ループイフダンやトラリピではその仕組み上、含み損を持つポジションを抱えることが多いです。

含み損についてよく誤解されている方がいるので、含み損と確定損失についてまとめておきます。

●含み損と確定損失の違い。
買ポジションを持ち下落すると「含み損」が発生します。
このポジションを決済すると「確定損失」になります。

簡単に言うと、含み損と確定損失の違いは、ポジションを決済したか、してないかの違いです。

ここで誤解している方が多いのですが、含み損も損失であることには変わりなく、含み損のポジションを持ち続けるということは一度そのポジションを決済してから同じレートで買い直した場合(このブログでは「ポジションの取り直し」と呼んでいます。決済レートに指値を入れるとなおよい。)とほぼ同じだということです(違いは下記)。

ポジション取り直しをする場合(含み損を確定損失にしつつ同じポジションを取る)と、しない場合(含み損のポジションを維持する)の違いについて説明します。

●含み損を確定損失に変えると、その年の確定損益が増減し納税額が変わる。
含み損と確定損失の一番の違いはここです。
確定損失より含み損の方が年内利益を調整しやすいので節税しやすいです。 
これを利用した節税方法はこちらを参照して下さい。

●ポジションを取り直す際にスプレッドコストが発生する。
新規にポジション取る際にスプレッドコストが発生するため、ポジションの取り直しのために新規にポジションを取ると余分にスプレッドコストが発生します。

決済させて損失を確定させるだけならこうしたこうしたスプレッドコストは発生せずに取引は終了しますが、その場合は決済したポジションの当初の決済予定レートに戻った時にも決済利益が得られません。

資金的余裕がない場合や相場観が変わった場合はポジションの取り直しをしなくてもよいのですが、上記節税目的の場合や、何らかの理由により自分の意思に反してポジションが決済された場合(システム障害や誤操作等)等にはポジションの取り直しをするのがよいと思います。

ループイフダンと同じ取引システムで通常注文も発注できるのでそこでポジションの取り直しをするのがお勧めです。

ポジションの取り直しの際に、決済させたポジションと同じレートでポジションを取れるとは限らないのでそのレートの差だけ損益が発生することがある点にも注意が必要です(より低いレートで買えれば利益が増えるし、高いレートで買うことになれば損をします)。

●心理的要因。
他にも心理的要因として、確定損失は「負け」を意味し心理的ダメージが大きいと考える人がいます。
 
ですが、上記の理屈を理解していればあまりこの差(含み損か確定損失か)を気にする必要がないことがわかります(節税できなくなる場合は節税額分を本当に損するので困りますが)。

これらを理解していれば節税目的や何らかの理由で含み損が確定損失に変わっても精神的ショックを受けることも少ないし、すぐにポジションの取り直しを行って元の状態に戻すことができます。

なお、バージョンアップ後のループイフダンやiサイクル注文、トラッキングトレードのように損切りしたポジションと同じレートでポジションを取るが、決済レートを変える場合(新たなポジションは元の決済レートではなく、新たなポジションプラス値幅分の決済レートにする場合)は決済利益も変わってしまうので、この記事で紹介する「ポジションの取り直し」とは違うので注意が必要です。