●レンジフォーカスのメリット・デメリット。
トライオートFXのインヴァスト証券が「レンジフォーカス」という新機能をリリースしたので、メリット、デメリット等を紹介します。
最初に結論を書いておくと、バックテストを恣意的に操作して都合のよいデータを作っただけの詐欺的なシステムであり、これで勝てるという合理的根拠は全くありません。
トライオートFXは手数料が高く、スプレッドも大きい等、お薦めできる要素はなく、手数料無料かつ低スプレッド、高スワップのループイフダンの方が明らかに優れたシステムです。
●レンジフォーカスとは何か?
以前からある「レンジ追尾」という機能を改変したものであり、設定をインヴァスト証券が一つに限定したことが主な特徴です。
一番問題なのは、恐ろしいことにレンジ追尾の最大の欠点である「両建てによる弊害」が全く改善されていないため、極めてリスクの高いシステムだということです。
レンジ追尾の知識も必要となるため、下記も閲覧することを勧めます。
レンジ追尾のデメリット【トライオートFX】ループイフダンやトラリピ比較・検証
基本となるレンジ追尾は、簡単にまとめると両建てループイフダンと同じであり、ポイントは以下2点です。
- ループイフダンやトラリピのように買い・売りを自動で繰り返す(トライオートFXの基本機能)
- 両建てする(レンジ追尾最大のデメリットであり、これにより損失が膨らみ利用者が負けることがほぼ確定しています)
その応用であるレンジフォーカスは、さらに次の3点が特徴だとインヴァスト証券は主張しています。
- レンジ取引に向いた通貨ペアを選ぶ
- 最適なレンジ幅の設定
- 評価損を軽減する設計
それぞれについて解説します。
★【レンジフォーカスの特徴1】 レンジ取引に向いた通貨ペアを選ぶ?
レンジフォーカスでは中心回帰性等を考慮して利用可能な通貨ペアを一つだけにしています。
こう書くと、さも上等な根拠があるように思いますが、実際はバックテストで利益の大きかった通貨ペアを選んだだけです。
「レンジフォーカス」、「中心回帰性」等、用語だけは立派に考えたようですが、中心回帰性は過去の4本足からチャートを見ずに機械的にレンジ相場を判定するためにインヴァスト証券が勝手に採用しているだけのアイディアに過ぎず、それを採用したからといって利益が増える訳ではない無意味な理屈であり、結局そうした目新しい言葉で顧客を騙そうとする意図しかないようです。(名前だけ工夫するというのはメディアが好んで使う手法ですが、インヴァスト証券もそうした空虚な戦略のようです。)
しかも3年という短い期間しか検証せず、ファンダメンタルズなどの要因は完全に無視されており、ボラティリティが高く値動きの予想が困難な(従って利用者のリスクが高い)マイナー通貨ペアをも採用しています。
インヴァスト証券によれば、バックテストの結果もっとも利益が大きかったのはユーロ/豪ドル(EUR/AUD)だそうです。
確かに3年だけのバックテストならユーロ/豪ドルのパフォーマンスがよかったのでしょうが、なぜそのような相場展開になっていたのか等、FXをする上でもっとも重要な相場分析は一切されていません。
従って、当然ながら今後もそのような高パフォーマンスが期待できるものではありません。
初心者だとバックテストがよければ今後も同じように儲かると勝手に思い込む人が多いですが、(ちょっと考えればわかることですが)現実にそうなる可能性は全然高くないです。
こんな単純な手口に騙されてはいけません。儲かるという合理的根拠は全くないのです。
以前、下記記事※(シストレの本質、FX業者の手口)でも書いたことですが、サイコロを振って売買するといういい加減な手法でも何万人かが実行すれば必ず勝てる人も出ます。ですが、だからと言って、サイコロを振れば勝てるという結論にはなりません。
バックテストがよいというだけの根拠ではサイコロの例と同レベルに過ぎず、根拠のない投資法だと言わざるを得ません。
重要なのは何故勝てたのか、今後もその理由が通用するのか、ということなのに、インヴァスト証券はそのような分析をせずいい加減な統計だけで利用者を騙そうとしているとしか思えません。
(以前からインヴァスト証券はこのような情報・ツール開発が多く、そういう社風のようです。シストレ24フルオートなども顧客必敗の極悪ツールです(下記リンク※参照)。
最近では利用者にも見切られており赤字決算となっており、倒産しても不思議ではありません。)
(以前からインヴァスト証券はこのような情報・ツール開発が多く、そういう社風のようです。シストレ24フルオートなども顧客必敗の極悪ツールです(下記リンク※参照)。
最近では利用者にも見切られており赤字決算となっており、倒産しても不思議ではありません。)
レンジフォーカスの開発者である栢本淳一(かやもと じゅんいち)さんは今年(2016年)の8月からインヴァスト証券に新しく入った人でFXに疎いことを自ら認めています。
FXの特性を理解せず統計だけで勝てるシステムが作れるはずがありません。
下記記事※を理解している人にはこう言えばわかりやすいかもしれません。
「レンジフォーカスは業者必勝、顧客必敗のシストレです」
この記事で書いた悪いシストレの例としてふさわしいと思います。
仕様がブラックボックスでない点は評価しますが、その仕様にした理由がバックテストのみに依存するというありふれた極悪シストレの一つです。
※リンク(重要。閲覧推奨)
ループイフダン・トラリピにお勧めのテクニカル指標と注意点
●金融業界の手口。統計詐欺。
金融業界における統計のプロとは、統計を利用して顧客の利益を最大化するプロではありません。(←金融業界の思惑通りにそのようなプロだと勝手に思い込んでいる人も多いです)
金融業界における統計のプロとは、利益が多くなると顧客に思い込ませて売買させ自社の手数料収入を増やすことを目的として、恣意的に統計を悪用するだけの人間です。
その売買で顧客が儲かるか否かはそもそも考慮されておらず、当然ながら実際に儲かる可能性は全然高くないです。
レンジフォーカスはまさにこの典型です。
●ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)が危険な理由。
ユーロ/豪ドルのようなマイナー通貨ペアは注目度が低いため、多数派理論(上記※参照)が通用しません。
つまり、過去の高値であっても注目している人がほとんどいないため、あっさりレンジを抜けやすいです。
また、メジャーな通貨ペアであればその動きもファンダメンタルズ等から理解できることが多いですが、ユーロ/豪ドルのようなマイナー通貨ペアではユーロ/豪ドル自体が売買されるのではなく、ユーロの要因と豪ドルの要因で不規則に動くという相場展開が多いため、予想が困難です。
これはマイナー通貨全般に言える特徴であり、それ故にマイナー通貨は嫌厭されているのです。
最近の3年はそれほど大きな動きがなかったため結果的にはレンジでしたが、レンジが多い通貨ペアということではなく、過去のチャート(下図)を見れば明らかな通り、極めてボラティリティの高い通貨ペアであり(最近でも2008年から2012年にかけて9000pips(ドル円の90円分に相当)ほども下げています)、トライオートやループイフダンのように買い・売りを自動で繰り返すシステムで狙うべき通貨ペアではありません。
思惑と逆に動いた時の損失が大きいためです(レンジだと思っていたらあっさりレンジ下限を抜けるといった展開になり、損失が増えやすい。)。
↓ ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)長期チャート(1980年から2016年)(縦軸1マスが1000pipsに相当)
●たった3ヶ月でロスカット!利用者は大損(インヴァスト証券は手数料で大儲け)(2017年2月24日追記)
私がこの記事で書いていた通り、リリースからわずか3ヶ月の2017年2月22日にユーロ/豪ドルがレンジ下限を下回り、レンジフォーカスはロスカットされて終了したそうです。
インヴァスト証券を信じてレンジフォーカスをしていた人はみんな大損しました。
インヴァスト証券は反省することなく今後も同様の商品開発をすると宣言していますが、それも詐欺的な商品である可能性が極めて高いので、インヴァスト証券は利用しないことを強く勧めます。(追記ここまで)
★【レンジフォーカスの特徴2】 最適なレンジ幅の設定?
これも上記同様にバックテストで買いレンジ、売りレンジを決めているだけです。
インヴァスト証券は
過去3年間の価格の「80%の価格をフォローできる範囲」をレンジ幅として設定している、
と主張しており、そう言われると「凄い!」と勝手に思い込む初心者も多いでしょうが、実際は無意味です。
過去3年間の価格の「80%の価格をフォローできる範囲」をレンジ幅として設定している、
と主張しており、そう言われると「凄い!」と勝手に思い込む初心者も多いでしょうが、実際は無意味です。
80%フォローできるなどと書いていますが、これは過去に80%フォロー出来ていたというだけに過ぎず、今後もそうなるという合理的根拠は全くありません。(統計詐欺)
ドル円のようにメジャー通貨では多くの人が注目しており、多数派理論により注文や値動きが読みやすいため、史上最安値を更新するような動きは滅多に起きません。
ところが、ユーロ/豪ドルのようなマイナー通貨は着目している人がほとんどいないため、過去安値などもチャートポイントにならず、そこで反転する力は起きにくいため、レンジを破る力が働きやすく、またそれがいつ起こるかも予想しにくいという重大な欠陥があります。
(例えば、ドル円が史上最安値を更新したら大きなニュースになりトレーダーも反応しますが、ユーロ/豪ドルが史上最安値を更新してもろくに報道すらされず当然トレーダーも反応しない。注目度の差は値動きに大きな影響を与えます。(多数派理論))
(例えば、ドル円が史上最安値を更新したら大きなニュースになりトレーダーも反応しますが、ユーロ/豪ドルが史上最安値を更新してもろくに報道すらされず当然トレーダーも反応しない。注目度の差は値動きに大きな影響を与えます。(多数派理論))
★【レンジフォーカスの特徴3】 評価損を軽減する設計?
これはレンジ上限では買いポジションを持たないようにするということであり、私のブログ記事↓のパクリです。
しかも困ったことに、私は両建てが不合理かつハイリスクだから勧めておらず、どうしてもやりたい人のために少しでもリスクを減らすための方法として紹介した手法なのに、それを積極的に利用するよう扇動しています。
インヴァスト証券は顧客が損をするリスクを明らかに軽視しています。
確かに無計画に上限でも買いポジションを取るよりはリスクが小さくなりますが、そもそもトライオートやループイフダンのように売買を繰り返す手法においては、両建ては最大のタブーです。
上がっても下がっても損失が膨らんでしまい、それまでの利益を簡単に吹き飛ばす恐れがあるためです。
ユーロ/豪ドルにおいても過去3年はその手法でも勝てていたのですが、それ以外の期間ではその手法では確実に負けており、今後もその手法で勝てる見込みは限りなく低いです。
インヴァスト証券が両建て(レンジフォーカス、レンジ追尾)を進めるのは買いでも売りでも手数料収入が稼げるためです。
決して、顧客の利益のために両建てを勧めているのではないことをよく理解して下さい。
下記の関連記事(トライオートのデメリット等)も読むことを強く勧めます。
●マネパ連続予約注文でレンジフォーカスする方法。
レンジフォーカスは上記のように合理的根拠のない手法ですが、どうしても試してみたいのであれば、株式会社マネーパートナーズ (マネパ)の連続予約注文を利用した方がよいです。
レンジフォーカスはしょせん通貨ペアと発注レートがわかればいいだけなので、それらはすでに公開されていますし、他社のプラットフォームでも簡単に実行できます。もしホームページで公開しないように改悪された場合、私が教えることは可能でしょうから、問い合わせ頂ければお伝えします(明確に禁止された場合は不可)。
現在、インヴァスト証券がゴリ押ししているレンジフォーカスの設定は以下の通りです。(勝てる保障は全くない)
つまり、ユーロ/豪ドルにおいて、
- 1.513から1.413まで50pipsおきに20個の買い注文(損切りレート1.367)、
- 1.551から1.452まで50pipsおきに20個の売り注文(損切りレート1.649。買いの場合より売りの損切りレートが広く設定されていることに注意)、
- 利確幅50pips
しかも、マネーパートナーズの方がスプレッドが小さく有利です。
株式会社マネーパートナーズ (マネパnano)のユーロ/豪ドルのスプレッドは2.3pipsで手数料無料なのに対し、
レンジフォーカス(トライオートFX)ではスプレッド2.0pipsに加え手数料が1万通貨以下の場合4pips(1-10万通貨は2pips)もかかるため、合計6pipsもコストがかかり、損益が大幅に削られます。
なお、ループイフダンではユーロ/豪ドルというハイリスクな通貨ペアは採用されていないためループイフダンでレンジフォーカスする方法はありません。
ユーロ円と豪ドル円を両建てすることにより無理やりユーロ/豪ドルという通貨ペアの売買に似た取引も出来ない訳ではないのですが、円を挟むことによるコスト、不規則性による損失が大きく実用性はありません。(そもそもマイナー通貨ペアのユーロ/豪ドルを取引すること自体お薦めしませんし、両建てはなおさらお薦めしません)。
ユーロ円と豪ドル円を両建てすることにより無理やりユーロ/豪ドルという通貨ペアの売買に似た取引も出来ない訳ではないのですが、円を挟むことによるコスト、不規則性による損失が大きく実用性はありません。(そもそもマイナー通貨ペアのユーロ/豪ドルを取引すること自体お薦めしませんし、両建てはなおさらお薦めしません)。
●レンジフォーカスのメリット・デメリット。
レンジ追尾やトライオートFX自体のメリット、デメリットがそのまま当てはまるため、まず簡単に書いておきます。詳細は下記記事を参照して下さい。
レンジ追尾のデメリット【トライオートFX】ループイフダンやトラリピ比較・検証●レンジ追尾やトライオートFXのメリット。
●決済利益が2倍に。(両建てによる。ただしリスクも2倍なので負け確定)
●証拠金が少なくて済む(MAX方式)
★誇大広告されたレンジ追尾のメリット→ 売りか買いかの相場観は不要 『上がるか下がるかの判断が苦手な方には安心。』→ 実際はこんなメリットはない(上記リンク参照)
★誇大広告されたレンジ追尾のメリット→ 一方向にトレンドが出ても評価損を実現益が軽減 『買い仕掛けの評価損は、売り仕掛けの決済益で緩和してくれる。』→ 実際はこんなメリットはない(上記リンク参照)
●レンジ追尾やトライオートFXの本当のデメリット
●レンジの上下どちらに抜けても損失が膨らむ。
●約定レートがずれると次の注文レートもずれる。→トライオートFX自体のデメリットのうち特に重大なものですが、約定レートがずれると次の注文レートもずれる仕様です。そのため、約定メール等を見てレートがずれていた場合は手動で修正する必要があります。
●手数料・スプレッドが極悪仕様→トライオートFXは手数料が高いだけでなく時間によってスプレッドが広がる(午前4-8時はスプレッド4倍が目安)という困った仕様があります。
これら以外にもデメリットは多数ありますが、書くとキリがないので興味があれば下記カテゴリの過去記事を見て下さい。
タグ:トライオートFXのデメリット●レンジフォーカスのメリット。
両建てがハイリスクかつ不合理な手法であることを知って、それでもなお両建てしたいという珍しいもの好きや負けても構わない人にとっては、簡単に利用できることはメリットかもしれません。
(宝くじやシストレのように)儲かる可能性が極めて低いのにそれでも取引したいという人は一定数存在するようなので、私は絶対にお薦めしませんが、やりたい方は損失覚悟で取引すればよいと思います。
シストレが絶対勝てない理由を知らない人は下記も閲覧することを推奨します。
●レンジフォーカスのデメリット。
上記の通り、レンジフォーカスはバックテストで全て都合のいい部分だけ抜き出しただけの合理性のない手法であり、今後勝てる可能性は低いです。
手数料、スプレッドコストが大きいことも大きなデメリットなので、手数料無料の株式会社マネーパートナーズ (マネパ)の連続予約注文で実行する方がマシです。
★★★ 結論。
レンジフォーカスは顧客を騙し、儲かると思い込ませるために考えられた機能です。儲かる保障は全くありません。
そもそも両建てはお薦めしませんし、レンジフォーカスを利用することは絶対にお薦めしません。
また、レンジフォーカス(トライオートFX)は手数料が高いです。ループイフダンの方が低スプレッド、手数料無料、高スワップなので有利です。どうしてもレンジフォーカスのように両建てしたいのであれば、ループイフダンで両建てすることを勧めます。
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