ループイフダン検証ブログ

ループイフダンを検証!【目安資金】【バックテスト】【投資法】等が人気記事。ループイフダン情報が最も詳しいブログです。「長所短所まとめ」等のお勧め記事を閲覧推奨。著書好評発売中!


タグ:ナンピン

ナンピンについて紹介したので、その応用として、勝率は高いが必ず破産する方法としても有名な「マーチンゲール」についても紹介します。
ループイフダンでは出来ない取引方法ですし、全くお薦め出来ませんが、思考実験としてはそれなりに面白いです。

●マーチンゲールFX
マーチンゲールは元々は丁半博打のように確立2分の1でお金が2倍になるゲームにおいて、「負け分+1」だけお金を出す方法です。
こうすると負けが続いても1回勝てば全ての負け分を取り戻しつつ利益が得られます。
 
例えば、それまでに5万負けたなら次に6万で勝負し、負け分を取り戻しつつ1万の利益を得るというものです。 

その代わり、負けが倍々に増えていくので(2のN乗)、負けが続いた時の損失が急激に膨らんでしまい、いつか必ず負けます。
そのため、思考実験としては面白いのですが、非現実的な投資法であり、必ず破産する方法として有名です。

これをFXに応用したものも有名で、上記同様に、一定値幅動いた時に「負け分+一定額」の利益となるようにポジション数や決済幅を調整します。
一度全部決済して損失分を次の1回の取引で取り戻すという方法もありますし、下記で紹介するように、ナンピンの要領で次々にポジション数を増やす方法もあります。

●等値幅マーチンゲールの一例。
シンプルな例だと、等値幅でナンピンしていき、一つ値幅が下がる度に総ポジション数を2倍にすることにより、値幅1つ分反発すれば全ポジションを決済し利益を得ることができます。
その代わり、下落した場合の損失が極めて大きいので、必ず破産します。
また、ポジション数が多いので証拠金も膨大な額になります。

例えば、1万ドル買い、1円下がったら2万ドル、2円で4万ドル、3円で8万ドル、4円で16万ドルとその都度ポジション数を2倍(2のN乗)に増やしていくと(含み損プラス1万ドル)、1円上昇するだけで全ての損失を帳消しにしつつ利益が得られます。(下表)
 
その代わり、下落時に急激にポジション数が増えるため、10円だと1024万ドル(含み損1023万円)、20円だと104億8576万ドル(含み損104億8575万円)ものポジション数(含み損)となり、すぐに破産します
マーチンゲールFXのポジション数

●値幅等を変えた例。
値幅や決済幅を広くしたりポジション数を非常に小さくする等の工夫をして総ポジション数を増やさないようにする方法もありますが、そうするとパフォーマンスが悪くなります。

一例を紹介しておくと、
  • 4円下がるまでは1円ごとにポジション数を2倍にするが、それ以降は2円刻みで所定のポジション数を増やし、2円上がったら決済する(値幅を変える場合。ポジション数もそれに合わせて計算)、
  • 4円下がるまでは1円ごとにポジション数を2倍にするが、それ以降は1円刻みに小さめの(2倍より小さな)ポジションを取りプラ転するまで上がったら決済する(決済幅を変える場合)、
といった方法です。

マーチンゲールをループイフダンや普通のナンピンと比べた場合、1円下がるごとに買うとすると、ループイフダンと同じ値幅(100pip)で決済できつつ全ポジションを決済できるので下落幅が小さく損失が許容できるうちは高いパフォーマンスとなりますが、下落幅が大きくなるとすぐに破綻するので、結局やる価値のある投資法ではありません

投資に必勝法はないので、どれも一長一短ですが、マーチンゲールはリスクが大き過ぎるのでやらない方がよいです。
なお、マーチンゲールにおいても両建ては愚策であり、お勧めしません。

単純だし、そんなに相場が下落しないだろうという安易な思い込みをしやすい初心者には魅力的に見えてしまうようですが、そういううさん臭い情報に騙されないよう注意して欲しいと思います。 

こんな不合理な投資法を行っているのは、リスク管理能力のない初心者や学習能力のない無能なトレーダー、儲かっているように見せかけようとしている詐欺師のような人(ブロガーにもこのタイプが多いので注意)だけです。
 
ナンピンは自分でリスク管理が出来る自信があるならループイフダンと並行してやる等してもよいと思いますが、難しいのであまりお薦めしません。
ループイフダンのようにあらかじめリスクが予測・設定できるものの方が投資手段として優れていると思います。

次回はループイフダンについての新ネタを紹介しようと思います。 

ナンピンは非常に有名な投資手法であり、ループイフダンやトラリピと比較されることも多いです。
今回はそれらを比較します。

「FXでは低レバ・ナンピン(低レバレッジ・ナンピン)が最強」とはFXが流行りだした頃から言われています。
為替はレンジ相場が多いことや、値動きの範囲が予想しやすいこと等から、低レバにしていればいつか反発して黒字決済できるためです。

ただし、ナンピンの応用であるループイフダンの方が有利な場合が多いです。 

★ナンピンとは。
ナンピンとは下落した場合に買い増すことで平均価格を下げる手法です。

各ポジションを買うレートや数量に制限はありません。
ある程度上昇した時(通常は総損益がプラスに転換した時)に全部決済することが多いです。

●ナンピンの長所。
  • 平均価格が下がっているので比較的小さい上昇幅でも全ポジションを決済しつつ利益を得られる。。
  • 全部決済するため長期塩漬けポジションが発生しにくい。
  • 買うレートや数量をその都度調整し相場観に応じた取引が出来る。

●ナンピンの短所。
  • その都度、買うレートや数量、決済レートを考える必要がある。
  • 自動化されていないので発注するのが面倒。
  • 決済レートが決まっていないため決済利益が安定しない。
  • リスク予測を誤って(調子に乗って)大きなポジションを取ってしまい大損する可能性がある(下落すると早く負けを取り戻したいと思い大幅に取引額を増やしてしまい、さらに下落して破産という自制心不足による負けパターンが多い)
  • 下がった場合に損失が膨らむ。
★ループイフダン、トラリピ(等幅等量ナンピン)
ループイフダンやトラリピはナンピン同様に下落した場合に買い増します。
ナンピンと違うのは買うレートや数量、決済レートが予め決まっていることです。
また、ポジションを一度に全部決済するのではなく、一定の値幅毎に決済します。(以下、単に「ループイフダン」と書きますがトラリピでも同様)

●ループイフダンの長所。
  • ナンピンより小さな上げ幅で一部のポジションを決済し利益が得られる(決済利益はナンピンより大きい)
  • その都度、買うレートや数量、決済レートを考える必要がない。
  • 自動化されているので発注が楽。
  • 決済レートが決まっているため決済利益が安定している。
  • 最大ポジション数を事前に決められるので、(調子に乗って)大きなポジションを取り大損することがない。
●ループイフダンの短所。
  • 一部のポジションしか決済しないので、その後もポジションが残る。
  • 下がった場合に損失が膨らむ。

★共通の短所。
下がった場合に損失が膨らむのは共通の短所です。

FXのようにレバレッジを掛けた取引でナンピンすると危険と言われることが多いですが、これはFX批判が盛んだった時期()に広がった安直な結論であり、やり方次第でリスクをコントロールできます。
 
確かに無計画にポジションを増やすとレバレッジが上がっていくので大きな損失を被るリスクもあるのですが、最大ポジション数をコントロールする等、きちんとレバレッジ管理をしていれば大きな損失を避けられます。

※FXが批判されていた理由。
FXが始まった当初はFXはハイリスクだというメディアのネガキャンが一斉に行われていました。
 
リスクを理解せずレバレッジ200倍の限界まで大きなポジションを取り大損したというような失敗例があったのは事実ですが、実際には当時はFX広告が少なかったため新聞等のメディアがFXに批判的な記事を乱発していたこと(株をメインに扱う証券会社(新聞等のスポンサー)等が顧客を取られることを恐れてネガキャンを繰り広げたこと)等が実情です。

その後、新聞等にFX広告が増えたり、証券会社等がFX業界に参入するようになり、こうした批判的な論調は消えました。

未だに当時のネガキャンを真に受けてFXは危険だという偏見を持っている人もいますが、自分でレバレッジ管理すればよいだけの話なのでFXが特にハイリスクという訳ではありません。

株のように投資した会社が倒産して株の価値がゼロ円になることもないですし、株よりボラティリティも低く値動きも予想しやすいので、やり方を間違わなければ株より低リスクです。(海外FX業者は例外で、お金を返さない等のトラブルが多いのでお薦めしません)

●ループイフダンとナンピンのどちらが有利か。
これらを踏まえどちらが有利なのかを考察します。

検証条件。
1円毎に1万ドル買い増し、利益1万円毎に利確。

比較しやすくするために、買うレートや数量はループイフダンと同じとし、決済条件だけ変えるものとします。

ドル円が下落し102,101,100円で買った場合(下図の青丸)、ループイフダンでは「101円」になった時(100pipの上昇)に100円のポジションを決済し(下図の赤丸)、1万円の利益(残りポジション2万ドル、含み損1万)となります。

一方、ナンピンでは平均価格101円、3万ドルのポジションとなっているため、「101.34円」の時(134pipの上昇。下図の赤丸)に利益が1万を超え、そこで全てのポジションを決済することになります。
ループイフダンとナンピン比較。トラリピ
その後、ループイフダンでは102円になった時にさらに決済され1万円の利益、含み損0になります。
 
ナンピンでは決済と同時に買う場合、102円になった時は101.34円で取ったポジションの含み益が7600円であり、トータル利益17600円となりループイフダン利益の2万円より少ないです。

このようにループイフダンはナンピンより小さい値動きで利益が得られるので、ナンピンより大きな決済利益が得られます。

ループイフダンは常に100pipで利確できますが、ナンピンは利確幅が常に100pip以上となるし、その幅がいくつになるかも値動き次第(ポジション数次第)なのでいつ決済されるかわかりにくいです。

101.34円まで上昇した後に下落する場合は、ナンピンでは101.34の一つしかポジションを持っていませんが、ループイフダンでは102、101のポジションを持っているためループイフダンの方が損失が膨らみやすくなります。

まとめると、
  • ループイフダンの方が常に決済利益は大きいが、
  • (ナンピンだと決済できる程度に)反発した後に下落すると含み損のポジションが残る分だけループイフダンはナンピンより損失が大きくなる場合がある
ということです。

また、いくつかの条件で15年分のバックテストをしたところ、ナンピンだと決済回数が大幅に少なくなる(10分の1程度)ことも確認しており、含み損を加味してもループイフダンの方が有利というのが結論です。

●ナンピンの応用例【レンジ上でのみナンピン】
高値のポジションを残したくない場合はナンピンの方が適していると考えることもでき、例えばループイフダンの想定レンジ上限を超えた場合は手動でナンピンするようにしてなるべく高値のポジションを残さないようにするといった戦略も可能です。(ただし決済までの時間も長くなるので損益上どちらが有利かは相場次第)

ポジション間隔を大きくするといった調整も出来るので、レンジ上抜け時など、高値警戒感があり急落リスクのあるイレギュラーな相場に対しては、一時的にナンピンに切り替えるのもアリかもしれません。

●両建てナンピン。
さらに、その買いナンピンのポジションが全部なくなるまでの間に限っては、両建ての要領で売りナンピンも追加(両建てナンピン)するとよい場合もあります。

売りポジションが膨らんで損するリスクもありますが、高値付近なのでリスクは小さめであり、高値予想に自信があるなら利益アップを狙うのも手です。
勿論、売りだけのナンピンにしてもよいです。

両建てナンピンも両建てループイフダンと同様のリスクがあるので下記記事も参考にして下さい

★★★ まとめ。
ナンピンはリスク管理が難しいことや、発注の手間が大きいこと、決済回数が大幅に少なくなること等から、ループイフダンの方が優れていると思います。
 
また、レンジ内で推移した後にレンジ上限で決済する(終了する)場合は、含み損のポジションがなく、それまでの決済利益も大きいのでループイフダンの方が利益が大きくなります。

ナンピンをする場合、低スプレッドのFX業者を使うのが手っ取り早く利益を増やす方法なので裁量トレードにお勧めの低スプレッドFX業者を使うのがよいと思います。
 (更新履歴:2015年9月22日投稿、2018年11月12日更新)