ループイフダン検証ブログ

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タグ:ループイフダンの投資法

ループイフダンBSというアイネット証券の新機能を紹介します。

ループイフダンBSは、従来のループイフダンより少ない資金で簡単な運用ができるというものです。

仕組みを簡単に説明すると、ポイントは次の3点です。
  1. 買い(B)と売り(S)のループイフダンを両建てし続ける。
  2. 最大ポジション数になったら損切りして新規ポジションを取る。
  3. 資金や設定(値幅、最大ポジション数)について初心者向けのアドバイス機能がついている。

ループイフダンBSとは何か
ループイフダンBSの取引イメージ
↑ループイフダンBSの取引イメージ

以下詳しく解説します。

ループイフダンBSのメリット

買い・売り両建てだから利益が2倍以上になる

従来のループイフダンは買いまたは売りの片方を運用するのが基本なので、上げや下げのどちらか一方でしか利益を出せません。

ループイフダンBSは買いも売りも同時に運用する仕様なので、上げでも下げでも決済利益を上げることができます。
値幅の分だけ動く度に決済利益を得られるので、買い・売りの一方だけを運用した場合よりも単純計算で利益は2倍以上になります。

ちなみに、通貨ペア、取引数量、値幅、最大ポジション数といった設定は買い、売りともに同じになります。

(なお、ここでの利益は含み損、ロスカットの損失、スワップを含みません。これを加味した評価は後術します)

必要証拠金が半分で済む

従来のループイフダンで両建てすると買いにも売りにも証拠金が必要でした。
ループイフダンBSは買い、売りの一方の必要証拠金だけでよいので従来の半分の証拠金で取引できます。

余裕資金が増えるのでロスカットされにくくなっており、両建てループイフダンの利用者にとっては大きなメリットです。

アドバイス機能で初心者も簡単に始められる

ロスカットされないために必要な資金や、よりロスカットされにくい設定を提案してくれる機能です。
初心者には便利だと思います。(ただし、自分でこれらを計算しない人はいつまでも投資スキルが上達しないので注意して下さい。)

下記の3つが提案されます。

①過去5年の値幅(最高値と最安値の差)が示されその値幅を目安とした必要資金が紹介されます。
資金が不足しているなら追加資金の目安が表示されます。

②値幅を広くする設定の一例が示される。
現在入力している設定より余裕を持った設定として値幅を広くした場合の詳細が表示されます。

この設定に従えば必要資金が少なくなるメリットがあります。
ただし値幅を広くすると利益は少なくなることが多いです。

③最大ポジション数を減らす設定の一例が示される。
上記と同様に、最大ポジション数を変えた場合の詳細が表示されます。

必要資金が少なくなるメリットがあります。
一方、最大ポジション数を減らすと1回のロスカットでの損失額は小さくなるもののロスカットされる変動幅(下落幅)は小さくなり、ロスカットされる可能性は高くなります。

ループイフダンBSのデメリット

両建てループイフダンと同じなので以下の記事も参考にして下さい。
 両建てループイフダン長所短所まとめ

上記リンク先でも書いている通り、両建てループイフダンは長期放置すると超高確率で負ける投資法なので、はっきり言って私は両建てループイフダンもループイフダンBSもお勧めしません。

一応簡単におさらいしておきます。

長期放置だと「必ず」ロスカットされる

長期では「必ず」レンジの上か下に抜ける時が来ます。
買いループイフダンだけを運用するならレンジを上抜けしてもロスカットされず、下抜けしたときだけロスカットリスクがあります。

しかし、両建てループイフダンやループイフダンBSはレンジを上下どちらに抜けても「必ずロスカットされます」。←超重要。

ですので、ロスカットされる前にロスカットされる額以上の運用成績を出し続けなければならないのですが、言うまでもなく非常に難しいです。


以下、説明を簡単にするため、大雑把な計算例を紹介しますが、
例えば資金100万で始めロスカットされると100万円失うとします。

始めてから10年後にロスカットされるなら、それまでの間毎年7%程度以上のリターンを出さなくてはいけません。(複利計算すると利回り7%の10年運用でほぼ100万円の利益になるため。)

これだけ稼いでいても1回のロスカットで全ての利益を失ってしまうということです。
言うまでもなく10年以内にロスカットされれば投資開始時より資金が少なくなります。

なお、実際は稼いだ分だけ資金に余裕ができロスカットされにくくはなっていますが、総資金に対する比率で利回り計算しているので、総資金が増えるほど7%利回りに相当する利益額が大きくなります。

ですので、ループイフダンBSの設定を見直し取引数量を増やす(ループイフダンBSを追加する)などの対応が必要でありますが、その計算は面倒です。

同様に計算すると、5年後ロスカットなら15%以上、3年後なら26%以上、2年後なら41%以上、1年後なら100%以上のリターンが必要になります。


簡単な例を紹介しましたが、きちんと数字でリスク・リターンを評価して投資をしている人ならこれがいかに難しいかがわかると思います。

このデメリットを避けるためにはループイフダンのBSを長期放置しない(短期で止める)ことが重要です。

短期運用ならば止めるタイミング次第で勝てるため少しはマシになります。
ただし、実際は止めるタイミングを予想するのは思っている以上に難しいです。

想定レンジを抜けたら、またはロスカットされたら止める(この場合高い確率で投資開始前よりお金が減っています。)などのルールを作っておき、「絶対にそのルールを守る」という強い意志が必要だろうと思います。


なお、私はそもそも両建てループイフダンやループイフダンBSをせずに、普通に買いのループイフダンだけでドル円のように値動きの読みやすい通貨ペアを運用しておくのがよいと思っています。

私は両建てループイフダンを検証する時に取引数量、値幅、最大ポジション数、通貨ペアなどを変えてみた場合の過去20年分のバックテストして全てのパターンを検証しています。ですが、残念ながら長期放置で勝ち続けられる設定ほぼないです。

勝てている設定は20年前よりレートが高くなっており高値付近でバックテストを終えた通貨ペアで、買いの取引数量を多めにしている場合(売りの取引数量が相対的に小さいためその含み損も小さい。要するに売りポジション自体がないに等しい場合。)など、極めて限定されています。

ループイフダンBSは必要証拠金が少ない点を除けば両建てループイフダンと同じ挙動なので、利益も当然同じです。
ループイフダンBSが「長期で」勝てる見込みは低いと思います。

なお、ループイフダンBSを停止する際は、買い・売り両方のループイフダンが停止され新規ポジションを取らなくなります。

アドバイス機能の「5年」は不十分な可能性

アドバイス機能では過去5年レンジ幅(過去高値と過去安値の差)で検証していますが、私の感覚からすれば5年という期間は明らかに短すぎます。
リーマンショックの前後の動きすら無視することになってしまいます。

史上最高値、史上最安値を見る方がベターなのは言うまでもないですが、確かにこれを全てカバーするようにループイフダンを稼働させると利益が小さくなってしまうので、どこまで見るかは各通貨ペアごとの事情を踏まえ個別に考える必要があります。

ドル円のようにメジャーな通貨ペアはそういう検証もしやすいですが、マイナーな通貨ペアだと非常に困難です。
いずれにせよ、一律5年で評価することのリスクをよく考えて下さい。

マイナススワップで損失地獄になる可能性

最近は低金利の国が多いので買い、売りとものスワップが小さいですが、それでもやはりマイナススワップのダメージがは大きいです。

買い・売りのスワップポイントの差が小さいことも重要です。
ドル円は以前は買いと売りの絶対値の差が小さく10円以下(2020年1月は7円程度)でしたが、2021年8月時点では34円もあります。

この状況でマイナススワップの売りポジションを持つのは苦しいと思います。

豪ドル/NZドル(AUD/NZD)は例外的に買い・売りのスワップ差が小さい(2021年8月時点で買い-4円、売り2円で絶対値の差は2円)ので、他の通貨ペアに比べればループイフダンBSに向いています。
過去のチャートを見る限りでは変動幅が小さいのもループイフダンBSや両建てループイフダンには向いているように見えます。

とは言え、はっきり言ってオーストラリア、ニュージーランドの両方の経済について詳しい人もほとんどいませんし、そもそもアメリカなどのメジャーな国に比べて情報が少ないため、これらのマイナーな国の情報をしっかり見ていくのは難しいです。
ファンダメンタルズを見ることなく投資するのは全くお勧めできないという意味でも豪ドル/NZドルの投資には慎重であるべきだと思います。

「豪ドル/NZドルに固有のリスクは?」と聞かれて10個以上を即答できないようなら取引すべきではありません。

豪ドル/NZドルであれ、いつか過去のレンジを割るのは確実です。
他人の言うことを鵜呑みにしたり、都合のいい予想ばかり立てている人が、こうしたマイナーな金融商品に飛びつきやすいという印象です。(ビットコインなども同様)

デフォルトで損切りありになっている

ループイフダンBSの仕様であり、変えられないようです。

損切りなしにできると仮定すると、最大ポジション数になった時はループイフダンのBSの言うような買いでも売りでも利益を出せる状態にはならないので、システム設計上仕方ない気はしますが、損切りが続くような状態だと損失の方が大きくなりトータルで負けることになります。

長期安定運用を目指すなら最大ポジション数にならないよう余裕を持った設定(最大ポジション数を大きくする、値幅を大きくするなど)にする必要があるでしょう。

損切りを繰り返しながら運用を続けるのはお勧めできません。ほとんどの場合、利益額より損失額の方が大きいからです。

買い、売りの取引数量が同じ

上記の両建てループイフダンの解説記事に詳しく書いていますが、両建てループイフダンのリスクを下げる方法の一つとして買い、売りの取引数量を変えるというテクニックがあります。

しかし、ループイフダンBSではデフォルトで買い、売りの取引数量が同じになっており変更できません。
そのため上記のテクニックを使いたいなら自分で買いループイフダンだけを追加で稼働させるといった対応が必要になります。

例えば、ドル円でループイフダンBSを取引数量1万ドルで稼働させ、さらにループイフダンの買い(B)を1万ドル稼働させるといった具合です。

★★★

ループイフダンBSのまとめ

両建てループイフダンをする人にとっては、ループイフダンBSの必要証拠金が少なくて済むことは明らかなメリットです。
また、アドバイス機能は初心者にとっては役立つ機能だと思います。
デメリットについては両建てループイフダンのデメリットと同じであり、長期放置すればいつか必ずロスカットされます。

以上、厳しいコメントも色々書いてきましたが、私のアドバイスを無視して両建てループイフダンをしている人にとっては必要証拠金が少ないという意味でループイフダンBSを始める価値があると思います。

ですが、買い・売り一方だけのループイフダンを稼働させる方がマシだと思います。

下記の関連記事で両建てループイフダンの使い方や損失が増える原因、リスクを減らすテクニックなどを詳しく解説しているので参照して下さい。

ループイフダンBSのリリース予定日
 デモ口座:2021年8月28日メンテナンス後
 本番口座:2021年9月 4日メンテナンス後

関連記事

両建てループイフダン長所短所まとめ
ループイフダン等で下落時損失を抑える方法【両建てヘッジの使い方】
(更新履歴:2021年8月27日投稿)

ループイフダンの最大ポジション数を変更する方法【損切りしない設定編】を紹介します。

以前紹介した記事では「損切りする設定」の場合がベースとなっているのですが、この記事で紹介したように、ループイフダンは「損切りしない設定」の方が効率よく稼げるため、損切りしない設定で最大ポジション数を変更する方法を説明します。

戦略として知っておくと応用が効くので以下で詳しめに解説していますが、多少手間がかかるので、無理にやる必要はありません。
最大ポジション数を変更しないで済むよう、最初から余裕を持った設定にするのを勧めます。

文章で書くとややこしくなってしまうのですが、最初に簡単にまとめておくと、いずれの場合も、
希望する最大ポジション数の範囲になるようにループイフダンを追加・停止し、重複ポジを決済する
というだけの話です。

最大ポジション数を増やす方法(簡単・お勧め)

具体的で説明します。

既に稼働しているループイフダンの最大ポジションが3の場合に、
最大ポジション数を5に変えたい(2つ最大ポジションを増やしたい)
ならば、以下の手順で対処します。(値幅100pipの場合)

①元のループイフダン(下図の青)のポジション数が「3」になり、さらに値幅1つ分下落した時に、
ループイフダン最大ポジション変更1

②最大ポジションの増分「2」を最大ポジションとするループイフダン(赤)を追加します。
ループイフダン最大ポジション変更2

追加するループイフダン(赤)については、最大ポジション数以外の設定(取引数量、値幅など)は元のループイフダン(青)と同じにします。(変更してもよいですが、損益などは変わります。)

上記①、②の2ステップを行うことにより、最大ポジションが5の場合と同じ状況、つまり100円から104円までのレンジの動きを利益化できるようになります。

新たに追加したループイフダン(赤)により、100円から102円の間を上下する動きについても決済利益が得られるというのがポイントです。(下図)
ループイフダン最大ポジション変更3

注意点:新ループ停止&重複ポジ決済

新しいループイフダン(赤)開始時のポジションが決済されたら
(つまり、元のループイフダン(青)が最大ポジション数となった時点のレートに戻ったら。下図の102円)、
新しいループイフダン(赤)を停止させ、その残りのポジション(下図の赤)を直ちに手動決済する必要があります。

元のループイフダン(青)と新しいループイフダン(赤)が重複するポジションを持つのを避けるためです。(重複ポジ決済)
ループイフダン最大ポジション変更4

なお、新しいループイフダン(赤)を停止した後に再び相場が下落した場合、この方法を最初から(①から)やり直します(①所定のレートに下落したところで、②ループイフダン(赤)を追加)。

この方法のメリット

最大ポジション数が増やせる

最大ポジション数を増やすことにより、ループイフダンで決済利益が得られる範囲を広くできます。

元のループイフダンの範囲より下で新たなループイフダンが稼働されるためです。

戦略の幅が広がる【小出しループイフダン】

細かく最大ポジション数を増やしていくようすると、例えばあらかじめドル円が100円を割るところで最大ポジション数となるようにしておき、実際に100円になった時に再度相場状況を見直し、
  • 下落が収まるまでいったん様子見するとか、
  • 様子見せず、そのレート以下でもすぐに新規ポジションを取るようループイフダンを追加する、
  • ドル円の今後の見通しが厳しいと判断し戦略を変える(他の通貨ペアでループイフダンを稼働させる等)、
などのように状況に応じて戦略を変えることができます。

重要レート付近(ドル円100円など)で戦略を切り替えるよう、あらかじめ設定しておくのが上級者向けのテクニックです。

つまり、最初から最大ポジション数を大きくする(例えば20)にするのではなく、最初は10にして重要レートに下がったところで最大ポジション数になったら残りの10を追加する(小出しにする)というものです。

目安資金が小さくなる

ループイフダンは最大ポジション数を増やすと目安資金も大きくなるという特徴があります。
そのため、最初に稼働させるループイフダンの最大ポジション数を小さくすると目安資金を小さくでき、資金が少ない時でもループイフダンを利用できます。

そして、余裕資金ができた時(ボーナス、臨時収入など)に最大ポジション数を追加するといった投資法も可能になります。

ループイフダンを一時停止できる

上の応用的な使い方です。手順は変わるのですが、基本的な考え方は同じなので合わせて説明します。

一時停止したい時にループイフダンをいったん停止し、その後に新しいループイフダンを稼働させる際に、
元のループイフダンの残りポジション数(決済されずに残っているポジション数)と新しいループイフダンの最大ポジション数合計」を
元のループイフダンの最大ポジション数」と同じ
にするとループイフダンの一時停止と同じ効果を発揮します。

重複ポジションが発生しないように注意するところも上記と同じです。

急落時や節税目的で一部のポジションを決済するため等、ループイフダンを一時停止したい場合に、この方法が役立ちます。

この方法のデメリット

ループイフダン追加、停止、重複ポジ決済が面倒

最大ポジション数より値幅1つ分だけ下落したタイミング(上の①)を見計らって、手動でループイフダンを追加させる必要があり、面倒です。

また、上の注意点で説明した手間が面倒です(図④の重複ポジ決済。下図は上の図④と同じ)。
ループイフダン最大ポジション変更4
つまり、新しいループイフダンが稼働時点のレートを超えて上昇し、1つ目のポジションが決済されたら(元のループイフダンが最大ポジション数となった時点のレートに戻ったら)、新しい方のループイフダンを手動で停止させ残ったポジションも決済させる必要があります。

元のループイフダンと新しいループイフダンとが、同じレートでポジションを取るのを回避するためです。

ポジション数が増えるのを回避するため、リスク管理上どうしても必要な手続きなのですが、手間がかかるのがネックです。

手間を減らすコツ

  • 値幅が大きいループイフダンを使っていると、ポジション数が変わりにくいので、上の手続き(重複ポジ決済など)をする手間が少なくなります。(逆に、値幅の小さいものだとポジション数が変わりやすく手間が増える)
  • より簡単な投資法を好むのであれば(特に初心者は)、上記のように細かく最大ポジション数を追加していくのではなく、最初から大きめにしておく方がよいと思います。

最大ポジション数を減らす方法(面倒。非推奨)

参考のため一応説明しますが、最大ポジション数を増やす場合より手間がかかる割にそれほど大きなメリットがないので、特に推奨できません。
やる必要が生じた時に、手間を考慮して実行するかを検討して下さい。

以前紹介した「損切りする設定」での最大ポジション数の変更方法と同様の手順を取ります。

例えば、最大ポジション数を5から3に変更したい時、以下のA,Bの2つで場合分けします。
  • 「A:現在のポジション数が少ない時(3以下)」と
  • 「B:現在のポジション数が多い時(3を超えている)
最初に簡単にまとめておくと、下記のAもBも、
  • 新・旧ループイフダンの合計ポジション数」が「変更希望の最大ポジション数」を超えそうになったら手動でループイフダンを停止し、「変更希望の最大ポジション数」未満となったら再稼働、
  • 新・旧ループイフダンのポジションが重複したら旧ポジションを消す、
というイメージです。

A:現在のポジション数が3以下の場合

3になるまではそのまま放置し、4になる直前にループイフダンを停止します。(ポジション数が4以上になるのを防ぐため)
ループイフダン最大ポジション減らす1

その後、相場が下落したなら何もせず放置し(ポジション数3を維持)、
ループイフダン最大ポジション減らす2

相場が上昇し3個目のポジションが決済されたら、最大ポジション数3のループイフダンを新規稼働させます。
ループイフダン最大ポジション減らす3

注意点:重複ポジ決済が必要

この時、元のループイフダン(下図の青)のポジションと、新たなループイフダン(赤)のポジションが重複する状況(同じレートにポジションが複数存在する状況)になるので、元のループイフダンのポジションは全て決済レートを変更し、利益ゼロで決済させるようにします。(以前紹介した「損切りする設定」で最大ポジション数を変更する方法と同様。)
ループイフダン最大ポジション減らす4

この点について簡単に補足説明しておきます。
上図の例では、103円に赤と青の2つのポジションを持っています。

相場が下落すると、両方のポジションに含み損が発生してしまうので、それを避けるために青のポジションの方を利益ゼロで決済させます。

予め指値注文を入れて決済してもいいですし、新たなループイフダン(赤)を稼働させた時に手動で決済してもよいです。

103円のポジションだけでなく、全ての青のポジション(104円を含む)を同様に指値注文を使う等して利益ゼロで決済させるようにします。(相場が104円になると103円の時と同じ問題が出るため)

利益ゼロで決済させても意味がないと思うかもしれませんが、上記したように下落時の損失を避けることができますし、上昇時の利益は新しいループイフダン(赤)から得られるので、損益も変わりません。また、損切りするより利益ゼロ決済の方が損益がよくなるのは言うまでもありません。

(なお、実際にはスワップが入るので利益ゼロとは限りません。ここでいう利益ゼロとは決済利益がゼロのところで決済させるという意味です。)


話を元に戻して、最大ポジション数を5から3に変更する時の2つ目の状況(B:現在ポジションが多い時)について説明します。

B:現在のポジション数が3を超えている場合

直ちにループイフダンを停止します。(残ったポジを手動で損切りしてもよいですが、以下では損切りしない前提で説明します。)
ループイフダン最大ポジション減らすB1

(※)その後、相場が上昇し、残ったポジションが決済されポジション数が3未満になったら、そのタイミングで最大ポジション数が3のループイフダンを新規稼働させます。(重複ポジは利益ゼロ決済)
ループイフダン最大ポジション減らすB2

その後に相場が下落した場合、残ったポジション数と新しいループイフダンのポジション数の合計が3を超えそうにになったら新しいループイフダンを停止します。
ループイフダン最大ポジション減らすB3

そして、相場が上昇したら※に戻る、を繰り返します。

●この記事が難しいと感じた人へのアドバイス。
ループイフダンを始めてみて、その特性がきちんと理解できている人なら、この記事で紹介した方法の有用性が理解できると思います。

テクニックとしては重要なので、この記事がよくわからなかった人はある程度ループイフダンの経験を積んでから再読して欲しいと思います。

関連記事

ループイフダンの最大ポジション数を変更する方法【損切りする設定編】
(更新履歴:2018年11月18日投稿、2018年12月27日更新)

ループイフダンは一度稼働させると最大ポジション数の変更ができないため、その対処法を紹介します。

最大ポジション数による自動損切りを回避したい場合や、節税のための年内利益調整、急落回避などのためにループイフダンを一時停止した時に残ったポジションについての注意点など、ループイフダンを停止&再開させる時にも役立つ内容になっています。

これを知っていれば、いつでもループイフダンの一時停止や最大ポジション数の変更ができますし、投資資金が増えた場合に最大ポジション数を大きくするといった使い方も可能になります。

少しややこしい内容なので、ループイフダン初心者は無理に読む必要はありません。ある程度慣れてきて、最大ポジション数を変更したいと思った時に参考にして下さい。

この記事では【損切りする設定】の場合について紹介しています。
【損切りしない設定】については以下の記事を参考にして下さい。

ループイフダンの最大ポジション数を変更する方法【損切りしない設定編】
 

最大ポジション数を変更したい場合の対処法

ステップ1.ループイフダンを停止する。
ループイフダンの最大ポジション数変更1

ステップ2.最大ポジション数を変更したループイフダンを新たに稼働させる。
ループイフダンの最大ポジション数変更2

ステップ3.残ったポジションの利食いレート変更(利益ゼロで決済)
ループイフダンの最大ポジション数変更3

ステップ4.損切りレートも変更。

ループイフダンの最大ポジション数変更4

各ステップの注意点などを紹介します。

ステップ1(停止)の注意点

ループイフダンの最大ポジション数変更1
ループイフダンを停止すると、以後に新規ポジションを取らなくなるだけで、その時に保有していたポジションはそのまま残ります。
指値や損切りレートもそのままなので、ステップ3、4で修正します。

ステップ2(変更&再稼働)の注意点

ループイフダンの最大ポジション数変更2
ループイフダンを新規稼働させれば、停止前と同じ決済利益が得られます。

新規稼働の際に変更する設定値(最大ポジション数など)には特に制限がないので、目安資金や相場観等に応じて決定します。

(ここで停止前と同じ最大ポジション数にすれば、一時停止&再開する方法として使えるので、テクニックとして覚えておいて下さい。)

以下では最大ポジション数を増やす場合について説明し、減らす場合は後ほど紹介します。
 

ステップ3(利益ゼロで決済)の注意点

ループイフダンの最大ポジション数変更3

ステップ1で残ったポジションを全て利益ゼロで決済させます。(手動決済か、指値変更する)
これは新たに稼働させたループイフダンとポジションが重複するのを防ぐためです。

例えば、停止前のドル円B100ループイフダンのポジションが2つ(105円、104円)残っていた場合に104円で新規稼働させると、そこで新規ポジションを取るため104円のポジションが重複します。(上図)

この時、残ったポジションを利益ゼロで決済させるように指値を変更すれば、104円のポジションはすぐに決済され重複を回避できます(手動決済でもOK)。105円に上がった時も同様にして指値を変更することにより重複を回避できます。

利益ゼロで決済させても意味がないと思うかもしれませんが、損切りするより損益がよくなりますし、ポジション数を減らすことにより下落時の損失を抑えることができ、上昇時は新たに稼働させるループイフダンから停止前と同じ額の決済利益を稼げるので、十分意味はあります。

(なお、この操作が面倒ならやらないことも可能ですが、その場合は重複している分だけポジションが多いと考え、目安資金を多めに用意する必要があります。)
 

ステップ4(損切りレート変更)の注意点

ループイフダンの最大ポジション数変更4

残ったポジションの損切りレートを変更することにより、初めから変更後の最大ポジション数だったことにでき、目安資金の計算が簡単になります。(損切りする設定の場合。なお、損切りしない設定の場合は、新規稼働させたループイフダンの目安資金に加えて、停止後に残ったポジションによる下落時の損失を考慮する必要があります。)

例えば、停止前のポジションが2つ(105円、104円)残っていた場合に、104円で最大ポジション数3で新規稼働させ、残った104円のポジションを利益ゼロで決済させると105円のポジションが残ります。(上図。青は停止前のポジ、緑は新規ポジ)

新規ループイフダンの最大ポジション数は3なので、通常なら104、103、102円のポジションを取って最大ポジション数3となり、次の101円になった時に損切りが始まるのですが(損切りする設定の場合)、
ここでは残った105円のポジションも含めて最大ポジション数3となるようにしたいので、105円のポジションは102円の時に(新規ポジ104、103、102の3つと合わせると最大ポジション数3を越えてしまう時に)損切りされるよう損切りレートを変更します。

なお、損切りしたくない場合は損切り注文のレートを遠くにしたり、注文自体をキャンセルすればOKです。この場合はポジション数が増えるため、下落時の目安資金には注意して下さい。

【損切りレートの計算式】

残ったポジションのうち、最高値のポジションの損切りレートは次式で計算できます。

 設定する損切りレート=ポジションのレート-最大ポジション数×値幅(pip)÷100
 (100で割っているのはpipをレートの単位に合わせるため)

上の例だと、損切りレートは
 105-3×100pip÷100=102
となります。
残ったポジションが2つ以上ある場合は、順に値幅を引いていくと簡単です。
 

最大ポジション数を小さくする場合

上の例では、新たに設定する最大ポジション数3が残ったポジションの数2より「大きい」場合でした。
その反対で、新たに設定する最大ポジション数が残ったポジションの数より「小さい」場合も、同様に利益ゼロ決済&損切りレート変更をしますが、さらに手動で損切りする必要があります。

最大ポジション数を減らす場合

例えば、上記同様、停止前のポジションが4つ(107、106、105、104円)残っていた場合に104円で最大ポジション数3で新規稼働させ、残った104円のポジションを利益ゼロで決済させると3つ(107、106、105円)のポジションが残ります。(上図)

これと新たなポジション1つ(104円)と合わせると4つのポジションを持つことになり、最大ポジション数3を越えてしまうので、107円のポジションもすぐに手動決済する必要があります。

残りのポジションの損切りレートは上記と同じ計算式で求められます(例えば、106円のポジションは106-3×100pip÷100=103円で損切り)。

下落時の損失額(目安資金)は残ったポジションのうち最高値のレートが基準となります。
上記の例では、106円で最大ポジション数3で始めた場合の金額となります。

最大ポジション数1は絶対にやってはいけない

やることはないと思いますが、最大ポジション数1のループイフダンは絶対にやってはいけない設定です。

相場の上昇・下落による損益は同額の裁量トレードとほぼ同じなのですが、無駄に損切り&新規ポジを取りその都度スプレッドコストがかかる分だけ裁量トレードより不利になります。
 

この変更法のメリット

いつでも最大ポジション数が変更できる

投資資金が増えた場合等に最大ポジション数を大きくするといった使い方も可能になります。
 

目安資金がわかりやすい

初めから変更後の最大ポジション数だったとして下落時の損失額(目安資金)を計算できるようになります。(参考:ループイフダンの目安資金

下図のように105円のポジションが残ったまま104円(最大ポジション数3)で新規稼働させた場合、105円で最大ポジション数3で始めた場合と同じ損失額となります。
ループイフダンの最大ポジション数変更4

このようなメリットが得られるのは、残ったポジションも新たに取るポジションも同じ間隔(値幅)となるためです。
 

【重要】一時停止にも使える

やや応用的な使い方になりますが、最大ポジション数を前と同じにすれば(変更しなければ)、ループイフダンを一時停止して再開できるという効果があります。(本題とは違いますが重要なメリットです。)

最大ポジション数による自動損切りを回避するためにループイフダンを停止する時や、節税目的で一時停止し年内の利益を調整する時(特に一時停止して年内の利益が増えないようにする時)、急落回避などのためにループイフダンを一時停止した時などにも、残ったポジションにここで紹介した利益ゼロ決済&損切りレート変更をすれば、簡単にループイフダンを再開できるようになります。

この変更法のデメリット

注文レート変更が面倒

残ったポジションの数が多い場合だと、それらの利食い・損切りレートの変更を全て手動で変更するのは結構大変です。
なるべくポジション数が小さい時に最大ポジション数の変更(停止&新規稼働)をすれば、その手間が減らせるのでお薦めです。

また、利益ゼロで決済させる手順(ステップ3)は省略することも一応可能です(その代わり、最大ポジション数を1つ(重複分)多めに見積もる必要があり目安資金も増える。資金に余裕のある人向けのテクニックです。)。
 

スプレッドコスト

実際に発生するコストは、残ったポジションと同じレートに重複する新規ポジションを取る時のスプレッドコストだけです。
(例えば、1万通貨・スプレッド2pipの新規ポジションを1つ取ると200円のコスト)

このコストを抑えるためには、残ったポジションが少ない時(1の時がベスト)に最大ポジション数変更するのがよいです。
決済利益に比べればスプレッドのコストは小さいので、それほど気にする必要はないと思います。

(利益ゼロで決済させる操作(ステップ3)をしない場合、その決済利益でスプレッドコスト以上を稼げますが、やはり最大ポジション数が1つ多い場合の資金が必要になります。)
 

【注意点】残ったポジションを一度に全て手動決済すると利益が減る

上記のように残ったポジションの注文レートを全て変更(ステップ3、4)するのが面倒なため、残ったポジションを一度に全て手動決済(損切り)してから希望する最大ポジション数のループイフダンを新規稼働するだけでよいと思うかもしれませんが、そうすると利益が少なくなります

なぜかと言うと、ステップ3、4(注文レート変更)をした後に上昇した場合は値幅に達した時に利食い利益が得られますが、手動で損切りした場合も上昇時の利食い利益自体は同じなので損切りした分を取り戻すことができません

この差が埋まることはないため、残ったポジションを一度に全て手動決済(損切り)すると利益が小さくなってしまいます。
 
損切りする額が小さい場合なら全て損切りしてもよいと思いますが、なるべくなら手間を惜しまずここで紹介した対処法を行う方がよいと思います。
 

最大ポジション数の変更まとめ

  • 停止後に最大ポジション数を変更して再稼働。
  • 残ったポジションは利益ゼロで決済&損切りレート調整。
  • メリットは目安資金の計算が簡単、一時停止にも使えること。
変更や一時停止をしたい時は、この方法を役立てて下さい。
特に一時停止は中級者以上の方には非常に役立つテクニックだと思います。

関連記事

(参考)バージョンアップ前の最大ポジション数を変更する方法

(2018年6月に旧ループイフダンは終了したので、この章(赤字部分)は読む必要はありません。参考情報として残しておきます。)

最大ポジション数を越えて下落している時に、最大ポジション数を増やすには、増やしたい分を最大ポジション数に設定した新たにループイフダンを追加すればよいです。(自動損切りがないため。)(関連記事:ループイフダンのバージョンアップまとめ
 
追加&停止するタイミングは、最大ポジション数を越えて下落したところで追加し、そのレートまで戻ったら(最大ポジション数以内になったら)追加したループイフダンを停止します(停止しないまま上昇すると、バージョンアップ前と重複するポジションを取ってしまうため)。

例えば、バージョンアップ前の最大ポジション数10から15に増やしたい場合、ポジション数が最大の10を越えるところ(より正確には10個目のポジから値幅1つ分下)で新たに最大ポジション数5のループイフダンを追加し、そのレート以上に相場が戻ったら追加したループイフダンを停止します。

追加したループイフダンはバージョンアップ後の仕様なので、その最大ポジション数になると損切りが発生するので注意して下さい。

下落時の損失額を計算する場合、最大ポジション数はバージョンアップ前の数と新たに追加した数の合計とし、基準となるレートはバージョンアップ前のループイフダンを稼働した時のレートとして、その下落幅から計算できます。

バージョンアップ前の最大ポジション数を減らすことはできません。バージョンアップ前のループイフダンは停止すると全てのポジションが決済されてしまうためです。

(更新履歴:2017年2月14日投稿、2018年11月3日更新)

ループイフダン・トラリピにお勧めのテクニカル指標と注意点
RSI、ボリンジャーバンド等のテクニカルを使ってトレードする人がいますが、私は今までこうした古典的なテクニカルをほとんど取り上げていません。
こうしたテクニカルの多くはループイフダンには向かないと考えているためです。

この記事ではループイフダンに適したテクニカル、不適なテクニカル、テクニカルの注意点・使えない理由等を説明します。(トラリピ等にも当てはまる)

ループイフダンに適したテクニカル。

●過去高値・安値。
私の考える最も賢いループイフダンの使い方はレンジ上限、下限を想定し下落時損失を把握してから稼働させるというものです。

そのため、レンジの上限、下限を決めるのに最も使いやすい過去高値、安値はループイフダンに最も適したテクニカルだと言えます。
また、過去高値は多くの人が注目しているためサポートラインになりやすく、最も強力なテクニカルだと言えます。

(過去高値はテクニカルではないと思う人もいるでしょうが、これもチャートから判断するものですしファンダメンタルズでもないので、ここではテクニカルに含めておきます。)

どれ位まで過去データを利用するかは投資スタイル次第ではありますが、長期投資を念頭におくなら年単位で見る必要がありますし、数日から数ヶ月程度の投資なら過去数ヶ月程度みれば十分という場合もあります。

過去に何度も反発しているポイントは強力なサポートラインになりやすいので、その回数も見ておくとよいです。
 
いずれの場合も決まった期間だけ見て終わりにするのではなく、より長期間のチャートも確認することが重要です。
より長い期間を見ればもっと過去高値、安値を大きく見積もることになりますが、より正確にリスクを把握できます。

史上最安値まで見ておけば相当リスクは小さくなりますが、そこまでロスカットされない戦略にすると値幅や取引数量の関係上、利益も小さくなってしまうので、リスクとリターンのバランスを考えたり、現在のファンダメンタルズを考慮して強気な戦略にするかを決めるとよいでしょう。

短期投資の場合で高値まで遠い時は、高値に到達するまで時間がかかるため使いにくいということもあるでしょうが、ループイフダンは通常、長期投資を念頭に行うものなので、過去高値・安値は最も注意すべき数値ですし、最も使いやすいテクニカルだと思います。 
ループイフダンに適したテクニカル。ループイフダン検証ブログ
最近のドル円で言えば、数ヶ月単位でみると118円が強力なサポートラインですが、さらに過去を見ると115、110円程度になります。
ファンダメンタルズからドル高が進みやすい状況なので強気な戦略なら118円を下値の目処にすればよいでしょうし、もっと余裕を持たせてもよいと思います。

●区切りのいい数字。
ドル円120円のように区切りのよいレートもよくサポートラインになるため、レンジ上限・下限を決めるのに適しています。
区切りのよい数字が好きな人が多いという心理的要因が背景にあります。

過去高値に重なることも多いですが、史上最高値を更新した場合や過去高値まで目立ったポイントがない場合に特に有効です。

レートの数字だけでなく、5%下落や10%下落等、下落割合でも区切りのよい数字が壁になることが多いです。
半値戻し(下落幅の50%だけ反発すること)等も有名ですが、同様のものです。

フィボナッチ(%)の割合の下落に注目する人もいますが、上記に比べれば少数派なので実用性はイマイチです。
 
ただ、投資業界(証券会社、FX業者、銀行、金融系メディア等)のアナリスト等と呼ばれる顧客の欲や不安等を煽って売買させることを目的とした文章を書く人は(彼らを本当の分析屋だと思うのは辞めた方がよいです。トレードスキル・実績がない人ばかりで、扇動目的のバイアスのかかった内容も多いです。)、何かしらもっともらしい数字や文章を書かなければならないので、こうした数字やテクニカル分析にまで言及することが多いです。

●トレンドライン。
次いで重要なのがトレンドラインです。
重要な理由はこれを見ている人が多いということです。

分足、時間足では人によって設定がバラバラで、5分足を見る人もいれば10分足を見る人もいるのですが、日足、週足、月足のトレンドラインを見ているトレーダーは非常に多いです。(「10」日足のような中途半端なデータを見ている人が少なく、ほとんど1日足、1週足、1月足を見ているため、他のトレーダーと同じものを見ていることになる)

ループイフダンに使う上での欠点は日にちによりレートが変わっていくことです。
そのため、トレンドラインによるサポートラインがどこまで切り上がったかを定期的に確認する必要があります。
トレンドラインを延長すれば未来の予想値も簡単にわかります。

上昇トレンドでは、ロスカットレートをこの変化に合わせて切り上げていくことにより、高値更新した場合でも設定を変えずに済ませるといった戦略もあります。

ちなみに、トレンドラインを割ったからといって必ずしもトレンドが逆転する訳ではなく、その後レンジに変わることも多いです。

★ループイフダンに向かないテクニカル。

上記以外のテクニカルはほとんどループイフダンには向かないと思います。

ループイフダンではレンジ上限、下限を決めておくことが必要ですが、レンジを決めるのに適したテクニカルがありません。
ループイフダンに適したテクニカルが開発されていないためとも言えます。

ピボットやボリンジャーバンド等のように上限、下限に目安となる指標が出るものもありますが、その数値は時間経過で変わってしまうし、トレンドラインと違ってその変化が予測できないので、レンジ上限、下限決めに使うのは難しいです。

また、普通のFXでは上昇時も下落時もポジション数は変わりませんが、ループイフダンでは下落時にポジション数が増えるため、上昇幅と下落幅の意味合いが大きく異なるのですが、こうしたループイフダンの特殊性に見合うテクニカルはありません。

(例えば、1円上昇時の利益より1円下落時の損失が大きい。また、上昇後に下落した場合、その高値からの下落幅で下落時損失が決まる点が通常のFXと異なる。ループイフダンではシステムを停止するまでの時間が決まっていないことが多く、停止までの通算決済利益とロスカット時の確定損失のバランスも普通のFXと違います。)

そのため、テクニカルで買いポイント、売りポイントとされるところが、ループイフダンにとっての買い(システム稼働)ポイント、売り(システム停止)ポイント、損切りポイント等になりません。
他にもテクニカルが使えない理由はありますが、次回の記事で紹介します。(下記関連記事参照)

単にトレンドを判断するための補助的な手段として使う程度ならよいと思いますが、レンジや買いポイント、システム稼働・停止ポイントに使うのは難しいと思います。

レンジ決めは安値等を利用し、システム停止ポイントは高値更新時にする等といったシンプルな戦略の方がループイフダンには適しています。

★★★

突発的に大きな材料が出て相場が動く場合は、これらの規則を無視してその材料の大きさ次第の派手な動きとなることもあります。(日本の大地震や予想を裏切る選挙(英EU離脱国民投票)など)

なお、自分の好きなテクニカルを使ってトレードするのを否定する気はありませんし、ある程度は参考にすればよいと思いますが、上記の注意点や次回紹介すること(下記関連記事参照)はよく理解しておくべきだと思います。

テクニカルを見る場合は、毎日同じテクニカルを見るのがよく、特にその変化やパターンに注目するのが重要です。
 
テクニカルではなくチャートだけで相場の力や違和感等を感じられるようになるのがベストだと思いますが、テクニカルの変化に着目することでそのヒントが得られたり、ミスや見落としを防ぐことが出来るかもしれません。

テクニカルだけで勝てるというのは絶対に嘘なのでそういう情報にだまされないよう注意して下さい。
複数のテクニカルや条件を組み合わせたりしても必勝法は絶対にありません。

長くなったので、次回、テクニカルの嘘、テクニカルであまり知られていない最も重要なこと、テクニカルの本質と注意点等を紹介します。(下記関連記事参照)
(更新履歴:初投稿2015年6月18日、最終更新2019年3月27日