンの方が優れています。
トレール機能をどうしても使いたいならオートレールで試してみるといいと思います。

●オートレールとは何か。
「オートレール」注文は、ループイフダンのように一定の値幅で複数の新規注文を発注し決済後にリピートさせる(同じ新規注文が発注される)のですが、それらの決済方法がトレール機能(トレール注文、トレーリングストップ)になっていることが主な特徴です。
 
トレール機能とは、(あらかじめ定めたレートで利食い決済させるのではなく)損切り注文のみを設定し、その決済レートを現在の為替レートの上昇幅に合わせてリアルタイムで自動修正するという機能です。
トレール機能とは

あらかじめ決済レートを決めておく場合だと、そのレートより高く急騰した時にその差だけ利益を取りこぼすことになるので、強い上昇相場ではトレール注文で決済させる方が利益が大きくなることがあります。
 
ただし、実際にはこういった都合のよい状況は少なく、損切りばかり発生するという最悪の状況に陥りやすいので、トレール機能を使うより普通にループイフダンをした方が有利です。

●オートレールの注文の仕方。
注文時に「設置方向(レートが「上」に行きそうか、「下」に行きそうか)」を選択して、「上」なら現在レートより上に複数の買い注文(「下」なら売り注文)を逆指値で発注します。
 
「上下」も選択でき(下図)、これだと現在レートの上下に買い注文だけを発注できます。(売りだけも可能) 
値幅やトレール幅を自由に入力できますが、細かい調整が出来ない等のデメリットもあり、下記で説明します。 

↓注文画面。 
オートレール注文方法

なお、特許出願中らしく、「決済トレール」やトラリピが自慢のマネースクウェア・ジャパン(M2J)などの他社に対抗しているようですが、トレール機能は以前から流行っていませんし、今後も流行ることはないと思います。

なお、マネースクウェア・ジャパン(M2J)は2017年1月20日に上場廃止となりました。

★★★ オートレールのメリット。

●トレール機能により値動き次第では利益が増える。
上記の通り、相場が急騰する場面では通常の決済方法よりも有利に約定することがあります。
単純に上昇を続けるトレンドがある時には利益が大きくなります。

●トレール機能をリピートできる。
手動でトレール機能が使えるFX業者は多いですが、それを自動で繰り返してくれる業者はトラリピの決済トレールくらいしかないので(使えない、儲からないから他社が参入しないのですが。 )、その機能にこだわる人にとってはメリットになり得ます。
 
ただし、実際はこれにより利益が増やせる状況は多くなく、これを使えば簡単に利益が増やせるというものではないので、そのような誇大広告に騙されないよう注意が必要です。

●新規注文の幅は自由。
新規注文の間隔(値幅)は7.8pip以上、トレール幅は0.1pipであれば自由に設定できます。
現在のレートや指定のレート(基準価格)に値幅をプラス・マイナスしたレートに発注できます。

ただし、設置本数が限られている等、細かいデメリットが多数あります(下記)。

↓注文画面。 
オートレール注文方法

↓上の設定で発注した注文一覧。
オートレール注文方法2
上では決済レートは表示されませんが、各新規注文レートからトレール幅を引いたところに損切り決済注文がされており、トレール機能によりそのレートが引き上げられれば利食いも可能です。

●トラリピの決済トレールより柔軟なトレール幅。
トラリピの決済トレールではトレール幅が20pipに固定されているというデメリットがありました。
オートレールではトレール幅は0.1pips以上の任意の数字に設定できるので、トラリピよりはマシだと思います。

●スプレッドは上々。ただし手数料高い。
ループイフダンと同じくドル円のスプレッドは2.0pipです。

ただし、1万通貨以上なら手数料無料ですが、1万通貨未満だと1000通貨あたり3pipもの手数料がかかるため実質コストが高く利益を圧迫します。

オートレールとループイフダン、トラリピ比較

●スワップは高め。ただしループイフダンの方が有利
アイネット証券と同様に、マネックス証券も「スワップポイントは【業界最高】水準!」と謳っています。
ですが、実際は下表の通りアイネット証券のループイフダンの方が有利です。
オートレールのスワップ比較

●1000通貨から取引可能。
ただし、1万通貨未満だと手数料3pipという仕様なので実際は1万通貨以上でないとコスト的に不利です。

●オートレール有効期限が設定できる。
これを使うメリットはほとんどないと思いますが、リピート系の注文では他社にはない固有の機能なので一応紹介しておきます。

●スマホ対応。
PC、タブレット、スマホに対応しています。

●発注が簡単?
マネックス証券はそう主張しているので一応書いておきますが、確かに発注するだけならそれほど難しくはないものの、勝つための設定を考えることが非常に難しいので(恐らく無理。ほとんどの人が損切り連発となり、マネックス証券だけが儲かることになります。)、簡単とは到底言えないと思います。

●ピラミッティングの要領で一時的に使うことは可能かも。
上昇相場の最中にレートが上がったところでさらに買いポジションを増やしていく「ピラミッティング」というテクニックがあります。
オートレールはピラミッティングのようなイメージで上昇相場において一時的に使うことは一応可能かもしれません。(長期放置には向かないです。)

ですが、ピラミッティングはそのタイミング、ポジションの大きさ等をその時の相場状況に合わせて調節する必要のある難しい技術です。
オートレールのように単純化したピラミッティングが成功する場面は少ないと思います。

なお、レンジ相場は言うまでもなくトレール機能がない方が有利であり、オートレールには向かないです。
オートレールは、ループイフダンやトラリピとは全く用途の異なるシステムであり、上昇相場で一時的に使うものだと考えた方がよさそうです。 

主なメリットは以上であり、トラリピよりはマシですがループイフダンに比べるとイマイチという印象です。
トレール機能を試してみたい人向けのシステムです。

★★★ オートレールのデメリット。

●損切りが多い。トータル損益がマイナスになりやすい。
新規注文からトリガー幅だけ下に損切り注文が設定される仕様です。
そのため、トリガー幅を小さくするとすぐに損切りされてしまいます。

トリガー幅を大きくすれば損切りされにくくなりますが、利食うのが大変になりリピートされる回数も小さくなってしまいます(下記)。
そのため、勝つための最適設定を考えるのが非常に難しく、負ける人が続出すると思います。

●リピート回数が減る。
決済されるまでに大きな値動きが必要となり決済回数(リピート回数)が減るため必ずしも利益が増えるとは限りません。
 
ループイフダンやトラリピのような連続注文機能では、例えば30pips上がったら決済させるのを繰り返すことで30pips値幅のレンジでも稼げるのが魅力ですが、オートレールでは30pipsの利益を得たい場合でも、さらに設定したトリガー幅(例えば10pips)だけさらに上昇した時に初めて30pip分の利益の決済注文が出される仕様なので、最低でも10+30=40pipsの値動きが必要となりリピートされにくくなります。

トリガー幅を小さくすれば細かく利食いできるようにはなるのですが、上記の通り損切り貧乏になってしまいます。

リピート回数が減ったことによる利益減をトレール機能による利益アップで補わなければならないのですが、オートレールの方が利益が大きくなるのは複数の決済レートを一気にまたぐような急騰時だけなので、オートレールが有利に働く機会はほとんどなく、普通にループイフダンを使う方が利益が大きくなります。

●注文数が最大11個だけ。
注文数が11と少ないです。
しかも、現在レートより下に11個の買い注文(指値)を出すといった使い方ができません。(上に逆指値買い11個、または下に逆指値売り11個なら可能)

注文時に上、上下、下の3つから選択するのですが、上を選ぶと現在レートより上に逆指値の買い注文のみを入れるという仕様です。
下なら現在レートより下に売り注文を入れます。
つまり、現在レートより下に買い注文(指値)だけを入れることができません。

「上下」を選択すれば現在レートより下に指値の買い注文を入れられますが、それと同数の逆指値の買い注文を現在レートより上に発注しなければならず、注文数上限が11なので、最大でも逆指値5個、指値5個になります。

↓上と同じ図。「上下」で10本設定した場合。
オートレール注文方法2
(追記。2017年8月28日から最大50本に改善されましたが、制限があることには変わりなく使いにくいです。)

●同時稼働は2つまで。
オートレールの設定が異なっていても、同時に稼働できるのは2つまでです。
買いシステム、売りシステムもそれぞれ1つとカウントされるので、両建てしても最大で2つしか稼働できません。(証拠金はMAX方式なので、買い・売りの多い方の証拠金があればよい)(追記。2017年8月28日から10個の同時稼働できるよう改善されましたが、相変わらず個数制限があるのはデメリットです。)

●追従機能がない。
ループイフダンなら高値更新時に自動で新たに新規注文を発注できますが、オートレールでは最初に設定した新規注文レートが変わることはありません。
そのため、相場に追従することができず、想定レンジ(注文した範囲)が変わったら手動で修正する必要があります。

●注文を自由に修正できない。
【新規注文の修正】
オートレールの新規注文は、オートレール本体(親注文。最初にまとめて発注される注文群のこと。小注文からなるグループ)、各注文(子注文)ともに、変更できません。
 
変更したい場合は、そのオートレール注文を(親、子ともに)全て取り消して、一から発注し直す必要があります。(オートレールの注文の一つ(子注文)を取り消すと、そのオートレールの注文を全て(親注文、子注文も全て)取り消すことになります。)

【決済注文の修正】
決済注文はトレール幅のみ変更でき、親注文を変更すれば全ての子注文も変更されます。
 
個別のオートレール(子注文)の決済注文の変更は新規注文が約定した後でなければできません。また、その手続も面倒であり、そのトレール幅のみを変更する場合は、注文一覧から注文訂正をクリックするだけでよいのですが(数値範囲の制限もあるので注意。)、決済レート自体を自由に変えるにはいったんオートレールを(親、子ともに)取消する必要があります。

オートレールを取消したあとは、保有ポジションの決済レートはそのままとなっており、その決済注文も手動で取消して注文を入れ直すことになります。

●決済レートが滑る。
トレール機能に共通の欠点ですが、決済は逆指値(成行)でされるのでスリッページが発生します。
週明けに大きく下落した場合(窓開け)等ではスリッページが大きくなりマイナス決済される可能性もあります。

●中心レート付近が弱い。
設置方向「上下」を選択した場合、現在レートの上下に注文を配置する仕様なので、現在レート付近には注文がない状態(空白地帯)になります。

例えば、100円付近に100pips間隔で買い注文した場合は、103,102,101円に逆指値買い注文、99,98,97円に指値買い注文となり、99から101円の200pipsの間には注文されません。
ここでの動きを利益化できないのは痛いです。

●特許侵害の恐れ。
マネースクウェア・ジャパンの特許を回避するために複雑な仕様となっているようですが、肝心の特許を回避できているかは定かではないので、いずれ特許侵害となり強制停止されるかもしれません。


★★★ オートレールまとめ。
  • トレール機能が特徴。だが、その機能で儲けるのは難しい。
  • 設定も複雑。自分の好きな設定にはできない。
  • 手数料が高い。ループイフダンの方が優れている。
以上の3点から、あえてオートレールを使うべき理由はないと思います。
どうしてもトレール機能を使ってみたいなら、マネースクウェア・ジャパンの決済トレールよりはマシなので試してみてもいいかもしれません。

こういう新しい機能に過剰な期待をしたり(メディアや金融業界もそのように煽るので注意。)、自分好みの機能を望む人は多いですが、それよりループイフダンの使い方を理解し、「相場を読む力」という王道のスキルを高める努力をする方が成功する確率が高いと思います。
オートレール(トレール機能)の設定や両建てする等の工夫をしても、それだけで勝ち続けることは絶対に出来ません。
 (更新履歴:2017年1月17日投稿、2017年8月28日更新)