外為オンラインのサイクル2取引「ワイド方式」を紹介します。
簡単に言えば、買いと売りを同時発注できるようになったということです。
例えば、従来は決まった数字(例えば100pips)の間隔でポジションを取る仕様でしたが、リスク軽減値を3pipsにするとポジションの間隔が100、103、106pipsという具合に中心レートから離れるほど大きくなっていきます。
そのため、ポジション数が小さくなり含み損も小さくなるメリットがある一方、その分だけ決済回数が減るため決済利益も小さくなるというデメリットがあります。
その理由は、レンジ上半分には買い注文がないため、レンジ上限の買いポジションを持ったまま下落して含み損が増えるという状況にならないからです。
その代わり、レンジを上抜けした時に売りポジションの損失が増えるというデメリットにもなっているため注意が必要です。
注文手順も簡単で、ポジション方向の欄で「売買両方(ワイド方式)」を選択するだけです。
なお、あまり知られていないので念のため紹介しておきますが、2017年3月20日のバージョンアップにより複数のサイクル2取引が同時稼働できるようになっています。(iサイクル2取引も同様)
もちろん、ワイド方式を複数発注することも可能です。
下図はサイクル2取引のレートを修正した場合。売りポジションの間隔(利食い幅)を48円、1円に。
注文画面の左側のチェックボックスをオフにすれば、その注文が発注がされなくなるためポジション数を減らすこともできます。
この場合、オフにした注文の隣の注文レートが自動修正され、隣り合う注文の利食い(決済)レートと新規指定レートが同じになります。
より細かくレートやポジション数を指定したい場合は複数のサイクル2取引を手動で発注すれば実現できます。
(例えば、100から101円を行き来する場合、買いサイクル2取引なら100円で新規買い、101円で決済売りを繰り返し、売りサイクル2取引なら101円で新規売り、100円で決済買いを繰り返すため、その決済回数(決済利益)はどちらも同じです。)
そのため、損益の違いはスワップと、レンジを外れた時の含み損だけです。
買いと売りの両方が発注されるから利益が増えると安易に考えているならそれは間違いです。
無論、含み損の差からシステム停止時のトータル利益が増えることもありますが、停止するタイミングまでよく考えた上でシステムを稼働させるべきです。
サイクル2取引において最も重要なのは含み損(リスク管理)にあることをよく理解して下さい。iサイクル2取引やループイフダン、トラリピも同様です。
長期で見れば予想レンジから外れる確率が極めて高いため、上に抜けるか下に抜けるかを考える必要があります。
いずれ上に抜けると考えるならば、売りポジションの含み損が増えるリスクがあるため、買いだけのポジションを持った方がよいです。
システム停止のタイミングについては以下の記事を参照して下さい。
ループイフダンに関する記事ですが、サイクル2取引やiサイクル2取引にもそのまま利用できます。
ループイフダン停止の理想的なタイミング
例えば、100円付近に100pips間隔で注文した場合は、103,102,101円に売り注文、99,98,97円に買い注文となり、99から101円の200pipsの間には注文されません。
ここでの動きを利益化できないのはやや痛いです。
上記した通り、手動で調整すれば買い、売りのポジション数やレートを変更できるため、売りポジションを一つだけにして、まず約定されない位に新規レートを大きくすれば実質的に売りポジションを持たないようにすることも出来ますが、少し手間がかかります。
買いだけにしたいなら通常のサイクル2取引を使えばいいというのは確かですが、「リスク軽減値」機能を使いつつ買いだけの注文を簡単に発注できればもっとよかったと思います。
マイナススワップのサイクル2取引(ドル円の売りサイクル2取引など)を長期放置させるとバカにできないロスとなるので注意して下さい。
また、レンジを上抜けすると売りポジションの損失が膨らむというデメリットもあるため、(特に円がらみの通貨ペアでは)買いポジションだけの方がよい場合も多いです。
買いと売りで設定を変えるといった戦略は以下の記事で詳しく紹介しているので、これを参考にポジション数やレートを変更した方がよいと思います。
ループイフダンのレンジ内の位置ごとの最適戦略
両建てループイフダン長所短所まとめ
損益を左右する最も重要な要素はスプレッドと手数料というコストであり、ループイフダンの方が低コストなので利益が大きくなります。
通貨ペアが多いというメリットはあるので、NZドル円のようにループイフダンにない通貨ペアで取引するならサイクル2取引がよいと思います。
サイクル2取引、ループイフダン、トラリピのスプレッド比較
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2019年2月18日記事更新(サービス変更に伴いiサイクル注文をiサイクル2取引に変更)
目次
1. サイクル2取引新機能「ワイド方式」とは?
「リスク軽減値」とは?
2. ワイド方式のメリット
買いだけの場合より下落時の損失が小さい
発注が簡単
売りサイクル2取引で利益を上げられる
買い、売りのレート・ポジション数を変更できる。
決済利益は買いでも売りでも同じ
3. ワイド方式のデメリット
中心レート付近が弱い
買いだけ、売りだけの方が有利な場合も
買いと売りの設定が同じ
利益予想が困難
ループイフダンの方が利益が大きい
4.結論
1. サイクル2取引新機能「ワイド方式」とは?
「リスク軽減値」とは?
2. ワイド方式のメリット
買いだけの場合より下落時の損失が小さい
発注が簡単
売りサイクル2取引で利益を上げられる
買い、売りのレート・ポジション数を変更できる。
決済利益は買いでも売りでも同じ
3. ワイド方式のデメリット
中心レート付近が弱い
買いだけ、売りだけの方が有利な場合も
買いと売りの設定が同じ
利益予想が困難
ループイフダンの方が利益が大きい
4.結論
1. サイクル2取引新機能「ワイド方式」とは?
6月26日に追加されるサイクル2取引の新機能で次の特徴があります。- 「中心レート」を指定し、その上には「売」サイクル2取引、下には「買」サイクル2取引を発注する。
- 従来のサイクル2取引の改良版であり、新規&決済を自動で繰り返す。
- 「リスク軽減値」機能により損失を軽減できる(下記)
- 特許出願中(特願2016-196860、2016-196861)
簡単に言えば、買いと売りを同時発注できるようになったということです。
「リスク軽減値」とは?
従来のサイクル2取引ではポジション間隔(注文レートの差。利食い幅)は一定の間隔でしたが、リスク軽減値を設定するとそのポジション間隔が指定した値づつ徐々に大きくなっていきます。例えば、従来は決まった数字(例えば100pips)の間隔でポジションを取る仕様でしたが、リスク軽減値を3pipsにするとポジションの間隔が100、103、106pipsという具合に中心レートから離れるほど大きくなっていきます。
そのため、ポジション数が小さくなり含み損も小さくなるメリットがある一方、その分だけ決済回数が減るため決済利益も小さくなるというデメリットがあります。
2. ワイド方式のメリット
サイクル2取引自体のメリット・デメリットに加え、以下があります。買いだけの場合より下落時の損失が小さい
最大のメリットは、想定レンジに買い注文だけを配置する場合に比べると、下落時の損失が小さくなることです。その理由は、レンジ上半分には買い注文がないため、レンジ上限の買いポジションを持ったまま下落して含み損が増えるという状況にならないからです。
その代わり、レンジを上抜けした時に売りポジションの損失が増えるというデメリットにもなっているため注意が必要です。
発注が簡単
買い、売りのサイクル2取引をそれぞれ発注するだけなので、ぶっちゃけた話、以前のサイクル2取引で同じ設定を作ることもできるのですが、それよりは手間が省けます。注文手順も簡単で、ポジション方向の欄で「売買両方(ワイド方式)」を選択するだけです。
なお、あまり知られていないので念のため紹介しておきますが、2017年3月20日のバージョンアップにより複数のサイクル2取引が同時稼働できるようになっています。(iサイクル2取引も同様)
もちろん、ワイド方式を複数発注することも可能です。
売りサイクル2取引で利益を上げられる
買いサイクル2取引だけでなく売りサイクル2取引も自動で発注されるため、それによっても利益を上げられます。買い、売りのレート・ポジション数を変更できる。
各レートを修正可能です。隣り合う決済・新規レートが等しくなるよう自動調整される仕様なので、変更制限のない最高値の新規売り注文レート(または、最安値の新規買い注文レート)から修正していく必要があります。下図はサイクル2取引のレートを修正した場合。売りポジションの間隔(利食い幅)を48円、1円に。
注文画面の左側のチェックボックスをオフにすれば、その注文が発注がされなくなるためポジション数を減らすこともできます。
この場合、オフにした注文の隣の注文レートが自動修正され、隣り合う注文の利食い(決済)レートと新規指定レートが同じになります。
より細かくレートやポジション数を指定したい場合は複数のサイクル2取引を手動で発注すれば実現できます。
決済利益は買いでも売りでも同じ
サイクル2取引では注文レートをまたぐ毎に利益を得られますが、これは発注レートが同じならば買い注文でも売り注文でも同じ決済利益となります。(例えば、100から101円を行き来する場合、買いサイクル2取引なら100円で新規買い、101円で決済売りを繰り返し、売りサイクル2取引なら101円で新規売り、100円で決済買いを繰り返すため、その決済回数(決済利益)はどちらも同じです。)
そのため、損益の違いはスワップと、レンジを外れた時の含み損だけです。
買いと売りの両方が発注されるから利益が増えると安易に考えているならそれは間違いです。
無論、含み損の差からシステム停止時のトータル利益が増えることもありますが、停止するタイミングまでよく考えた上でシステムを稼働させるべきです。
サイクル2取引において最も重要なのは含み損(リスク管理)にあることをよく理解して下さい。iサイクル2取引やループイフダン、トラリピも同様です。
長期で見れば予想レンジから外れる確率が極めて高いため、上に抜けるか下に抜けるかを考える必要があります。
いずれ上に抜けると考えるならば、売りポジションの含み損が増えるリスクがあるため、買いだけのポジションを持った方がよいです。
システム停止のタイミングについては以下の記事を参照して下さい。
ループイフダンに関する記事ですが、サイクル2取引やiサイクル2取引にもそのまま利用できます。
ループイフダン停止の理想的なタイミング
3. ワイド方式のデメリット
中心レート付近が弱い
指定した中心レートの上下に注文を配置する仕様なので、指定レート付近には注文がない状態(空白地帯)になります。例えば、100円付近に100pips間隔で注文した場合は、103,102,101円に売り注文、99,98,97円に買い注文となり、99から101円の200pipsの間には注文されません。
ここでの動きを利益化できないのはやや痛いです。
買いだけ、売りだけの方が有利な場合も
買いだけ、もしくは売りだけを発注するのがやや面倒です。上記した通り、手動で調整すれば買い、売りのポジション数やレートを変更できるため、売りポジションを一つだけにして、まず約定されない位に新規レートを大きくすれば実質的に売りポジションを持たないようにすることも出来ますが、少し手間がかかります。
買いだけにしたいなら通常のサイクル2取引を使えばいいというのは確かですが、「リスク軽減値」機能を使いつつ買いだけの注文を簡単に発注できればもっとよかったと思います。
マイナススワップのサイクル2取引(ドル円の売りサイクル2取引など)を長期放置させるとバカにできないロスとなるので注意して下さい。
また、レンジを上抜けすると売りポジションの損失が膨らむというデメリットもあるため、(特に円がらみの通貨ペアでは)買いポジションだけの方がよい場合も多いです。
買いと売りの設定が同じ
デフォルトでは買いと売りの注文間隔が同じになるため、売りの注文間隔だけを広くするといった使い方が出来ません。買いと売りで設定を変えるといった戦略は以下の記事で詳しく紹介しているので、これを参考にポジション数やレートを変更した方がよいと思います。
ループイフダンのレンジ内の位置ごとの最適戦略
両建てループイフダン長所短所まとめ
利益予想が困難
上記の通り中心レート付近の値動きを利益化できないことや、「リスク軽減値」利用時だと注文レートがやや複雑なこと、中心レートにより決済利益が変わること等からバックテストの再現性も低く将来の利益予想は難しいです。ループイフダンの方が利益が大きい
機能面での改善は評価できますが、手数料やスプレッド、スワップを考えるとやはりループイフダンの方が有利です。(下表)損益を左右する最も重要な要素はスプレッドと手数料というコストであり、ループイフダンの方が低コストなので利益が大きくなります。
通貨ペアが多いというメリットはあるので、NZドル円のようにループイフダンにない通貨ペアで取引するならサイクル2取引がよいと思います。
サイクル2取引、ループイフダン、トラリピのスプレッド比較
↑スプレッドと手数料の合計で比較。カッコ内はスプレッドのみの値。ループイフダンは手数料無料。1000通貨で比較。
結論
デメリットも色々書きましたが、リスク軽減値という機能は便利ですし、発注を簡単にしたい方やループイフダンにない通貨を利用したい場合は試してみるといいと思います。★★★外為オンラインの口座開設はこちらから↓★★★
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2019年2月18日記事更新(サービス変更に伴いiサイクル注文をiサイクル2取引に変更)