ループイフダンでカナダドル円を運用したバックテストを紹介します。

●結果(下表参照)。
カナダドル円値幅20の平均年間利益(1000通貨単位の場合)。
 買: 321,782円
 売: 322,982円

1日平均利益(土日を除いて年260日として計算)。
 買: 1,238円
 売: 1,242円
 
年間最大は2008年の買:784,000円、売:822,400円でした。 

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   カナダドル円 値幅20  16.5%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   カナダドル円 値幅40  36.7
   カナダドル円 値幅80  16.4%
   カナダドル円 値幅100  12.6%

この記事の趣旨、データの注意点等はドル円バックテストを参照下さい。

●カナダドル円のバックテストの特徴、まとめ等。

カナダドル円の目安資金の記事で、カナダドル円でループイフダンする際の注意点などを紹介しているので参考にして下さい。

カナダはアメリカと経済的に密接な関係にあるため、通貨の値動きも似ているのですが、バックテストでは特筆すべきポイントが見えました。

下表はカナダドル円とドル円の利益比較/為替レート比較です。

ほとんどの期間で両者のループイフダン値幅100の決済利益は同程度ですが、リーマンショック前後の2007から2010年あたりではカナダドル円の利益が大きいです。

これはドル円のボラティリティが低い(カナダドル円のボラティリティが相対的には高い)という特徴が、リーマンショックのような急変時で特に強まっているためです(他通貨との差異が際立っているということ)。

豪ドル円のような通貨でもリーマンショック前後はボラティリティが特に高くなっていたため、カナダドル円の特徴というより、急変時におけるドル円のボラティリティの上昇率が小さいという特徴が強く影響しています。

このような急変はそうそう起こるものではないので、基本的にはカナダドル円とドル円の利益は似た数字だと覚えておけばいいと思います。

↓カナダドル円とドル円の利益比較 値幅100
カナダドル円とドル円の利益比較 ループイフダン値幅100

↓カナダドル円とドル円の為替レート比較
カナダドル円とドル円の為替レート比較

スプレッドはドル円2pip、カナダドル円5pip、スワップはドル円の方が高いです。

カナダドル円とドル円ではループイフダンの値幅が異なるので(共通するのは値幅100だけ)、自分の使いたい値幅を優先してカナダドル円を選ぶという使い方もアリだと思います。

カナダドル円の為替レートはドル円より低いことが多いため、取引証拠金も少ない点はメリットです。

2004年から2017年の平均為替レートを比較すると、
 カナダドル円は90.47円
 ドル円は102.98円
となっており、豪ドル円が13.8%高いです。

リーマンショック前後の下落幅を見ると
 カナダドル円は高値125.52から安値68.39で下落幅57.13円
 ドル円は高値124.12から安値75.57で下落幅48.55円
であり、ドル円の方が8.6円小さいです。

実際に運用する際にはスワップや、下落幅、最大ポジション数による取引証拠金、損失額合計額(目安資金)も考慮する必要があり、ドル円とカナダドル円のどちらが有利かを簡単に結論付けることはできないのですが、こればかりは相場次第なので各自の判断になります。

個人的には、長期の相場予測も含めて総合的に考えると、ドル円の方がよいと思います。
カナダドル円は高値、安値が予測しにくく、取引レンジ(最大ポジション数でカバーする範囲)や損切りレートを決めにくいですし、ファンダメンタルズの予想も難しいので上級者向けの通貨ペアです。

●カナダドル円のバックテスト。

カナダドル円 (単位:円。1000通貨単位の年間利益)
  値幅
20 40 80 100
2007 445,000 276,000 156,000 132,000
434,400 265,200 144,800 121,000
2008 784,000 492,000 275,200 218,000
822,400 530,400 313,600 257,000
2009 515,200 303,200 164,000 133,000
501,000 288,800 149,600 119,000
2010 413,400 245,200 135,200 100,000
420,600 252,000 142,400 107,000
2011 246,600 142,000 77,600 61,000
251,800 147,200 83,200 67,000
2012 141,600 83,600 50,400 38,000
130,000 72,400 40,000 27,000
2013 264,800 155,600 78,400 64,000
254,200 145,200 68,800 54,000
2014 134,800 78,400 44,000 36,000
130,600 74,000 39,200 32,000
2015 202,000 109,600 56,000 43,000
218,400 126,000 72,000 59,000
2016 260,600 162,800 89,600 74,000
260,400 162,800 89,600 74,000
2017 131,600 74,000 40,000 32,000
129,000 71,600 37,600 30,000
年平均 321,782 192,945 106,036 84,636
322,982 194,145 107,345 86,091
一日平均 1,238 742 408 326
1,242 747 413 331

●注意。
10分足データで計算しており、10分間に複数回の決済が起きた場合にカウント漏れが出るため、実際はもっと利益が大きくなります(例えば、カナダドル円B20で1分間に3回決済されたとしても1回分しかカウント出来ないため、実際はもっと利益が大きくなります)。特に値幅の小さいシステムほどカウント漏れが多くなるため、利益はバックテストより大きくなります。

↓2018年以降のループイフダン利益(1000通貨あたりの利益。バックテストではなく実際に取引したデータ)
ループイフダン年間利益2018年

●トラリピとの利益差。 
計算方法等はこちら(ドル円バックテスト)を参照下さい。
上表ではトラリピ利益を省略していますが、ドル円と同様の検証をしカナダドル円でのループイフダンとトラリピの利益差の結果を紹介します。

トラリピはスプレッド8pips、手数料10pips(値幅20は「せま割」適用で2pips)、ループイフダンは6pips、手数料無料なので、バックテストした結果、以下の差が出ます。

 ★スプレッドと手数料によるループイフダンとトラリピの利益差
   カナダドル円値幅20  18.7%(トラリピ「せま割」で少しだけ手数料が小さい)
   カナダドル円値幅40  41.1
   カナダドル円値幅80  20.6%
   カナダドル円値幅100  16.2%

多通貨と同様に、カナダドル円でもトラリピよりループイフダンの方が有利ですが、実際の利益差は非常に大きいです。

カナダドル円でもトラリピからループイフダンに乗り換えるのがよいと思います。
(更新履歴:2018年4月2日投稿、2019年1月2日更新)